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駄菓子屋のプリンセス
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水色の粒子をたっぷりとばらまいて、熊手で薄くならしたような空でした。
陽射しは青々とまぶしいけれど、頬に当たるそよ風は清涼です。まるでお空が、「まだ夏じゃないからねっ」と、がんばって主張しているかのようです。
そんな午後、放課後のお話です。
寝子高の制服を着た少女ふたりが、商店街を連れ立って歩いていました。
その一人、『華麗』という形容詞の似合う彼女は
財前 華蓮
、光沢を帯びたロングヘアをきらきらと、なびかせながら足を進めています。気品のある姿勢に口調、まさしくお嬢様と呼ぶにふさわしい。
「普段はこっちに来ないので新鮮ですわね」
知っている場所の近辺でも、ふと寄り道してみれば光景が変化する不思議さがあります。ちょっとした旅をしているかのようです。
「それで今日は、小さい頃から通ってるお店紹介するアル。先輩も好きになってくれると嬉しいナー」
かく言うは
畑中 華菜子
です。くるっとシニヨンにした髪も可愛らしく、よく笑いよくしゃべっています。小柄な体から陽性のエネルギーが発散されているかのようです。華菜子は地元出身の元気っ子にして、参道商店街のラーメン店『猫島軒』の看板娘なのでした。
華蓮は二年生、華菜子は一年生、学年こそちがいますけれど以前のとあるきっかけで、すっかり仲良くなった二人です。本日は、あまり商店街を知らないという華蓮に、華菜子が放課後の道案内を買って出たというわけなのでした。
「通っているお店? 社交クラブか何かかしら?」
「社交……うん、それアル! それアル! ローカルな交流の場所といっていいアルヨ」
かくて華菜子が華蓮をいざなったのが、駄菓子の『きらく屋』というわけなのです。
見えてきました。木造平屋のお店です。
清涼飲料水メーカーのロゴ入り看板はトタン製、外に貼られているのは色とりどりのポスター、軒からつるされているのは各種小売りのお菓子でしょうか、『かき氷あります』の手書き垂れ幕が風に揺られ、季節先取りの風鈴が耳に心地良い音を立て、なにやら甘い香りが漂ってまいります。いかにも、といえばこれ以上はなく、だからこそ、と言えばわきおこる、えもいわれぬ親近感がありました。
「なるほどあれが……風情があって良いですわね。トラディショナルな雰囲気がありますわ」
素直に喜んで華蓮はさっそく、店に向かおうとするのですが、
「……?」
見覚えのある後ろ姿に気づいて体を強張らせました。
「財前先輩どうかしまし……いや、どうかしたアルか?」
「い、いえ、どうということも……」
うまい言い逃れを思いつかず、あいまいな愛想笑いを浮かべながら華蓮は、華菜子の両肩に手をかけてぐいぐいと来た道を押しもどしました。
「本当に、どうしたアル?」
「いえ、あの……心の準備が」
自分でもなぜこんな言葉が出ているのかわからないのですが、ともかく華蓮は華菜子を止めることに成功はしました。
心の準備が必要というのは、あながち間違いでもありますまい。
まさかここで、という気持ちがありました。
まさかここで、
あの
剣崎 エレナ
を見かけるなんて!
間違いありません。物陰から店の様子を窺っていた少女は、くるくる巻き毛のお嬢様、高飛車(※華蓮視点です)にして無礼千万(※これももちろん華蓮視点)、勝つためには手段を選ばぬ究極のマキャベリスト(※華蓮視点ですってば)剣崎エレナに違いないのです。
華蓮とエレナには浅からぬ因縁がありました。何度か対決したこともあります。それでも華蓮は毎回、エレナに勝てたためしがないのです。完全敗北というわけではありませんが、どうも敗れてきたようなイメージがありました。
――その剣崎さんがどうしてここで、あのようにコソコソとした真似を……?
