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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
期末試験をクリアせよ！！
６
一日目は、無事に終わった。
終わるや否や、巧と美咲紀は弁当を持って光の元へ向かった。
光は顔を輝かせて、巧の膝に抱き付いた。
「やっぱり、巧さんが好きなんですね」
景貴に言われて、巧は俯いた。覗き込んだ美咲紀が、
「照れてます？」
とからかった。
景貴は笑い、また明日、と帰っていった。母親に店を頼んでおけるのは、午前だけなのだ。
「荒井さんにも食べてほしかったんですけどねえ」
美咲紀は弁当を広げながら言った。
「それなら、明日は持ち帰れるように別にしたらどうだ？」
修の提案に、美咲紀は乗ることにした。
「ほーら、光ちゃん。これは光ちゃんのお弁当ですよー」
光の分は、食べやすいようにおにぎりが小さく握られていた。しかも、熊や亀など、可愛らしい形をしている。
自分の膝に顔を埋めていた光を、巧はひょいと抱き上げると自分の横に座らせた。
「おかずはうずらのたまご、ウィンナーできのこの形、ひまわりの花にしてみました。タコさんがよかったかな？」
「椿さんは器用なんだねえ」
ほええ、と妙な声を上げて巧は感心した。
「それほどでもありますよ」
美咲紀は胸を張る。
「この調子で残り三日、何とかやり過ごすぞ」
修の声に、巧は現実へと引き戻された。
「三日……三日もあるの……」
「これ食べたら、下宿で明日の予習するからな」
「へ！？」
「へ、じゃない。美術はしょうがない。社会は暗記しろ」
「えーと、つまり、明日は明後日の予習を……？」
「当然だ」
「ええええ！！！？？」
「東門くん、光ちゃんがびっくりします」
「だ、だって、だって！ 今テスト終わったのに、まだ勉強とかって何ソレ！？」
巧の悲鳴は、しかし一切無視されたのだった。
二日目の光は、かなり不機嫌だった。景貴は彼の好きなお菓子をと考えたが、いかんせん、三歳児である。おまけに古風な小百合が与えるものときたら、ピーナツやたたみいわし、やきおにぎりに食パンの耳で作ったかりんとうなどだったため、「好きな物」が皆目、見当がつかなかった。
それでも辛うじて、「とろふわプリン」で機嫌は治ったようだった。
三日目は、ごっこ遊びをしようとした。しかし、世間を全く知らない光が真似できる相手は巧しかなく、「テスト勉強ごっこ」というただ机に向かうだけの遊びになった。
四日目、遂に部屋に閉じこもっていることに飽きた光が外へ出たがった。
仕方なく、校外へ出ることにした。学校の周辺を散歩し、景貴は公園で石探しをしようと提案したが、光は興味を持たなかった。
「たっくんとこ、いく！」
遂に言い出したか、と景貴は内心、焦った。
「巧さんは大事な大事なテスト中なんです。もう少ししたら終わりますから、いい子にして待っていましょう」
「やだ！」
光は大股で、ずんずんと歩いていく。公園の外へ。景貴は前に回った。
「待ってください。もし今、光くんが行ったら、巧さんは困ると思います――」
よ、と言いかけて景貴は息を飲んだ。光が、彼を睨んでいたからだ。
次の瞬間、景貴の足元が弾けた。
「な――！？」
何かで穿たれたように、土に穴が開いていた。
「たっくんのところに行くんだ。邪魔しないでよ！」
「光くん――！？」
景貴は愕然とした。目の前の光は、もはや幼児ではなかった。つい先程まで、とことこと歩いていた小さな足は、しっかりと地面を踏みしめていた。丸い手と指は、景貴を指差していた。可愛い小さな口と目は吊り上がり、憎しみに彩られていた。
「お前、嫌いだ」
光は、落ちていた石を拾い上げ、景貴に投げつけた。
避けるのは容易かった。それが、目の前で砕け散らなければ。小さな破片が景貴に降り注ぎ、その隙に光は姿を消した。
一日目は、無事に終わった。
終わるや否や、巧と美咲紀は弁当を持って光の元へ向かった。
光は顔を輝かせて、巧の膝に抱き付いた。
「やっぱり、巧さんが好きなんですね」
景貴に言われて、巧は俯いた。覗き込んだ美咲紀が、
「照れてます？」
とからかった。
景貴は笑い、また明日、と帰っていった。母親に店を頼んでおけるのは、午前だけなのだ。
「荒井さんにも食べてほしかったんですけどねえ」
美咲紀は弁当を広げながら言った。
「それなら、明日は持ち帰れるように別にしたらどうだ？」
修の提案に、美咲紀は乗ることにした。
「ほーら、光ちゃん。これは光ちゃんのお弁当ですよー」
光の分は、食べやすいようにおにぎりが小さく握られていた。しかも、熊や亀など、可愛らしい形をしている。
自分の膝に顔を埋めていた光を、巧はひょいと抱き上げると自分の横に座らせた。
「おかずはうずらのたまご、ウィンナーできのこの形、ひまわりの花にしてみました。タコさんがよかったかな？」
