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緑がある。九夜山だ。
寝子島の島民にとっての九夜山とは身近で、けれど実際に行く機会はそこまで多くない場所でもある。さして重要な施設があるわけでもなし。畢竟、この山を訪れる者は限られる。
そう、例えば「九夜山を探検しよう」と考える者であるだとか。
「おーいちかちゃん、大丈夫かー?」
「ちょっと待ってぇな。コンパスが違うねん、コンパスが」
登山コースを歩く大小の人影が一つずつ。
龍目 豪
と
苑下 ちか
だ。
ずんずんと前に進んでしまう豪を見ながら、ちかも一つ溜息を漏らす。二回りも三回りもある身長差。コンパスが――つまり、足が長い人は歩く速度まで早い。
「ごう兄ちゃんは速すぎてかなわんわぁ」
「ま、俺は暇さえあれば探検してるからな」
休みの日となればアウトドア。じっとしていられない性質の豪の普段の過ごし方とは、概ねそんな感じなのだろう。
ちょっと来た道を戻ってちかの側に向かう。普通ならその場で待っていれば良いのだが、彼にはそのわずかな時間の退屈さすら我慢できないのだ。
距離が開いたら戻って、また距離が開いて……。それの繰り返しだ。豪という男のせっかちな気質と世話焼きな性格が同時によく表れている。
「……それにしても」
ふと、豪は空を見上げる。天気は快晴。普段ならば「絶好の探検日和だ!」と喜んでいただろう。
けれど、今日に限って彼の口から漏れて出たのは大きなあくびだった。
その辺の日向で昼寝でもしたくなるような――ともすれば数学の授業を上回るような眠気。健康優良児を自負する豪は、すべからく前日には充分な睡眠をとったし、登山に際しては準備運動すらした。
「どないしたん? ごう兄ちゃん」
「いや、急になんだか昼寝したい気分に……」
眠気でぼんやりとした自分でもおかしいと思う。普段の自分ならじっとしてなんかいられないのに、と。
ええいしっかりしろ、と己に活を入れようと、自身の頬を平手で張ると、もふっとした感触が帰ってきた。
「あ……? なんだこれ」
頬から顎先にかけて撫でると、長い毛がいつの間にかに生えている。
「髪の毛? いつの間にこんなに伸びたんだ?」
両手で顔に触れる。本人は髪だと思っているそれは、間違いなくライオンのたてがみだった。
「ぷっふー! ごう兄ちゃんなんやいきなり、探検中に一発芸とかあかん、ちか笑ってまうよ!」
豪の顔を見たちかは、どうやらそれを手の込んだ変装と見たのか、思わず噴き出してしまう。本人はなぜちかが笑っているのか理解できないといった表情で首を傾げるのだが。いつの間にやら生意気になったものだ。一度甘やかさずに、もっと厳しく鍛えてやるべきなのかもしれない。
そんなことを眠気を帯びた頭で考えながら、目をこする。
「……あれ? ちかちゃん、うさぎのヘアバンドなんて付けてたっけ?」
「お? 付けてきてへんけど」
豪の指摘に、不思議そうに小首を傾げて自分の頭に手をやるちか。果たして、そこには豪の幻覚などではなく、確かにうさぎの耳が生えていた。
「うおお、ごう兄ちゃん、ほんまもんやでこれ! ちか、うさぎになってもうたわ!」
ぴょーんぴょーんと楽しげに口にしながら、ちかは笑いながら豪の周囲を飛んだり跳ねたりし始める。
「どや、かいらしやろ?」
「……せいっ」
ちょこまかと動き回る様子を見て、むくむくといたずら心のようなものが刺激された豪は、がばっとちかを捕らえようとするが、彼女はそれに反応して機敏にもするりと彼の手から逃れた。
「うわっ、いきなりなにすんねん!?」
「あ、いや、なんだか柔らかそうだからしゃぶりつきたくなってきて……」
「なんで幼女食おうとすんねん、やわらかそやったやあるかい、変態か?」
いかんいかんと我に返って頭を振る豪に、ちかは怒れる乙女のキック(ジャンプ力を活かした見事なドロップキックだった)をかます。本来ならそんな趣味のない彼だったが、やはりライオンとしては草食動物を見ると本能的に狩りたくなってしまうのだろう。
「あいたたた……」
「ふんっ、ちかを襲おうやなんて10年早いわ」
患部を抑えて苦笑する豪に、ちかはつーんと顔をそらす。さして彼が痛がっていないのは、ちかの体重の軽さゆえにか。
ぐう、と素っ頓狂な音が響いた。豪の腹からだ。
「なんか、腹減ったな。肉が食いたくなってきた……」
