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星の降る夜<ディナータイム>
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春風と呼ぶには、まだうっすらと冷たい風が一陣、
獅子目 悠月
の赤銅の髪を揺らしてうなじをすり抜けた。
「風が、冷たくて心地良いな」
華やかなマスカットにも似た紅茶の香りを堪能していた悠月が俯いていた顔を上げる。
正面には、互いにディナーを食べ終えた後にアイスコーヒーを飲んでいた
ロベルト・エメリヤノフ
がいた。
悠月がそちらを向いた瞬間、ロベルトの表情は、天空の星よりも眩しく一気に輝きに満たされた。
「うん! 改めて、悠月を誘って良かった!
美少年が煌めく星空の中……それだけでも魅力的なのに、更に沢山の色を見せてくれる美麗な表情! ──いいね!!」
サムズアップとあわせ幸福をあふれさせたロベルトに、その対象とされた悠月は、照れることも動じる事もなく。ただ満更でもないという余裕と共に、紅茶を静かに口に含んだ。
「レストランの雰囲気もいいし、その満天の星の下で優雅に紅茶を飲む美少年……! いいね!!
ここでこそ発揮するべきは──美少年にモテたくて覚えた星の知識を……今!」
隠さないどころか、開け広げを通り越して完全フルオープンな美少年への情熱と共に、ロベルトは勢い良く顔を空へと向けた。
「あ、見て! まだ冬の星が見える……」
瞳に映る瞬きに、思わずロベルトは嬉々とした感情と共に悠月に声を掛け──
そして……次に、この光景を見ることがあるとしたら、それは『来年』ということになるだろう……と。
そう明確に意識したロベルトは、しばしの沈黙の後、静かに呟いた。
「……もう見納めって思うとすこし寂しいね」
明らかに、落ち込みにも似たテンションの下がり方をしたロベルトの声に、悠月が不思議そうに首を傾げた。
「……? 冬の名残に寂しいというなら、また来年楽しめばいいだろう」
「それもそうだけど……一年って長いよ」
ロベルトの言葉に、心が重なる。
だって、来年も君と星が見れるかなんてわからない。
──来年、自分の隣にいるのは……違う人かもしれないし。
ロベルトは、仮にもその相手とのデートで言うべきではないだろうと、それを思いと共に呑み込んだ。
「──? 突然死ぬみたいな言い方だな、どうした。病気でもしたのか?」
その傍らで、悠月は改めてロベルトの姿を目に留めた。一年の先が分からない、そう言う彼の姿が遠くに感じられて。
今日の機会に声を掛けてもらったが、もし今病気で無理を圧して外にいるのならば、即帰らせなければ──
「──え? いや、病気じゃないよ! 大丈夫!」
悠月が深い心配に駆られた中で、ロベルトから返ってきたのは、意表を突かれたという驚きと、確かに病気とは程遠そうな意気の声。
「……そうか、違うならいい」
良かった──ロベルトの様子に、悠月は言外に心の中で呟いて、小さく胸をなで下ろした。
「……なんか心配させちゃったなぁ……」
そんな言葉とは裏腹に、困り情けなさそうな笑みを浮かべたロベルトの表情に、悠月は改めて視線を彼へと向き直る。
「もし病気だったら……場合によってはいい病院を探してもらえるように父に頼み込んでいたな」
「父……
そういえば、君のお父さんってどんな人なの?」
口に出たのは、ただ純粋なロベルトの興味から。しかし、悠月はそれに言葉をなくした。
──悠月の父は、古式ゆかしき政略が権力繁栄の手札の一つに使える世界の住人だ。そして、彼の父はそのような手の黒い手段の行使に、一切躊躇うことはない。
先程、口にした良い病院の紹介も。当然、今の己には一切無いコネクションであり即座に返せるようなものでも決して無い。
このような父に貸しを作れば、数少ない自由として実家から逃げるように寮に住まいを移し、寝子高に通っている悠月の立場すらも危うくなるだろう。
しかし『そこまでしても良い』と、そう思える程度には。
少なくとも、目の前の──ロベルトのことは、大事に思っているのだと。
そこまで明瞭な思考を形にして、それでも悠月はたった一言。
「父は……厳しい、人だ」
それだけを口にした。
「厳しい人か……なんかわかるよ。悠月上品だし」
「ああ」
「お父さんかぁ……僕の父とは全然違うね」
「──で、
……本当に病気じゃないんだろうな」
これ以上の父親の話題は堪え難く、悠月は話題を少し前へと引き戻す。
「違うよ! 病気だったら素直に言うよ……」
口に出してみれば、実は本当に病気ではないのかという不安と疑念が僅かながらに再び悠月の胸に滲み出す。
そして声小さく告げたロベルトの胸に、向けられ刺さる悠月の視線。
「う……っ」
そして、しばしダメージを受け続けたロベルトは、耐えきれずに、ついに腰に手を当てて開き直った。
「ああ、そうだよ! 実は僕は持病があって──!
