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星の降る夜<ディナータイム>
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日課となってどれくらいの時間が経つだろう。夜の見回りを兼ねた散歩に、ビスクドールのルヴィアを片腕に伴い一巡りして返ってきた
御剣 刀
は、一人暮らしの自宅のポストに白い封筒が入っていることに気がついた。
封を切ると、中には二枚のメッセージカード。
「何だ?」
片方には洒落た絵様で描かれた、寝子ヶ浜海浜公園の地図。
もう片方には、万年筆らしき筆体で印刷されたメッセージ。
『カップルさんの素敵な思い出や、人間関係的に心の距離を近づけたい方同士の切っ掛けに如何でしょうか』
「カップルや心の距離を近づけたい……か」
二枚のカードを手に刀は考える。その一文に目を走らせて思い浮かんだのは、寝子島でずっと一緒に過ごしてきたとある二人の女の子のこと。
「もうすぐホワイトデーだし、誘ってみるか」
その二人からは、バレンタインにハート型のチョコクッキーと、手作りのイチゴのブラウニーをもらっている。お返しを考えているが、日頃の感謝の重さからか、中々それらしきものが思いつかない。
時間も夜のレストラン。女の子を気楽に誘うには、若干気が引けなくもない、が。
「『ホワイトデーの予行練習』……なら、大丈夫か」
ふと浮かんだ内容に刀は納得した様子で、早速携帯を取り出し二人へ誘いのメールを送信した。
「(ディナーのお誘い……)」
刀からのメールを受け取った一人──
小山内 海
は、しばしその画面をじっと見ていた。
「(場所は……へー海浜公園なんだ)」
確かにあそこなら、空がとても綺麗に開かれていて、星を見るには最適かも知れないと思う。
「(うん、せっかくの刀君のお誘いだもん。喜んで──)」
海は携帯の画面に目を細めて、メールを見てからほぼ即座のタイミングで返事を送る。
「(千歳ちゃんも一緒なら、またチューリップ畑みたいに、素敵な景色が見えるといいな)」
海と、今回刀が一緒に誘った
橘 千歳
は、恋に鈍感極まりない彼を想い合う『恋のライバル』という存在だ。だが、それでもいつの間にか海と千歳はお互いに友達としての交流を深め合った。
結果として、三人一緒にあちこちに出かけて、仲良く過ごす時間が多くなった。刀と二人ではドキドキするが、三人とで過ごす時間も悪くない。
「(……どうせだし、ちょっとおめかししちゃおうかな……)」
場所は夜のレストラン。ドレスコードはなさそうだけれども、せっかく心を寄せる彼がいるのなら──
店のオープン時間は夜から夜半過ぎまで。今日を含めて三日間の内いずれか、という急な誘いではあるが、いずれも予定が入っている訳でもない。
『いつでも大丈夫だよ』
そんな、可愛らしい乙女心を添えて、海はさっそくクローゼットから、春らしさと夜の防寒を備えた洋服を探し始めた。
刀の携帯に、誘った二人からオーケーのメールが届く。
今日、明日、明後日。問題なければ、いつが良いかと尋ねて、二人ともいつでも大丈夫と返事が来た為、刀は『じゃあ今日で』と返した。
送信してから振り返り、なにやらとても急な約束となったかも知れないと思ったが『善は急げ』という言葉もある、と刀は僅かな不安に陥りながらも一人頷く。実際、時計を見ればまだ開店までにも時間がある。
「よし、それじゃあ──ルヴィア、お土産買ってくるから留守番を頼むな」
刀は、ちょこんとテーブルの向こう側に座っているビスクドールのルヴィアに目を合わせて優しく言葉を掛けて家を出た。
「確かに……いつも以上に綺麗な星ね」
刀の誘いを受けて、千歳は海浜公園の空を見上げた。
しかし、確かに予定にいつでも良いとは送ったが、本当に『当日』という急な決定ぶりは少し予想をしていなかった。だが、それはそれで『今を駆け抜けている』彼らしいと思いつつ、千歳はきちんと予定をいつも通りの寝子ヶ浜海浜公園へ辿り着いた。
気候は、冬と比較すればずっと暖かいが、それでも風が吹きつければ、ほんの僅かにひんやりとする。
千歳はそれを見越して、家を出る際に、薄手の黒の手袋と、白のコートを着用してきた。
一見、凜々しい彼女に似合うシンプルなコートだが、胸元とベルトのバックルに添えられた小さなリボンが、温かさと同時に僅かに女の子らしさを演出している。
「あ、小山内さん」
