this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
星の降る夜<ディナータイム>
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
夕暮れ時のシーサイドタウンの街並みを、トレーニングの一環として走り流していた
志波 武道
は、そこに一つの看板を見つけた。
「夜限定のレストラン……
メニューも豊富で、静かなゆっくりした感じかなこれは?」
看板の向こうを見やれば、開店準備だろうか、広々とした空間に確かに小さくテーブルらしき物が見える。
その光景に、武道は再び足を出す前に考えた。
『……たまには』
心のほんの僅かな隙間を、夕暮れ時の日差しが後押ししたようだった。
「……そうだな、声かけてみるか」
期間は3日。武道は頷き、再びランニングコースへと戻っていった。
「へぇ、本当に期間限定の店か。楽しみだな」
翌日の、夜──
寝子ヶ浜海浜公園の入り口の一つに待ち合わせて、武道が見ていたのと同じ立て看板を見ながら、
高梨 煉
が興味深そうに目を大きく一つ瞬きをした。
待ち合わせの時間間近。
空には、煌々と光る月と、それに負けてかき消えることのない星の輝き。それに一人頷き視線を戻せば、遠くからこちらに走ってくる
桐野 正也
の姿があった。
「悪い! 遅くなったか!?」
「いや、まだ10分ある。ブドーもまだだし丁度いいんじゃねぇの」
手を上げ、駆け寄った正也が安心したように煉の前で息をつく。
「……ていうかブドーに誘われたけど──」
辺りを見渡せば客層は様々。だが遠く、レストランがあるであろう場所にはぽつぽつと見える静かな灯りと、パーティに近い正装をした人々の姿が見えた。
「……場違い、じゃないよな?」
自分の服装と比較し、正也に改めて僅かな緊張が湧き上がる。
「まあドレスコードは聞いてないし、大丈夫だろ」
そのような話をしながら、最後の一人を待つ二人の真後ろから、急に大きな声がぶつかった。
「わっ!☆」
「うぉわあ!!」
正也が思わず声を上げる。同時に、こちらの驚きは最小限だった煉と共に振り向けば、武道がとても楽しげな笑みを浮かべて立っていた。
「わぁっ、そこまで驚いてもらっちゃうなんて、俺嬉シイっ♪
──というわけできりのん&れんちゃんコンバ☆」
「よう、久しぶりだな」
「ってか、驚かすなよ! ただでさえ緊張してんのに!」
二人それぞれの返しに武道の笑みが深くなる。
「しかし、こんな所で待ち合わせってのは、どうかしたのか?」
煉の言葉に、武道は軽く言葉を探すように唸ってから、いつもの様子で口にした。
「──ほら、話のタネにもなるんじゃなぁい?
テレビで流れてる『お値段以上っ♪』っていう体験にもなるかも知れないしっ☆」
「でも俺たち三人で話して、静かだった試しなくないか?」
話し歩きながら、レストランへ近づくにつれ伝わる静かでしっとりした雰囲気に、正也が心に引っ掛かる不安を正直に告げる。
「ン~、結構広いみたいだし、端の離れた席に座れば、少しくらいはしゃいでも大丈夫デショっ」
三人がレストランの端の席へと腰を掛けると、すぐにウェイターが温かなおしぼりを三人の前に置いた。
「さーて、何にしよっかな☆
パスタを頼もうかな、あとはホットコーヒーを」
「俺はそうだな、ハンバーグステーキを頼むか。
食後は甘いもの食べたくなるからアイスを頼んでおこう」
「それじゃあ俺も何か頼むか。アイスコーヒーとか……むむむ」
三人はかなり厚いメニューから、それぞれが食べたいものを選んで注文する。
注文を受けたウェイターが下がると、円卓の席から改めて正也と煉が武道に視線を一直線に向けた。
「──で、本当のところどうなんだ?」
中々会うことのない月日の間に、いつもよりも落ち着いた様子が板についた煉が武道に問い掛ける。
「だよなー。急にこんなとこに呼び出しってどうしたんだ? 何かあったとか」
正也も──親友、と呼んでも違えない二人からの心配が込められた言葉に、武道は少し観念した様子でほんの僅かに目を伏せた。
「うん、まあ……──久々に、二人とゆっくり話をしたかったっていう思いが強かったかな。
二人とも部活とか色々あって、俺も割と忙しい日が多かったしね」
煉も正也も、その言葉に同意として頷いた。
「そういえばこの頃忙しくて、三人でつるむこと少なくなったもんな」
誰からともなく、そんな言葉が口から零れる。