あの様子からして、どうもただごとではなさそうです。ひょっとしたらこれは、彼女にギャフンと言わせる好機かもしれません。
少し観察したいところ、と華蓮が思ったその矢先、動きがありました。
軽く息を弾ませて、Tシャツ姿の少女が走っております。
下はハーフパンツ、足取りはとても軽いのです。
あまり大きな靴音を立てず、駈ける姿はなんだか豹のようでした。いや、豹ほど精悍で獰猛な雰囲気ではなく、その遠い親戚にあたる猫が、たったと走る姿のほうが似ていますね。ともかく、いいランナーであります。
「発見! やっぱり、寝子島にもあるんだねー」
それなりに距離を走ってきたのでしょうが、さして息を乱さずに彼女……
青物 といき
は足を止めました。
「駄菓子屋さんっ! このレトロな感じたまりませんにゃあ……」
長距離ランナーの彼女です。こうして部活がない日でも、きっちり走り込みは欠かさないのでした。
といきの密かな楽しみ、それは、ランニング帰りの放課後に寄る駄菓子屋だったりします。消耗した身体には、なんといっても甘いものが嬉しい。それに安価で少量の駄菓子であれば、お財布やカロリー的な心配もごくわずかというものです。中学時代は近場の店によく通ったものですが、寝子島高に来てからは駄菓子屋を見つけられず、その習慣からは遠のいていました。
「でもその駄菓子分不足もこれで」
とお店に入ろうとした彼女ですが、ここで、
「エレナ先輩?」
物陰からおっかなびっくり、こっちを見ているエレナを発見したのでした。
いや、エレナはといきを見ているのではないでしょう。駄菓子屋を見ている様子です。どうも星ヶ丘のお嬢様らしからぬ振るまいではありませんか。
ニャ! と目を猫みたいに光らせると、といきは素早く道を迂回して、エレナの背後に出ました。
そして……つんつん、背中をつついたのです。
「きゃ!?」
「ご機嫌麗しゅうーにゃー。今日のパーティー会場はこちらですかー?」
「えっ!? あらあなた……青物さん、だったかしら?」
狼狽を隠せず、くるっくるに巻いた髪が逆巻きになりそうな口調でエレナはといきを見ました。
「そうですにゃー。先輩、物陰から探偵ごっこですか-?」
「探偵だなんてそんな」
ここでエレナは、きりっとした目になり背筋を伸ばすと、
「私はここで人待ちをしていただけなの。青物さん」
「なるほど、物陰に隠れてその人を驚かせようと……意外と先輩ってお茶目なんですねー」
エレナの目がふらふらと泳ぎました。読者の皆さんはもう、おわかりですね。その場限りの嘘をついたことでどうやら、彼女は別の意味で困ったことになったようです。
しかし、ここでうろたえたりしないのがエレナの傑物たるところ、
「ええ、そう。ほら、彼よ」
さっと彼女は示しました。正面の道を通りかかった
市橋 誉
を。
「市橋くん!」
「あ、剣崎先輩……!」
誉は平静を装っていますが、内心心臓がドキドキしている状態でした。
駄菓子を買って食べたい、そんな健康な要求は、男子生徒としてごくごく普通に、誉のなかにもありました。しかし、ここに足を運ぶことには抵抗があったのも事実です。なぜって、
――男が甘い物好きで、駄菓子が好きだなんて……子どもっぽいし恥ずかしいじゃないか。
はっきり言って自分のイメージから外れる、そう思っていた誉なのです。
だから急に声をかけられて、まるで悪事が露呈したかのような気持ちに彼がなったのも当然のことでしょう。しかもその相手というのが、同じ星ヶ丘寮の有名人、剣崎エレナだったりするわけです。なにかとがめられるのではないか、とすら思ったとしてもおかしくはない。
ところが彼女は、
「遅かったじゃない」
と言ってきました。
遅かったとは? 誉は首をかしげます。そりゃあそうでしょう、彼はただ、駄菓子を買いに『きらく屋』に来ただけなのですから。
誉はエレナを知っています。彼女が彼を知っているのも、同じ寮の住人というのもあるし普通のことでしょう。しかし顔と名前を知っているだけで、彼女とは口を聞いたこともなかったはずです。ましてや、『遅かった』と言われるような話は……?
「市橋くんが面白いところに連れて行ってくれる、って話だったから、私待っていたのよ」
言いながらエレナは一瞬、誉にだけわかるように片目をつぶりました。
――ああ、そうか。
誉はすぐに状況を悟りました。そしてエレナに少し親近感も抱きました。
要するに、エレナも自分と同じ気持ちだということです。前後の流れはわかりませんし単なる偶然かもしれませんが、自分をエスコート役に選んでくれたのでしょう。
紳士として、淑女に恥をかかせるわけにはいきませんよね。
さっと襟を正して誉は言いました。
「先輩。こんにちは。遅くなってすみません。面白い場所かどうかは主観にもよりますが、ここの駄菓子のフルーツ寒天ゼリー、とても美味しいんですよ。いかがでしょう? 寒天だから、カロリーは控えめです」
「ええ、喜んで」
内心どれほど安堵していることやら……な今のエレナですが、ごく当然、と言わんばかりに、いくらか鷹揚に会釈しました。
「うわー、そういうことだったんだー」
といきは口をぽかんと開けて、二人のやりとりを見ていました。
「たまたま先日、そういう話が出てね」
「ああ、本当にたまたまのことだから。青物も行かないか?」
かくて首尾良く(?)話をまとめ、三人は駄菓子屋ののれんをくぐるのでした。
こうしてはいられません、一部始終を聞き取ることはできなかったけれど、エレナが店に入るのを見て、
「……落ち着きましたわ」
にっこりと笑うと、華蓮は華菜子の手を引いたのです。
「それでは参りましょう」
「行くアルー!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月19日
参加申し込みの期限
2013年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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