「椿さんは器用なんだねえ」
ほええ、と妙な声を上げて巧は感心した。
「それほどでもありますよ」
美咲紀は胸を張る。
「この調子で残り三日、何とかやり過ごすぞ」
修の声に、巧は現実へと引き戻された。
「三日……三日もあるの……」
「これ食べたら、下宿で明日の予習するからな」
「へ！？」
「へ、じゃない。美術はしょうがない。社会は暗記しろ」
「えーと、つまり、明日は明後日の予習を……？」
「当然だ」
「ええええ！！！？？」
「東門くん、光ちゃんがびっくりします」
「だ、だって、だって！ 今テスト終わったのに、まだ勉強とかって何ソレ！？」
巧の悲鳴は、しかし一切無視されたのだった。
二日目の光は、かなり不機嫌だった。景貴は彼の好きなお菓子をと考えたが、いかんせん、三歳児である。おまけに古風な小百合が与えるものときたら、ピーナツやたたみいわし、やきおにぎりに食パンの耳で作ったかりんとうなどだったため、「好きな物」が皆目、見当がつかなかった。
それでも辛うじて、「とろふわプリン」で機嫌は治ったようだった。
三日目は、ごっこ遊びをしようとした。しかし、世間を全く知らない光が真似できる相手は巧しかなく、「テスト勉強ごっこ」というただ机に向かうだけの遊びになった。
四日目、遂に部屋に閉じこもっていることに飽きた光が外へ出たがった。
仕方なく、校外へ出ることにした。学校の周辺を散歩し、景貴は公園で石探しをしようと提案したが、光は興味を持たなかった。
「たっくんとこ、いく！」
遂に言い出したか、と景貴は内心、焦った。
「巧さんは大事な大事なテスト中なんです。もう少ししたら終わりますから、いい子にして待っていましょう」
「やだ！」
光は大股で、ずんずんと歩いていく。公園の外へ。景貴は前に回った。
「待ってください。もし今、光くんが行ったら、巧さんは困ると思います――」
よ、と言いかけて景貴は息を飲んだ。光が、彼を睨んでいたからだ。
次の瞬間、景貴の足元が弾けた。
「な――！？」
何かで穿たれたように、土に穴が開いていた。
「たっくんのところに行くんだ。邪魔しないでよ！」
「光くん――！？」
景貴は愕然とした。目の前の光は、もはや幼児ではなかった。つい先程まで、とことこと歩いていた小さな足は、しっかりと地面を踏みしめていた。丸い手と指は、景貴を指差していた。可愛い小さな口と目は吊り上がり、憎しみに彩られていた。
「お前、嫌いだ」
光は、落ちていた石を拾い上げ、景貴に投げつけた。
避けるのは容易かった。それが、目の前で砕け散らなければ。小さな破片が景貴に降り注ぎ、その隙に光は姿を消した。
あとがき
担当マスター：
泉 楽
ファンレターはマスターページから！
ご参加ありがとうございました。「期末試験をクリアせよ！！」リアクションをお届けします。
何とか無事に、巧は試験を受けることが出来ました。結果は……テスト結果をお待ちください。
光は別室で待機。結果としてちょっとした事件が起きてしまいましたが、その過程で理事長と牛瀬先生を巻き込むことに成功しましたので、今後、二人を登場させることが可能です。ただし、理事長は必ずしもいるとは限りません。
リリーの居場所は現在、新田亮さんと青木学さんしか知りません。この情報に関しては、お二人にお任せします。それ以外の人が、情報共有もなしにリリーを訪ねることは難しいのでお気を付けください。
それでは次回、またお会いしましょう。
寒い日が続きますので、お身体に気を付けてください。
何とか無事に、巧は試験を受けることが出来ました。結果は……テスト結果をお待ちください。
光は別室で待機。結果としてちょっとした事件が起きてしまいましたが、その過程で理事長と牛瀬先生を巻き込むことに成功しましたので、今後、二人を登場させることが可能です。ただし、理事長は必ずしもいるとは限りません。
リリーの居場所は現在、新田亮さんと青木学さんしか知りません。この情報に関しては、お二人にお任せします。それ以外の人が、情報共有もなしにリリーを訪ねることは難しいのでお気を付けください。
それでは次回、またお会いしましょう。
寒い日が続きますので、お身体に気を付けてください。
シナリオ
シナリオデータ
- 担当ゲームマスター
- 前回シナリオ
- シナリオタイプ（らっポ）
-
- ブロンズシナリオ★（100）
- グループ参加
-
- 2人まで
- シナリオジャンル
-
- 日常
- ＳＦ・ファンタジー
- バトル
- 定員
-
- 10人
- 参加キャラクター数
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年01月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年01月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年01月12日 11時00分
