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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【ホワイトデー】煌燦-KiraKira-ホワイトアイランド
● 寝子ヶ浜海浜公園～アイドル・オン・ステージ
ベースのイントロ。
しっとりした曲調に合わせ、ギターのメロディが切なく加わる。
末明せれねの名で、寝子島島内を中心にラジオのパーソナリティや今日のようなイベントでのアイドル活動を行っている夢宮 瑠奈は、思う。
♪ ひとがひとをすきなことに
理由なんていらないだろう
キミがすぐそばにいるのなら
ボクはもう満たされるから
（そう、誰かを気に入るのに理由なんかない。私はこの島のみんなが好きで、皆のために歌いたい）
その想いは、時間をかけすこしずつ自分の中に降り積もっていて、いつしか押さえられないくらい大きくなっていた。それが、端的に、自分がアイドルであることの意義となっていることに、今気づく。
♪ キミが悩む姿をみて
どうしようもなく愛しい
ボクはそんなキミのために
何をしていけるのだろう
悩みつつも、私が出来るのは歌だけだから。
私が届けられるのは、メロディに載せた心だけだから。
（――だから私は、それを全力で、届けたいと思うんだ）
♪ キミの笑顔、キミの幸せ
作りだすのはボクの役目
だからずっと、ずっと……
つつみこむように。やさしくほほえむように。
せれねは大切に謳いあげた。
（私の『好き』は、今のところ特定の誰かに向けられるものがないけれど、それでも、大切なものだとわかっているから。みんなのその特別な感情は、私のものよりも大きいものだってわかるから。だから私は、それをそっと、後押しするだけ、だよ）
曲が終わり、雪のように舞う光の反射と深いベースの余韻が、会場の上空に漂っているのを瑠奈は見た。
深く呼吸する。
マイクを下す。
瑠奈はすこし成長したアイドルせれねの顔で、笑顔を浮かべる。
「ありがとうございましたっ」
◇
「えー、ここで、次のゲストをお呼びしたいと思います。私の学校のお友だちでもある野々 ののこちゃんと、八神 修くんのユニット『ののしゅー』ですー！」
せれねは進行のカンペを読み上げ、自分はステージの上手袖に下がりながら二人を呼んだ。
修は白のスーツに身を包み、ヴァイオリンを手にしている。教養の一環として、バイオリンとピアノは嗜んでおり、毎日気分転換を兼ねて少し弾いているので、ののこの歌の伴奏程度ならお安い御用だ。
そしてヴォーカルたるののこは、髪を真上にひっつめて、着物に白いビニールテープでつくった腰蓑、手には釣り竿とくれば、浦島太郎のコスプレである。
三線に変わりヴァイオリンのイントロは、ＣＭでも馴染みのある『深海の聲（こえ）』だ。
♪ 宇宙の聲がききたくて
太陽風の聲に耳すませ
深海の声が知りたくて
キミの声を探してる
ののこの歌は、けっしてうまくはなかった。歌詞の意味も理解しているのかどうかわからない。ただその曲がいいなと思って、思ったままに、マイクに声をぶつけているだけだ。
伴奏している修の方がむしろ、歌詞のもつ切なさや想いに感じ入って、ヴァイオリンの音色にも熱がこもる。
（たとえ俺がおじいさんになっても、か）
このとき修が誰を思い浮かべていたかは推して知るべし。
深海とも宇宙ともつかぬ空間で音に身を任せていると、大きな拍手と歓声が聞こえて、曲が終わっていた。
――うまくいったね！
ののこがウィンクを送ってくる。
「とっても素敵な歌をありがとう！」
袖に下がっていたせれねが、拍手をしながら再登場した。
「この日このとき、こうやって一緒のステージに立てたのも何かの縁だよね。というわけで！ 三人で、DOG110の『フリスビーローテーション』ッ！ みんなっ、一緒に歌ってね！
――ワン！ ツー！ ワン！ ツー！ スリー！ フォー！」
せれねのカウントを合図に、アイドルソングの定番ともいえる名曲のポップなメロディが流れ出す。
ののこも浦島太郎の腰蓑を跳ねさせて、ノリノリだ。
♪ フリスビーを 取りに行ってー
キミのすぐ側へ 走ーる
♪ 愛 ワンちゃん！ 愛 にーちゃん！ 愛 ラブ チュー！
♪ 芝生の上 ビュンビュン飛んでる楽しさはー フリスビーローテーショーン
（――バイオリンはクラシックだけじゃない）と修も弓を弾ませる。
アイドルソングだってお手の物。ロックバンドのギタリストのようにステージを駆け、ヴォーカルのせれね、ののこと、背中合わせに寄り添うように演奏する。
楽しい！
♪ ビュンビュン飛んでる楽しさはー フリスビーローテーショーン
せれねと修、ののこは最後に手を繋いで深くお辞儀をする。
