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「ふぅ……」
一息つき、
御剣 刀
は携帯機器を置く。女友達の
橘 千歳
に助けを求めて連絡を取ったら、二つ返事で「すぐに行く」と返ってきた。
ちらりと横目に様子を見れば、まだ
小山内 海
は身体を丸めるように眠っていた。
神魂の影響によって朝起きたら猫耳と尻尾が生えてきた海は、刀と会うなり温かい場所で寝てしまった。とりあえず元に戻るまでは安全な場所に移動させた方が良いだろう、と刀は自分の部屋に連れて行って、布団に寝かせたのだが……。
「本当によく寝ているな……」
気持ちよさそうな海の寝顔を見る。千歳が来るまでは起こさないように静かに待たなければ。
「……撫でるくらいなら……」
普段から小動物じみている海とは言えども、こうして二人きりの状態で無防備を晒している機会というのもそう多くはない。今の海は猫だから、と自分に言い聞かせるように、刀は海の頭を撫ぜる。
ふわり、と柔らかで心地の良い感触が手のひらに広がった。
「ほんとに猫の耳なんだな……」
少し和んだように笑みながら、彼は三毛色の耳の輪郭を指先でなぞる。くすぐったそうにかすかに身じろぎする海がまたかわいらしい。
ふと、視線を感じた。刀の部屋でも一際異彩を放つもの――黒いドレスに黒髪の<宝石人形>紅玉ルヴィアからの視線だ。
「はい、寝ている女の子へ勝手に触るのは良くないなっと」
肩を竦めるように両手を上げてもう触っていないことを示すと、ルヴィアからの視線も感じなくなった。
「自分の部屋だからってちょっと油断したな。ルヴィアでなくとも千歳にこんなところを見られたら――」
「お待たせ!」
「うぉわっ!?」
扉を蹴破らんばかりの勢いで開き、躍り出てきたのは千歳だ。噂をすれば影が差す。絶妙なタイミングでの登場に、刀は口から心臓が飛び出るほど驚く。
「小山内さんがまた神魂の影響を受けたって聞いたんだけど大丈夫!? 今度はどんな――」
「しーっ! しーっ!!」
食って掛かるような勢いの千歳を、刀は手で制しながら「静かにしろ」と伝えて海をさす。
「えっ、小山内、さん……?」
猫になった海を見て硬直する千歳。表情から焦燥が消えて、驚きで目を見開かれる。
「い、今起きていることをありのまま話すわ……。『小山内さんだと思ったらにゃんこだった』……ッ!」
「ああ、神魂の影響だな。今回は動物化するみたいで――」
「あっ、今ちょっと耳が動いた……。かわいい……もふもふしたい……」
「聞けよ」
緩みきった表情の千歳がはっと我に返る。
「ま、待って、今落ち着くわ……。落ち着くのよ千歳……」
「もういいか?」
「……どうぞ」
よし、と刀は手短に顛末を説明する。
「なるほど、大方の事情はわかったわ。おっと……」
千歳の頷きに呼応するように、海がむくりと起き上がる。そのまま彼女は一つ大きなあくびをすると、手を床に付けて思いっ切り伸びをした。仕草が完全に猫だ。
「小山内さん、大丈夫? 具合悪いとかない?」
猫姿の海への可愛さでどうにかなりそうな感情をぐっと理性で堪えて、千歳がなんとか気遣いの言葉を投げかける。当の本人はというと、千歳と刀の部屋をぐるりと見て不思議そうに目をぱちくりさせると、『大丈夫』と顔を横に振った。
「ま、こんなものまで付けて外を出歩くぐらいだしな」
安堵の色を滲ませた苦笑を浮かべながら、刀はほら、と回収した猫の手袋を海に渡す。ぺこりと頷き、海は受け取ったそれを早速装着する。
「か、かわいい……」
刺激が強すぎたらしく、緩みそうになる表情を見せまいと千歳は顔を背ける。
「……!」
ゆらり、と揺れた千歳のポニーテールを見て、海の目が輝いた。本能的に、揺れるポニーテールを猫の手袋でてしてしと叩いて更に揺らす。
「な、何? 小山内さん、私の髪が気になるの?」
「ポニテが猫じゃらしっぽく見えたんじゃないか?」
「ああ、そういえば今日は慌てて飛び出てきて、リボンつけたままだったから……。ひゃっ?!」
もふっとした肌触りが一瞬だけ首筋に伝わり、驚いて千歳は素っ頓狂な声を出してしまった。ポニーテールに夢中になって、加減を誤ってしまったのか、海の猫パンチが千歳の首筋を掠めたのだ。
「(え、今のモフ具合は何……?)」
まるで本当の猫の毛皮に触れたかのようなソフトなタッチ。一瞬しか触れられなかったことが惜しまれるほどの心地良さから、沸々と千歳の中で抱きしめてモフりたい衝動が湧き上がってきた。
しかし、彼女は否と頭を振って正気に戻る。海は猫ではない。おとなしくてかわいい友人、海なのだ。一時の気の迷いで友人を勝手にモフってはならない。