そう『恋の病』さ! 心配するようなものじゃないよ……」
「……」
ロベルトの突然の告白。しかし、悠月は至極冷静に考えた。
初耳だ。それは知らなかった。
しかも、今そんな彼とデートして、ひたすらに自分の存在を讃えられながらも、悠月はその『恋の病』の対象に『自分は含まれていない』と疑いもしなかった。
賛辞は疑わずに受け取るが、その線については極めて鈍い悠月は、他人事というほどではないが、純粋な病気よりは程々に心境軽くロベルトの顔を見る。
「なかなか面倒な病気にかかっているんだな」
「うん……これは恋の病だと思う。
だって、来年も君と星が見れるかなんてわからない……僕は飽きっぽいんだ。
──来年、自分の隣にいるのは……違う人かもしれないし。
そう考えると……」
思わず滑った言葉の途中、それを聞いた悠月の視線が思い切り変化した。
「──」
それは、まるで思い切り『認め難いものを見る』ような、極めて険悪な眼差し──
ふと、言葉を口にしてしまったロベルトが、心の遠くどこかで、失態よりも『ああ、やっぱりな』という諦念を思い浮かべる。
もちろん悠月は、ロベルトが知る範囲でも『未来に、自分が相手と一緒にいられるか』等の是非程度で、こんな目を向けてくるような人物ではない。
だとしたら、
「それは……
恋の病と言うよりも、移り気の方が病気なんじゃないか?」
告げられた言葉。胡乱気の中に僅かな侮蔑が込められた眼差しは、確かにロベルトの悠月に対する扱いへの思いではなかった。
今、悠月からロベルトへ問われているのは、
純粋にそこから自分を差し引いた、悠月が認めがたいと判断した、純然たる『ロベルトの人間性』──
「それは……」
──『病気は治せても、気質と性質は治せない』と。
ロベルトは、誰かの格言を脳裏で思い出す。
しかし、
「──そうかも! 治してくれないか?」
もしそれで治せるのならば──
ロベルトは、この上ない『軽快な真摯さ』で悠月の手を強く握って榛色の瞳を覗き込んだ。
「……そういうのを、俺に言う時点でダメだろう」
先の移り気の告白発言に続き、ストレートすぎるこの流れ。
悠月は、思わず目蓋を閉じて、この一連から出た言葉を深いため息を乗せて、心深くロベルトに告げた。
「あちゃー」と呟くロベルトの声が聞こえた気がした。
目を閉じて数秒。
悠月がゆっくりと目を開けると、そこには叱られた子犬のように、先程より視線を落とした上目遣いで悠月を覗き込むように見つめるロベルトの瞳があった。
視線がぶつかる。情けなさそうにロベルトが告げた。
「うう……でも僕、気に入ってるんだよ? 君のこと……」
その言葉に、悠月は改めてロベルトという存在を確認するように見つめ返す。
──確かに、この様な発言を軽い調子で言うのはたまにどうかとは思う。
だが、それ故に彼の発言は正直であると思うし。
そのような相手だから、受ける素直な好意は──純粋に嬉しい。
浮かぶ思考。改めて相手を認識する言葉。
今度の悠月のため息は、先程よりずっと軽かった。
「俺もお前の事は好きだぞ、友人として大切に思っている」
眦は下げて。口元には微笑を。
悠月は微笑んで、その思いを形にした。
「そう言えば、星の知識を覚えたと言っていたが? 詳しいなら教えてくれ。
こんなに星が綺麗な時間は中々無い」
悠月の言葉に、ロベルトはようやく本来の立ち位置に戻って来たようにほっとした。
「じゃあ……せっかくだしこの機会に教えてあげる。
あの星の光が3つ並んでいるのがオリオン座で。その端から、こっち……」
ロベルトの指が線を引く。悠月がその指先を目で追えば、一際眩しい星が目に入る。
「あの、眩しい星がシリウス。
地球から見える星の中で、太陽以外で一番明るい星なんだって」
「なるほど、確かに眩しいな」
星を指さし、星座の判別の仕方や名前の由来を話すロベルトと、質問を交えながらそれを聞く悠月の姿。
こうして二人で一緒に、同じ存在について語り合う時間は、とても有意義に過ぎていく──
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担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月05日
参加申し込みの期限
2017年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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