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ねこ島温泉郷の五日間
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アカリが廊下に追うのは、鯖虎模様の子猫の背中。
「ウィル……?」
口の中で飼い猫の名を呟く。こんなところに居るはずもない、今は家で大人しく主の帰りを待っているはずの子猫の名前。
見かけて思わず呼び止めたのに、子猫はアカリを見もせずに好き勝手な足取りで廊下を駆けて行ってしまった。
「おい待てよ」
だから迷わず追いかけた。
「待てって」
声が聞こえているはずなのに振り返らぬ愛猫に焦れて、
「う、……うどん、……」
ウィルと名付けたはずなのに、そう呼ばなければ返事もしない呼称さえ口にしてみるも、子猫は立ち止まる素振りも見せない。
愛猫によく似た子猫を追いかけて廊下を渡り、階段を登って降りる。
「待てって、ウィルー!?」
温泉の匂いが漂う大浴場の前を過ぎ、よく分からない螺旋階段をぐるぐる登り、辿り着いたは格子戸の前。薄く開いた戸の隙間を抜け、子猫は奥の襖の向こうに消えようとしている。ということは、
(いちおうお客さん、だけど……)
とはいえ、あれはどう見ても愛猫ウィルの後ろ姿。大切な子猫の姿を見間違えるはずもないと信じて、アカリは思い切って格子戸に手を掛ける。
「失礼しまーす!」
声を掛ければ、幼子の声で、はーい、と返事があった。戸を潜り、襖の前に膝をつく。初日に番頭猫に仕込まれた通りの所作で襖を開いて、
「……って、え、」
アカリは薄紅色の瞳を瞠る。
畳敷きの客室、緋毛氈に置いた椀でミルクを美味そうに舐めていたのは、
「ウィルが三匹!?」
愛猫と同じ大きさ同じ鯖虎柄の子猫が三匹。
子猫たちは仰天するアカリを揃って同じ仕草で見、同じ仕草で顔を見合わせ、そうしてまたアカリを見遣り、
『僕がうどんです』
声を揃えてそう言った。そう言ったように、アカリには聞こえた。
みゃあ、と三匹が鳴く。
『僕もうどんです』
『いえ僕こそがうどんです』
悪戯な小悪魔のように繰り返す三匹をしばらく見つめ、アカリは堪らず喚く。
「いやなんでだよ! おかしいだろ!」
アカリの声には一切構わず、猫たちは空っぽになったミルク椀を引っ繰り返して遊び始めた。それが愛猫が時折見せる餌の催促の仕草と全く同じで、アカリはますます混乱する。
三匹が三匹とも、我こそがアカリの飼い猫なのだと主張している。だから誠心誠意世話しろと全身で言い放っている。
「むー……」
(なんだこれ……)
狐ではなく猫に騙された気になって頭を抱えるも、
(……そうだ)
ひとつ、思いついた。彼らがうちの子ならば、己が名付けた名を呼べばきちんと返事をするはず。
「なぁ、ウィル?」
猫たちはアカリを一瞥もせずご飯の催促をしている。
無視された。
「なんでだよー!?」
「ご飯でござるー」
折よく現れた法被姿の少年と仲居猫が、あっと言う間に室内に膳を並べ、あっという間にいなくなる。絢爛豪華な子猫たち用の食事を眺め、うっかり今朝の食事を忘れて来たアカリは肩を落とす。
(ずいぶん豪華だな……?)
それでも下僕としての務めを果たすべく、子猫の食事を甲斐甲斐しく手伝えば、ウィルたちの一匹がアカリの掌にぽとりと魚の骨を落としてくれた。どうやら分けてくれるらしい。
「あ、ありがとうな……?」
食事が終わった猫たちは、ぱんぱんに膨らんだ腹でころりと横になる。膳を片づけ、押入れから布団を出してみれば、それは見るからに人間用の敷布団に掛け布団。どうやら下僕は猫と一緒に眠るものらしい。
「風呂は」
また無視された。
灯を落とす。冷たい布団を温めるために横になれば、子猫の一匹が腹に乗った。重いから乗るなと嗜めても聞き分けない。いつしか身体の左右を別の猫に挟まれ、動けないわ重たいわ暑くなってくるわで眠れず呻いているうち、出ていけとばかりに布団から蹴りだされた。
新しい布団を出そうとして思い出す。押し入れに布団は一セットしかなかった。仕方なくぬくぬくの布団の脇で丸くなって寒い寒いと呻きながら、アカリはいつしか眠りに落ちる。
だからアカリは気付かない。布団から寝ぼけ眼で這い出た子猫たちが寄り添ってくれたことに。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月30日
参加申し込みの期限
2017年01月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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