this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
駄菓子屋のプリンセス
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
12
つぎへ >>
この店の奥には座敷があって、そこに上がって購入したものを食べられるようになっています。
うす茶色く年季の入った畳に、ところどころツギハギのある襖、公民館の会議室みたいな折りたたみ式のテーブルはあちこち剥げていて、灯りは蛍光灯がぶらさがっているだけ、殺風景といえば殺風景な場所ですが、たくさんのお菓子と友達がいればいつだってそこはパラダイスなのです。
その一角に腰掛けて剣崎エレナや市橋誉、青物といきらが談笑中です。かたわらにはたくさんのお菓子の小袋、反対側にはジュースの瓶、安価だけどこれだけで、なんともリッチな気分ではありませんか。
エレナに気づいて
旅鴉 月詠
が声をかけていました。
「剣崎先輩、あまり食が進まないようだけど? 駄菓子が口に合わない?」
そうです。エレナはせいぜいゼリーくらいしか食べておらず、他のカラフルなもの、揚げ物にドリンクには触れるのもためらっているようでした。
「そんなことは……!」
と言いながら、彼女は心苦しそうに視線をそらしたのです。
――この反応は……?
月詠はなんだかピンときたようです。正座して咳払いし、やや声を落として言いました。
「白沢先生はこう言った。
『ダイエットは明日から』
と」
ぴくっ、エレナの肩が反応したのを月詠は見逃しませんでした。
「それにね。私的な見解を述べるならば」
最初の一言で心をつかんだのを見て取ると、月詠はとうとうと続けます。
「お嬢様が庶民的な飲食物を求めるというのは漫画的小説的にはよくあることだと思うがね。貴族は高貴なイメージを大事にするけど、庶民の暮らしを知らなければ金持ちの阿呆でしかないのだよ。ここは社会勉強と思って……」
「皆まで言わなくても結構よ。そうね……『ダイエットは明日から』」
どうやら図星だったようです。エレナは、救われたような表情になっていました。
これを見て、といきも言い添えます。
「食べた分だけ動けばノーカンですよー! あ! あそこで売られてるスーパーボールとか、思いっきり外で跳ねさせて追いかけるとか結構いい運動になりますし、思い切って食べちゃいましょうよー」
「そうね! 食べるわ。心行くまで! 今日は解禁日なんだから!」
そして彼女はポテチの袋を空け、グミキャンディーをパクっと食べて、プレッツェルをいただき、小さなせんべいを一口でバリバリ平らげると青いソーダをぐぐっと飲みチョコパイに手を伸ばしました。早い早い。目の回るような速度で消費していきます。
そして突然、
「くぅぅぅぅぅぅ……」
うなるように身を屈めたのです。
「どうしました、先輩」
誉が不安げに呼びかけますが、月詠は落ち着いていました。
「心配はいらない。解放されただけだ。彼女が押さえ込んでいたものが」
その通りでした、顔を上げたエレナは満面に笑みを浮かべていたのです。
「おいしいっ!」
目を輝かせ、これも、これも、と駄菓子の名前を尋ねたり、さらに一口つまんだりします。
ほっとしつつ誉は言いました。
「よかった。ならこれ……ポン菓子もどうです? ビタミンミネラルたっぷりの米をベースに作られてるんですよ」
「そうそう、ポンポン菓子とか言ったりもするよね。お米をポンと破裂させて作るから」
といきも話をあわせつつ、自分もポン菓子をひとすくい食べます。ざらっとした食感が気持ちいい。大正時代にはすでにあったという、これぞ駄菓子のベストセラーです。
どうぞと勧めつつ、誉は自分もひとすくい頬張ります。
「ほのかな甘みが美味しいですよね」
「ええ、本当に!」
エレナは虚飾をかなぐり捨てて、お菓子大好きな女子としての素顔を見せていました。
普段のとりすました先輩も美人ではあるけれど、今のほうがずっと魅力的じゃないかな――といきはふとそんなことを考えました。
海原茂たちも座敷にいます。
彼はきっちりと隙のない正座をしていますが、甘くないお菓子、つまりせんべいやスナックには満足しているようでした。ちょっとビールのつまみみたいだったりしますが、茂が本当に酒飲みになるかどうかはあと数年するまでわからないことです。
そのとき彼は、見覚えのある姿に気がついて呼びかけました。
「御巫も来ていたのか」
「茂さん……」
名指しで呼ばれたので照れくさげに、
御巫 時子
が座敷に上がってきました。
「なんとなく面白そうで、つい入ってきてしまいました。今日は寝子高生がたくさんいますね……」
「そうだねえ」
と鷹取洋二が言いました。
「あっはっは、僕らが福の神だったいうわけかな。いや、僕はこの店には何度も来ているから、海原先輩がそうなりますかね」
「福の神というのはもっとニコニコしているだろう」
「おやまあ先輩、わかってらっしゃるのならもっとスマイルしなくちゃ。スマイルスマイル、幸せの秘訣は笑顔ですよ」
「これでも機嫌はいいつもりだ」
「ほんとですか~?」
などと茶化す洋二に対し、あいかわらずの仏頂面の茂なのですが、なんとなくこの二人、これで仲良くやっているというのが時子には感じられました。
「私もいくつかお菓子を買ってきたのですが、よろしければどうぞ……」
お邪魔にならないかな、と気配りしつつ、時子は自分の買ってきたものを広げます。タラをつかった加工品や麦チョコ、ピーナツの加工品などです。どれもコミカルなイラスト入りの袋に入っていて、眺めるだけでも楽しい。
安価すぎてお店の売り上げ、大丈夫でしょうかと心配する時子に、まあ十数年、いや、もっとかもしれないくらいやっている店だし大丈夫じゃない? と洋二はこたえました。そして彼女の買ってきたものを見て、
「おっ、御巫くん、通好みのセレクトだねえ。この麦チョコが僕は好きなんだ」
「種類が多くてとても悩みました。通好み……ですか、お恥ずかしい限りです……」
「初心者とは思えない好感度の高い選び方ということだよ。先輩なんかさあ、せんべいみたいなものばっかり選んで遊び心がないんだよなあ」
「どうせ俺は心に余裕がないよ」
「あ、またスネてしまった。先輩怒らないで下さいよ、ほら、僕のイカ焼きあげますから」
やっぱり仲良しのようです。時子はこれまで、この二人がこんなに仲良しだとは思ってもみなかったのですが、考えてみればそれほど意外でもありません。
なんだか天然な洋二には茂のような謹厳さが足りず、逆に茂には、洋二のようなつかみどころのない部分が不足しています。この二人は自然、それを補い合っているのでしょう。
――こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど……。
大きな子どもみたい、と時子は思いました。自分は妹で、二人の兄のじゃれあいを眺めて目を細めている。いや、それとも姉でしょうか?
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
駄菓子屋のプリンセス
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月19日
参加申し込みの期限
2013年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!