「…………」
欲を感じてしまうものが近くにあるからいけないのだ。千歳はすっくと立ち上がると、ふらふらとした足取りでなるべく海を見ないようにしながら距離を取る。
「心頭滅却……! 心頭滅却……!」
壁に頭を打ち付けて、頭の中の煩悩を追い出そうとする千歳。気分はマーラに瞑想を妨害される僧侶か、さもなくば荒野でサタンに誘惑される救世主だ。自分の部屋の壁に頭を打ち付けてられている刀にはたまったものではないだろうが。
その一方で、当の本人はその苦心など露知らず、しゅんとうなだれている。ゆらゆらと旺盛に揺れていた尻尾は地に着き、耳はぺたんと横に向いていた。
『ちとせちゃんがへんになった』
「ん? ああ、まあ十中八九、猫が原因だろうなぁ」
『ねこ? しんこんのえいきょう?』
「いや、神魂の影響は直接関わりが無いっていうか……」
刀が説明に苦慮していると、ひときわヤバい音が壁から鳴った。
「お、おい、大丈夫か!?」
頭を抑えてうずくまる千歳に刀が声をかけ、海が近寄って様子をうかがう。
『だいじょうぶ?』
「大丈夫、大丈夫よ……。わたしは至って冷静だから……」
「ダメみたいだな」
溜息が一つ、刀の口から漏れる。
「ともかく、千歳のためにも海のためにも、この猫化をどうにかしないといけない」
「そうね……。小山内さんが猫になっちゃったから――おさにゃんこね」
「なに言ってるんだお前」
「なに言ってるのかしら私……?」
「俺が聞いてるんだが……」
半目になって呆れる刀と、目を泳がせながら不思議そうな顔をする千歳。だいぶ混乱しているらしい。彼女の頭の中では三等身ぐらいになったマスコットキャラクター風の海がにゃんにゃんとかわいらしく踊っている。現実もかわいいものだがやはり妄想の中でもかわいい。究極生命体ではあるまいか。
などと錯乱していると、海がスケッチブックを見せてきた。
『一回おちついたほうが いいとおもう』
「落ち着くのは主に千歳なんだが……。とりあえずお茶淹れるか、今更だけど」
「お、落ち着いているわよ? そ、そう、今の私は明鏡止水! たとい私の心象風景に木の葉が墜ちたとしてもこの湖面揺るがすこと能わず――!」
「そうだな。確かお茶菓子あったよなー」
千歳が厨二っぽいこと言い始めたのを見て、相当に重症だと判断した刀はアルカイックスマイルで流して茶を淹れ始めた。
「これ飲んで落ち着け、な?」
「あ、ありがとう、刀君……」
「…………!」
千歳はやや疲れ気味に、対照的に海は元気よくぺこりと頭を下げて刀から湯呑みを受け取る。
「…………っ!?」
湯呑みを傾けた瞬間、びっくりしたように海の耳と尻尾がピンと立つ。どうやら舌を火傷したようだ。猫化は耳と尻尾に留まらず、舌にまで影響しているのかもしれない。
「沸かしたて淹れたてだから熱いぞ。気をつけて飲め」
「――っ、――っ」
こくこくと頷きながら、一生懸命ふうふうとお茶を冷ます海。刀はもちろん、千歳もいくばくか落ち着いた様子で茶をすする。
ようやく正気に戻った千歳は、改めて冷静に海を眺める。耳と尻尾は完全に猫。習性も舌も猫。
「…………はっ!? し、静まれ私の右手……ッ!」
「なにやってるんだお前」
無意識で海の耳に手を伸ばしかけたことに気付いた千歳は、己の手をもう片方の手でがっしりと掴んで止めていた。また刀が半目になるが本人は大真面目である。
「……?」
そして海はこてんと不思議そうに首を傾げて、スケッチブックに何やら認め始める。
『さわってみたい?』
「えっ……い、いいの?」
「…………」
こくこくと海が頷く。「じ、じゃ、少しだけ……」とおっかなびっくり手を出す千歳。
「も、もふぅ……♪」
「…………」
海を抱きかかえるように千歳が耳や頭を撫でくる。撫でられている本人は、やはりくすぐったそうにしたり、恥ずかしそうに頬を染めていたがまんざらでもないらしい。そのうち眠くなったのか、千歳の膝に頭を乗せて寝入ってしまった。
心地よさそうに眠る海を、穏やかな表情で見守る千歳と刀。
「一時はどうなるかと思ったけどさ」
「うん……。たまにはこういうのも、悪くないかもしれないわね」
ゆっくりと過ぎていく時間。
三人で共有できるこの時間を、三者三様に良いものだと再確認するのであった。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月18日
参加申し込みの期限
2017年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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