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両手をポケットにつっこみ肩をそびやかし、無闇に口に力が入った状態で、
高峰 一馬
は夕方のキャットロードをゆく。背後からの陽で、影が長く伸びている。
一馬は頭を悩ませている。
最適解を探して頭の中で、行ったり来たりを繰り返している。
ボルダリングでたとえれば、次の手がかりを模索しているところに近いだろうか。
――いや、ちがう。
そんな単純な話ではない。岩肌をよじのぼる手がかりを探すときなら、無心に手だけ使っていればいい。掌のタコと指先が、深く悩まずともいずれ、最良の場所を探りあててくれる。
けれどいま、一馬がさまよっている迷宮は、手癖で出られるような場所ではないのだ。
思い出すだけでむず痒くて、無意味に頭をかいたりしてしまう。
心臓まで動く。動悸が速まる。
こんな感覚はボルダリングに限らず、どんなスポーツでも味わったことがない。
――この気持ちは、そう……なんなのかって、そりゃ答えは一つしかねえだろう。
とはいえ認識しているからといって、対処法まで理解しているとは限らないのが難しいのである。
むしゃくしゃするような、大きな声を上げて走り回りたくなるような。
その一方で、家に帰って狭いところに隠れたくなるような。
二律背反どころか、複数の感情が胸の内を出入りしていた。
だけど、それでどうするか、ってのがなぁ……うーん……。
このとき、途中ですれ違った人影に一馬は見覚えがあった。
整えもせぬ鳥の巣みたいな髪で、やや猫背で、とぼとぼと歩く姿だ。
去りゆく背中を振り返って見ると、やはり化学教師の
五十嵐 尚輝
のようだ。本当に小鳥が住んでいるという噂の、あのふんわりした髪型は見紛いようがない。
体育会系、というより軍人系の一馬である。礼儀にはこだわるほうだ。一応、あいさつしたほうがいいかと考えたが、少し迷ったもののやめておくことにした。
なんだか声がかけづらい雰囲気だったからである。独り悩んでいるというような。彼の引きずっている影も、随分長く見えるのだった。
誰も悩みを抱えて生きている。先生だって、それは例外ではないのだろう。
だから自分は、自分の悩みに戻ろう。
どうしたものだろうか、彼女とのことを。
一時の感情でどうこうというより、大志ある少年の一馬としてはそのもっと先、将来のことまで視野に入れずにはおれないのだった。
知ってはいる。
好き同士になったら付き合うんだろってのはさ――。
けれど、それで終わりというものではないだろう。
その……その先にはやっぱり、結婚とかがあるわけで。
彼女と並んで教会で、祝福のライスシャワーを浴びているところを一馬は想像した。あざやかな彼女のウェディングドレス……一馬のほうはタキシードだ。
少し冷静になって、和風に白無垢、紋付き袴の光景に入れ替えてみるが、だからといって悩みが解決したわけではない。
普通の物語ならそれでハッピーエンドだろうが、人生は続くものだ。
そうなると、不安になってくるものがある。
一馬自身の、夢だ。
彼の夢、それは自衛官になることだ。ふわふわした夢というよりは、確たる目標と言いたい。
親父や爺ちゃんがしてきたように、国を守るために生きる、そう一馬は決めている。いつそう決めたのか忘れるほど前に。いまよりずっと幼いころにはすでに。
――でも、そうすると、一番大変なときに、一番大切な人のそばには、いられないんだ。
任務がすべてに優先するだろう。その覚悟なくして、いかでか国が守れよう。
我が身に問う。
それで俺は大丈夫だろうか?
……あいつは、大丈夫なんだろうか?
頭を抱えたい気分だ。
◆◆◆
ガコン、といい音がして、玉は穴に吸い込まれるようにして消えた。
パタパタと白いボウリングのピンが倒れる。九本は簡単に倒れたが残り一本が……揺れながらもしのぎきった。無念、と八神修は額をおさえる。
「数学のように計算で上手くいくものでもないからなあ……」
「惜しいね~」
グァバジュースを飲みながら、残念、と七夜あおいが言った。
修とあおいはボウリング場に来ている。平日ゆえ客はまばらだが、学校帰りの寝子高生らしいグループがあと2つほどゲームに興じていた。どちらも、同性ばかりのグループだ。ひとつは男子だけ、もうひとつは女子だけ。
――普通にデートみたいなのは俺たちだけかな……?
そんな考えが浮かんで、いけないいけない、と修は自分をいましめる。『みたい』であって、そのものではないのだ。少なくともあおいはそう言わないと納得しないだろう。
それでも、俺は嬉しいけどね。
くす、と小さな笑みが浮かんだ。
「一本取るだけでスペアだよ。修君、がんばって」
「任せろ」
修はあおいの声援を背に受け、腕を振り抜くような力投を示した。
……が、力及ばず黒い球はガーターレーンに落ちた。
ここがいいかも、とあおいが言ったので、ボウリング場の下にあるカフェに入った。
季節柄苺フェアが開催中ということで、メニューには苺を使ったスイーツがたくさん載っている。
あおいの料理の参考にもなるといいんだが――修はとっぷりと写真を眺めるも、いずれも難易度が高いものばかりで、ちょっと参考にしづらいかもしれない。これを見てあおいが言った。
「そんな一生懸命にメニュー眺めるなんて、苺が好きなんだね」
「ああ、苺は好きだよ。ババロアとかムースとか」
「いいね。私、苺のババロアにしようっと」
修はムースを選んで、揃って苺味に舌鼓を打つ。
「そういえば、もうじきホワイトデーだが」
何気なく修は切り出してみた。
「ホワイトデー? 修君大変じゃない?」
「それは……大変だな」
「修君ってモテそうだから。お返し準備するだけで丸一日かかりそう」
「いやそうじゃなくて、いや、そうといえばそうなんだが……とにかく、その他のものは使用人に買わせるだけだから。俺が言いたいのは、あおいへのお返し」
「私と、ののちゃんからの、でしょ? 忘れちゃだめだよ」
「もちろん」
「手作りするの?」
そりゃあ、と言いかけて修は口をつぐんだ。
「内緒だ」
ふふっとあおいは微笑した。
「わざわざありがとね。楽しみにしてる」
「いや手作りとは言ってな……」
ここで修は、あおいと目が合った。こらえきれなくなって、笑ってしまう。
「とにかく内緒なんで!」
――あおいには隠し事できないなあ。
食べ終わり、コーヒーと紅茶をはさんで会話に花を咲かせた。
好きなスイーツのこと、料理のことにはじまり、四月からの豊富など、互いに雑多に語り合う。
「俺は部活と、勉強を頑張りたいな……そうそう、勉強と言えば、上の弟さんの進学はどうなった?」
「なんとかなりそう」
「そうか。よかった」
「うん。ありがとう」
あおいのほっとしたような表情を見る限り、上々の結果になったのだと思われた。
「ボウリング代が折半だったから、カフェくらい出すのに……」
「いいっていいって、友達同士じゃない。貸し借りなしにしようよ」
そんなことを話しながら、分かれ道までたどり着いた。
じゃあね、とあおいは片手を上げる。
「楽しかった」
「俺もだ」
「じゃあまた」
「また明日」
小さくなってゆくあおいの背中を修は見つめる。
楽しかった、は感謝の言葉。
また明日、は小さいけど大切な約束だ。
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担当ゲームマスター
桂木京介
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月27日
参加申し込みの期限
2017年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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