「はあ、もうかいな。いつものスカウト弁当あるやんけ」
「おにぎりだけじゃ満足できる気分じゃねえんだよなあ」
ぐるぐると鳴る音は、豪の腹かそれとも喉か。
図体が大きいと燃費まで悪いのか、とちかは呆れたように彼を見る。
「ちかちゃんも肉食べたいだろ? 俺に任せろ」
「まあ、ちかはかまへんけど……」
なら決まりだ、と早速豪は携帯端末で山の麓にあるバーベキュー専門店へ予約を入れる。
●
「お肉いっぱいやなー」
席へと運ばれて来た材料を見て、ちかは期待と感心の入り混じった声を上げた。
毛むくじゃらなせいで食材を運んできた店員に若干引きつった顔をされたが、空腹の豪には些細なことである。
「野菜も多いし、鳥に豚に結構種類があるだろ?」
これで学生割引が効くというのだから豪としても嬉しい限りである。
……無論、交通の便が悪い場所だからそうでもしないと客が寄ってこないという店の事情もあるのだろうが。
「ほな、早速焼こ焼こ――って、こらっ! なに生で食おうとしてんねん!」
「あたっ」
生肉に手を出そうとしていた豪の手を菜箸で叩く。
「そないに腹空いたんか?」
「いや、なんだか生肉が食いたくて……」
「そないなことしたらぽんぽんこわしてまうで」
いつもはちゃんと焼くんだが、と苦笑する豪を、ちかは半ば睨むように半目で見る。
……そうのたまうちか自身も、「このニンジンさんおいしいわー」と生でぼりぼりと食べているのだが。ウサギの性質に引っ張れているのか元々なのか……。
「それはそれでどうなんだ」
「野菜は生でもええねん。ぽんぽんも痛ぉならないし」
よほどニンジンがうまいのか、ぴこぴことウサギの耳を揺らしながらはむはむとちかはかじり続ける。
「野菜添えのウサギ……」
「? なんか言うたか?」
「あ、いや……ちかちゃんは野菜が好きなんだな、えらいなーって」
一瞬肉食獣的な妄想が浮かんで来たが、目をそらしてそれを打ち消した。うまそうだと思ったなどと、口が裂けても言えない。
「ほれ、お肉も焼けたで」
「危ない危ない」
鉄板まで身を乗り出して肉を取り上げ、ぽいぽいと豪の皿に移すちかを慌てて止める。ちかは不満げにぷうと頬を膨らませるが、間違って火傷でもすれば大事である。
「焼きウサギ……」
「あっ、こらどさくさにまぎれてちか噛もうとすんな!」
俊敏にかわして乙女パンチで正気に戻らせる。
「油断ならんなー、いっつも優しの男は狼ってほんまやねんな。ライオンやけど」
「そういう神魂の影響なんだろうな……」
「かもしれへん。さ、食うならこっちにせえ、こっちに」
ほれ、とちかは自分の肉をつまんで豪の口元に持っていってやる。これにはさすがの豪も恥ずかしいと思ったのだろう。ためらっていると、ほれほれとちかがいたずらっぽい顔で催促してくる。仕方なく、豪は周囲の目を盗んで素早く食べた。
確かな噛みごたえとそのたびに溢れる肉汁。深みのあるタレの塩気と合わさり、一緒に白飯をかき込めば、たまらぬうまさだった。
「うまい!」
「うんまー!」
それから、二人は無心にバーベキューに舌鼓を打った。
最終的に残り少なくなった肉の争奪戦が開始されたが、結局は二人が満腹になるまで追加注文をして、一応の決着を迎えるのだった。
●
「腹いっぱいだ……」
「よく食ったわほんま。来てよかったなぁ」
満足した様子で笑い合いながら退店し、二人は探索を再開しようとまた山へ足を運ぶのだが――。
「ふぅわ……」
二人して大きなあくびをしてしまう。
「食ったら眠ぅなってきたなぁ」
「ちょっと昼寝して休憩にするか」
「せやな。ちょうどええクッションもあることやし」
「たてがみはクッションじゃないぞ」
「ええのええの」
手近な日当たりの良さそうな開けた場所を選んで座り込む豪。それに寄りかかるように、ちかはたてがみを枕にして寝る。
「ほな、ごう兄ちゃんおやすみ……」
「ああ、おやすみ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
豚野郎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月18日
参加申し込みの期限
2017年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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