待ち合わせ場所から少し離れたベンチで、スケッチブックを片手に空を見上げる海の姿を見つけた。
あちらは、灰色に近い黒のコートと、ベージュで大きな厚手のマフラー。コートの下には、淡いながらも全体の色に調和した、桃色のフリルにゆったりとしたドレスワンピースが揺らいでいる。
『ちとせちゃん』
千歳の声に気付いたのか、幼い頃の病気が原因で出せなくなった声の代わりに、海は今まで持っていたスケッチブックを膝の上に置き、隣にあったもう一つのスケッチブックでその名前を書いて見せた。
「何を書いていたの?」
『ほし、かいてたよ。今日、とてもきれいだったから』
「見せてもらってもいいかしら?」
『うん』
海の膝の上に置かれていたスケッチブックが、千歳の手に渡される。
そのスケッチブックには、難しい題材にもかかわらず、煌めく星の群が鉛筆一本で夜空としてはっきりと描き写されていた。
「さすが美術部よねぇ。うっぱりうまいな」
千歳の感想に、海が恥ずかしそうに会話用のスケッチブックですこしだけ口元を隠す。
「うん。せっかくだし、私はスマホで写真撮っておこうかな」
それから少し遅れて。
到着した時、見つけた二人が遠くで各々星を堪能しているのを見て、刀もふと空を見上げた。
この場所を半円状に包む、自然のプラネタリウム。確かに、これは何かに残したくなるのも良く分かる。
料理のテイクアウトやグッズの販売店みたいなものがなければ、これをルヴィアへのお土産にしても良いかもしれない──刀は、その遮るものの何もない星空を携帯のカメラに撮って、駆け足で海と千歳の元へ向かった。
ドレスコードはなかったが、そんなに離れたところではないところに、完全なフォーマルで綺麗に場に馴染んでいる
八神 修
、
椿 美咲紀
、
常闇 月
の華やかな存在が見える。
同時に、目の前にも可愛らしい姿の海や、防寒を感じさせない程にスタイリッシュな美しさのある千歳の姿に、椅子に座りながら刀は僅かに不安になって問い掛けた。
「それなりの服装にしたつもりだけど、これで大丈夫かな?」
服装は、普段の赤より色目がシックなジャケットと、ジーンズは避けての黒のスラックス。そして、スニーカーではなくあまり慣れない茶色の革靴。
「ええ、いいんじゃないかしら?」
『うん、にあってる』
女性陣二人の言葉には説得力がある。刀がそこでやっと一安心したように、メニューと力一杯に向き合った。
こういう場所であるなら、それなりに高くつくだろう、と覚悟を決めていたが、種類も値段も、読むのも困難な海外の郷土料理から、値段の安いリーズナブルな大皿料理まで、本当に多岐にわたっていた。
『ビーフシチューとパン、サラダのセット。
しょくごにこうちゃ』
「温まるものがいいし、パスタとスープ、デザートにケーキと紅茶を頼もうかな」
「やっぱり肉だよな肉! ローストビーフとか頼みたい」
三者三様の方向性が出たが、料理名よりまず先に直訳的に『肉』が出てきた刀に、千歳は予想を違えない選択に思わず呟いた。
「刀君は……やっぱり肉よね」
刀の選択は、ほぼ千歳の予想通りであったが。
「(うーん、食事はバランスよくっていいたいところだけど、今日は誘って貰っている訳だし、大目にみよう)」
その言葉を心の中に収めた千歳を見た刀は、その言葉冒頭に浮かんだ『食事はバランス良く』という、無言の圧力を敏感に感じ取った。
「……ツナサラダ、ください」
その結果──『肉』は『ツナと野菜』へ──
それは、刀にとってはまさに苦渋の決断であったに違いない……女性二人はそれを痛ましい程に理解した。
料理が届くまでの間、
「ところで、刀君……」
千歳は問い尋ねかけて、そこで言葉を止めた。
「(──こんな場所でテストどうだった? なんて聞くものじゃないわよね。大丈夫だとは思うけど……)」
それを目にした海が一瞬きょとんとしてから、千歳の様子に心当たりを思い浮かべる。
「(千歳ちゃんが刀君に何か……あ、もしかしてテストのことかな?)」
海がちらりと、横目で刀の姿を目に留めた。
「(まぁ、あれだけ頑張ったんだし刀君もきっと大丈夫でしょ)」
そうして海は、落ち着いた様子でお水を一口。
しかし──
何か言いたげなその二人の視線を受けた刀は、大丈夫ではなかった。全く大丈夫ではなかった。
交互に二人の表情に目をやり、喉元まで出かかった不安を呑み込む。
「(二人とも何か言いたげな表情をしているけれど……ひょっとして期末テストか?)」
それが合っているかも気にはなったが、
「(しゃ……『社会が5点でした』とか──言えない……!