──お互いの仲は、三人が三人とも疑うことのない程に良いものだという自覚がある。だが、それでも……信頼している、それ故にか『皆無事にやっているのだろう』という思いが強くて、誰からとも無く三人で会おうという話題を出してくる事は殆ど無かった。
しかし、こうして顔を合わせてみれば、正也を始めとして三人ともに、話をしたい話題が山ほどある事に気がつく。それを再実感できた事は、とても嬉しい事と思えた。
「オムライスってレストランの定番メニューだと思っていたんだけど、まさか月の形で来るとは思わなかったぜ……これ、どうやって作ったんだ……?」
次々に届けられる料理。
綺麗に一部が欠けている、先端が尖りつつも完全に曲線に包まれた月形のオムライスが目の前に置かれ、正也がその作り方を想像して思わず凝視する。
「お、コッチにも料理きたきた……って凄いなコレ」
続けて武道のところに来たのは、中が空洞となっている月形パスタと、五芒星の形をした意匠パスタがしっかりと存在を主張している、スパイシーな香り漂うオニオンパスタスープ。
「スマホで写真を撮っておこうっと☆」
その様相に感銘を受けつつも、武道は携帯を取り出し写真を一枚。
「ハンバーグステーキは……ハンバーグに星形の焦げ目と──なるほどな、ソテーの人参は立体的な切れ込みを入れているのか。芸が細かいな」
煉も後学も兼ねて、じっくりと観察するように目の前に届いたハンバーグステーキの意匠を観察していたが。
ふと……三人は一度顔を合わせると、ずっと空腹に耐えかねていた様子で、一気に目の前の料理を食べ始めた。
そして三人の料理も、三分の二以下まで減った頃……
「そう言えば、あと一ヶ月で三年生なんだよなー。
早いと言うかなんて言うか……」
正也の言葉に、武道も同意するように頷いて見せる。
「俺達もいよいよ三年かー……早いな一年!
進路とかも決めなきゃだしなー」
ハンバーグステーキの最後のひとかけらを食べた煉も、それをきちんと味わい飲み込んでから口を開く。
「──もう三年か、早いもんだな。
進路なぁ、ちゃんと考えなきゃいけないことだな。お前らはどうするんだ?」
「そうだな。何になるかはまだ考えてねーけど、とりあえず体育学部系が強いとこ目指す感じかなー。その内塾も行かされるだろうし……」
「正也は体育会系の方に行くのか」
煉が納得した様子で尋ねれば、正也は頷きつつも塾のことに関しては複雑そうな表情を隠さなかった。
「受験のためにしなきゃいけないもんな、ちゃんと勉強しとけよ?」
「分かってるって。ただ、後もう少し……それまでは、部活に専念するよ」
大学受験への心に区切りをつける為にも、今部活に力を入れるのは大切なこと。正也は僅か神妙な面持ちで煉の言葉に頷いた。
「きりのんは受験かー……俺は、……迷ッチャッテルって言うかなんていうか──」
煉と正也とのやりとりに、武道が普段以上に曖昧にしたままの言葉をぽつりと置いた。
「ブドーは悩んでる感じなのか?」
「う~ん……スポーツトレーナー目指してるんだけど、ちょっと今になって迷いが出始めたんだよな俺──
支えるのもいいけど、助けるのもいいな、ってなー……」
それは、武道にとって──寝子島の不思議な出来事でいくつもの自分の心に向き合い続けた『成長』と言う名の結果。
「なに。まだ時間は有るんだ、悩んで自分のやりたい方を決めればいいさ」
「もちろん!☆ ──モスコシナヤムケドネ!!」
煉の言葉に、武道が少し軽くなった心で言葉を茶化す。
「ケド、そんなれんちゃんは? その様子だともう決まってるみたいだけどー」
「だよなー。ってか俺らだけ話して、煉は無しなんてことはないよな?」
先程からこの将来の道筋について、煉にはどんとした余裕があるのを、正也と武道はしっかりと感じ取っていた。
若干不満げな二人の追及に、煉は何事でもないとばかりに口にする。
「ああ、俺は卒業したら海外に留学することになってるぜ。
海外で料理のことを勉強して、自分の店を建てることを目標にしたんだ」
「──マジか! スケールでかいなー!」
正也が驚きに大きく目を見開く。
「留学……いやぁ凄いネ、れんちゃん!」
同時に、一瞬真顔で呟いてから、それを全面的に肯定して武道は目を輝かせた。
確かに、それだけの大きな夢を見据えた将来が決まっていれば、このしっかりした様子も強く納得のいくところ。
過ごしてきた時間の流れを切に実感させられる。
──泣いても笑っても、あと一年──
一瞬、重たくなりかけた話題の空気を、ぽんと機転を利かせた正也がすり替えた。
「それよか二人とも最近色々変化あったんじゃね?