手を振って袖に下るときには満場の拍手で、口笛も聞こえるほどだった。
ベースのイントロ。
しっとりした曲調に合わせ、ギターのメロディが切なく加わる。
末明せれねの名で、寝子島島内を中心にラジオのパーソナリティや今日のようなイベントでのアイドル活動を行っている夢宮 瑠奈は、思う。
♪ ひとがひとをすきなことに
理由なんていらないだろう
キミがすぐそばにいるのなら
ボクはもう満たされるから
（そう、誰かを気に入るのに理由なんかない。私はこの島のみんなが好きで、皆のために歌いたい）
その想いは、時間をかけすこしずつ自分の中に降り積もっていて、いつしか押さえられないくらい大きくなっていた。それが、端的に、自分がアイドルであることの意義となっていることに、今気づく。
♪ キミが悩む姿をみて
どうしようもなく愛しい
ボクはそんなキミのために
何をしていけるのだろう
悩みつつも、私が出来るのは歌だけだから。
私が届けられるのは、メロディに載せた心だけだから。
（――だから私は、それを全力で、届けたいと思うんだ）
♪ キミの笑顔、キミの幸せ
作りだすのはボクの役目
だからずっと、ずっと……
つつみこむように。やさしくほほえむように。
せれねは大切に謳いあげた。
（私の『好き』は、今のところ特定の誰かに向けられるものがないけれど、それでも、大切なものだとわかっているから。みんなのその特別な感情は、私のものよりも大きいものだってわかるから。だから私は、それをそっと、後押しするだけ、だよ）
曲が終わり、雪のように舞う光の反射と深いベースの余韻が、会場の上空に漂っているのを瑠奈は見た。
深く呼吸する。
マイクを下す。
瑠奈はすこし成長したアイドルせれねの顔で、笑顔を浮かべる。
「ありがとうございましたっ」
◇
「えー、ここで、次のゲストをお呼びしたいと思います。私の学校のお友だちでもある野々 ののこちゃんと、八神 修くんのユニット『ののしゅー』ですー！」
せれねは進行のカンペを読み上げ、自分はステージの上手袖に下がりながら二人を呼んだ。
修は白のスーツに身を包み、ヴァイオリンを手にしている。教養の一環として、バイオリンとピアノは嗜んでおり、毎日気分転換を兼ねて少し弾いているので、ののこの歌の伴奏程度ならお安い御用だ。
そしてヴォーカルたるののこは、髪を真上にひっつめて、着物に白いビニールテープでつくった腰蓑、手には釣り竿とくれば、浦島太郎のコスプレである。
三線に変わりヴァイオリンのイントロは、ＣＭでも馴染みのある『深海の聲（こえ）』だ。
♪ 宇宙の聲がききたくて
太陽風の聲に耳すませ
深海の声が知りたくて
キミの声を探してる
ののこの歌は、けっしてうまくはなかった。歌詞の意味も理解しているのかどうかわからない。ただその曲がいいなと思って、思ったままに、マイクに声をぶつけているだけだ。
伴奏している修の方がむしろ、歌詞のもつ切なさや想いに感じ入って、ヴァイオリンの音色にも熱がこもる。
（たとえ俺がおじいさんになっても、か）
このとき修が誰を思い浮かべていたかは推して知るべし。
深海とも宇宙ともつかぬ空間で音に身を任せていると、大きな拍手と歓声が聞こえて、曲が終わっていた。
――うまくいったね！
ののこがウィンクを送ってくる。
「とっても素敵な歌をありがとう！」
袖に下がっていたせれねが、拍手をしながら再登場した。
「この日このとき、こうやって一緒のステージに立てたのも何かの縁だよね。というわけで！ 三人で、DOG110の『フリスビーローテーション』ッ！ みんなっ、一緒に歌ってね！
――ワン！ ツー！ ワン！ ツー！ スリー！ フォー！」
せれねのカウントを合図に、アイドルソングの定番ともいえる名曲のポップなメロディが流れ出す。
ののこも浦島太郎の腰蓑を跳ねさせて、ノリノリだ。
♪ フリスビーを 取りに行ってー
キミのすぐ側へ 走ーる
♪ 愛 ワンちゃん！ 愛 にーちゃん！ 愛 ラブ チュー！
♪ 芝生の上 ビュンビュン飛んでる楽しさはー フリスビーローテーショーン
（――バイオリンはクラシックだけじゃない）と修も弓を弾ませる。
アイドルソングだってお手の物。ロックバンドのギタリストのようにステージを駆け、ヴォーカルのせれね、ののこと、背中合わせに寄り添うように演奏する。
楽しい！
♪ ビュンビュン飛んでる楽しさはー フリスビーローテーショーン
せれねと修、ののこは最後に手を繋いで深くお辞儀をする。
手を振って袖に下るときには満場の拍手で、口笛も聞こえるほどだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年02月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月04日 11時00分