今はとても言えない!)」
確かに、刀はテストに全身全霊を懸けて臨んだ。しかし、そのついてこなかった結果を言ったが最後、このディナーデートが台無しになるのは目に見えている。
……自ら墓穴を掘る訳にはいかない。刀は、料理が来て空気が変わるまでの間、ただひたすらに沈黙を守り続けた──
しばらくして、温かな湯気と共に三人のテーブルの上に料理が届けられた。
海の元には、大きめの月形に型が取られたジャガイモの入ったビーフシチューと、星形のパンにサラダ。
千歳の元には、薄口のトマトベースのソースに入った、小さく細かな星の形に抜かれたパスタに、スープを添えて。
「なるほど。じゃがいもが星形だと簡単に煮崩れてしまうから、多少そうなっても大丈夫なように月形なのね」
『ちとせちゃんのパスタも、小さなほしがたくさん』
ふむ、と頷いて千歳が海のビーフシチューを覗き見た。同じく、海も千歳のパスタを興味深そうに見つめている。
「星空がテーマになっていて素敵ね。
なるほど、このカットなんか参考になりそう。今度やってみようかな」
ジャガイモの丸みを利用しての月の形になっている様子を覚えるように観察しながら、自分の手料理に反映させようとその記憶に留めようとしている千歳は、そこで初めてはたと気がついた。
女の子二人が料理に喜ぶ最中、先程からずっと──目の前に置かれたツナサラダを、悟った賢者のような眼差しで見つめる刀がいる──
「刀君……ローストビーフ、頼んでも良いのよ……?」
思わず、千歳から同情あふれる声が添えられた。
刹那、刀が即、手を上げてウェイターを呼んだのは言うまでもない……
「そういえば……刀君、メールでこれがホワイトデーの予行演習って言っていたけど」
メインを食べ終えて、千歳の手元にあるケーキを中央に置かれたオレンジ色のランプが照らす。
「これだけ雰囲気のある場所で演習なんてしたら、本番のハードル高くなりそうだけど……」
「──!」
その言葉に、追加注文のローストビーフも食べてようやく人心地ついた刀が、はっと大きく目を見開いた。
「た……確かに本番のハードル上がってる!?」
落ち着いたテラス席でランプが灯ったレストラン──予行練習でこれでは、確かにホワイトデー本番はお返しにダンスパーティ位しか思いつかない。
自分にそれは可能なのか……そう、追い詰められた様子で己に問い掛ける刀に、海がスケッチブックに文字を書き出した。
『だいじょうぶ、ハードルはそんなきにしなくていいよ』
刀がそれを見ると同時に、急ぎ続きが書き足される。
『わたしも、ちとせちゃんも、刀くんからのお返しならどんなのでもきっとよろこぶと思うから。
ね、ちとせちゃん』
同意を求められた千歳も、笑顔で応えた。
「ええ、前も言ったけど、無理はしなくていいのよ、刀君」
刀を想う女性陣の余裕を向けられ、刀は一際、心に呵責を感じずにはいられない。
「(海にも気を使われてしまった……。
ここまで気を使われてしまうと、男がすたる……というより、本当に情けないというか、示しが付かない)」
そこまで思い、刀は改めて決意した。
「(……うん、頑張ろう)」
それはもう、こんな素敵な女の子達に向けるものなのだから。
海と千歳が紅茶を飲んでいる最中。刀は、そう言えばレストランのウリでありながら、今まで全く堪能していなかったと夜空に向かって面を上げた。
空の星は燦々と煌めいて、単純に言葉にするなら『綺麗』で。そして、その目を正面に向ければ、あまり感じないがそれが単純ではなかったとしても『やっぱり綺麗』な女の子達が座っていて──
彼女達といられる事は、純粋に嬉しいし、幸せだ。
刀の頬が僅かに熱くなる。刀はその思いを率直に、感じたままに言葉に紡いだ。
「──星空も綺麗だけど、二人も綺麗だよ」
「「──!!」」
紅茶を飲みつつ、交えて会話に花を咲かせていた二人の動きが一気に止まった。
その言葉に千歳がむせて、海が夜でも分かる程に真っ赤になってスケッチブックで自分の口元を隠す。
「……? どうかしたのか?」
女性二人も、刀がそういう人物であることは良く分かっている──が、不意打ちはずるい。
そんな思いもつゆ知らず、刀はその反応に、ただただ首を傾げることしか出来ないでいた……
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月05日
参加申し込みの期限
2017年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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