聞いて見たかったんだよなー、見守るお兄ちゃんってどんな気分なんだよ煉くーん?」
「って、いきなりの恋話かよ」
思わず煉から苦笑に近い笑いが零れる。
「どんな気分って、そうだな微笑ましい感じだな」
煉が思い浮かべては、一つ頷く。
ここの兄妹は仲が良く、妹は武道の弟との清純なお付き合いをしている。
一度、武道が彼女をからかい倒し過ぎた時には、煉は
『生ゴミを見るような目』
で見たりもしたものだが、それ以外は概ね平和と言ってもいい。
「妹が幸せそうにしてるならいいさ、時々いじるけど。
──という訳で、ブドーはどうなんだ?」
そして軽やかに、相手が照れるのを知っていて、煉が明るく武道へ向かって話を振った。
「──!」
飲みかけのコーヒーでひとしきりむせかえった武道が、上ずった声で言葉を返す。
「べ~つ~に~♪」
その見るからに冷や汗と共に誤魔化し続ける武道の様子に、正也は楽しそうに思い切り畳みかけた。
「ほー。
ブドー、しらばっくれてーいい雰囲気なのはお見通しだぞ!」
「ナ、ナンノハナシカナー?」
「この間のバレンタインの時にも、甘い物苦手なブドーを
洋菓子店『Raton』で見た
って目撃情報があったくらいだしー……隅に置けないなー、このこのっ!」
「ダ、ダレノコトデスカー!?」
冗談めいているが半泣きにまでなっている武道を、楽しく見つつもやはり痛ましく思えた煉が、口元に黒い笑みを浮かべて正也に向かって問い掛けた。
「──正也、話を振ってくるってことは答える覚悟があるんだな?
お前は好きな子とか出来たのかよ?」
「は? あ、いや、俺は別に普通だし話すことなんて……い、いるけどさ──」
「いるんだ!!」
「いるのか!」
「話振っといてハモるなよ!!」
顔を真っ赤にする正也の傍らで、武道と煉の顔が一気に興味に満ちる──もうそこからは、なし崩し的だった。
「へぇ、名前は?」
「言えるか!」
男らしい直球な煉の質問を、正也が即却下する。
「どんな子!?☆」
「そ、そりゃ──
一途で……明るくて……」
思い浮かんだ恋人の様子を、思わず告げれば正也の頬が一際赤くなる。
「どこで知りあった?」
「陸上部のマネー──……っ!」
ついうっかり、正也が慌てて口を押さえた。場にひとが多かったせいかろっこんこそ発動しないが。
しかし──時、既に遅し。
「マネージャーさんかァ!♪ それじゃあ、告白は?☆」
武道の明るい声がダメ押しとなった──
「──ああっ、もう!!」
際どい質問を立て続けに受けて、照れが極まりヤケになった正也が、感情のやり場なく思わず立ち上がり、赤面したまま全力でシャウトした。
「陸上部のマネージャーで、純粋で可愛くて、ずっと好きで去年の
星ヶ丘のクリスマスで告白してOKもらった
ところを、思いっきりまゆ先生に見られて、公認カップルになったさ!! 悪いかぁっ!!」
正也がそれを一息で叫び切り、荒い息をついたところで……その勢いに驚きつつも、目の前の二人からは、それを全力で讃えた盛大なる拍手が送られた。
レストラン内でも、何かのお祝いかと思われた来客からつられて拍手が湧き上がる。
……桐野正也、撃沈。
「さて、そろそろ帰らないとな」
過ごした体感とは裏腹に、武道がふと目にすれば時計が結構深い夜の時間を指し始めている。
「もうそんな時間か。
ブドーは誘ってくれてサンキューな」
身支度を調えて、煉が武道の肩を叩く。
「何だかんだあったけど、今日は誘ってくれてありがとな」
解散間際、落ち着いた正也が今日の礼の言葉を告げる。
「今日はありがっと☆
んじゃまた明日、学校でな!」
そんな二人に、武道は誰にも誤魔化すことのない満面の笑顔で手を振った。
帰り道の違う三人、誰かが誰かを見送る事なく、全員が同時に清々しく背中を向ける。
あと一年。
──三人にとって共に過ごす、残り僅かな時間が、それ以上の価値を見出せるものであるように。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
星の降る夜<ディナータイム>
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月05日
参加申し込みの期限
2017年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!