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……何かがいる!
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「ねえねえ。知ってる? 上のクラスの何人か、いなくなってるんだってー」
「あ、それ、あたしも聞いた。誘拐されたらしいね」
「誘拐? あたしは家出って聞いたけど。先生とか大人の人、毎日捜してるみたいよ」
「もしかして、学校に隠れてたりして?」
帰り支度をしているとそんな話がこぼれ聞こえてきて、
曖浜 瑠樹
は手を止めて振り向いた。
女の子たちが数人、輪になって話している。瑠樹もそのことについて興味があったので少しの間耳を傾けていたが、すでに知っている以上のことは出てこなさそうだったので、ランドセルを背負ってクラスを出た。
「みんな、心配だねぇ」
手に持った、ふわふわの白うさぎのぬいぐるみに話しかける。首に青い石のペンダントをした、この子はラピ。ずっと前に人からもらった。瑠樹はラピちゃんと呼んで、よくこうして持ち歩いている。大切な友達だ。
「いなくなったの、もうすぐ卒業して中学校行く予定のお兄さんお姉さんばっかりなんだって。中学校、そんなに行きたくなかったのかなぁ?
家出なら、早く戻ってくればいいのにねぇ」
瑠樹が聞いた、行方不明の生徒のなかに孝明がいることを思い出して、少し顔をしかめる。瑠樹の知る孝明は家出をするような者ではなかった。優しくて、温和で、日々何か不満を抱えているようには見えなかった。でなくても、ゆえあって叔母夫婦と暮らしている孝明は、彼らを困らせてはいけないと気を遣っているように見えていたのだが……。
(樹だったら、オレよりずっと前から学校見てるかなぁ?)
「桜さんたち、樹さんたち。いなくなったお兄さんお姉さんたち、知らないかねぇ?」
ふと視界に入った、植樹された桜の木々を見上げ、そのなかでも一番古そうな立派な桜に声をかけてみる。だがもちろん、樹から答えが返ってくるはずもないことだ。
見上げているうちに、あれ? と思った。
(なんかこの木、おかしくないかなぁ)
違和感を感じるけれど、どこがとまで分からない。首を傾げつつも瑠樹は帰宅した。
夕飯のとき、母親たちが事件についてを話題にしていた。まだ手がかりは何も見つかっていないようだ。とにかく学校から先、足取りが全くつかめないという。駅でもフェリー乗り場でも目撃者なし。
『もしかして、学校に隠れてたりして?』
クラスの女の子が冗談っぽく話していたことを思い出した瑠樹は、食後、出かけると母親に話した。まだ宵のうちとはいえ夜に、しかも子どもが行方不明になっているこの時期に、瑠樹が出かけることにいい顔はしなかった。しかし、友人たちと肝だめしをするのだと、友人たちの名前を出して重ねて言うと、反対はしなかった。瑠樹を信用するということだろう。瑠樹は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも「遅くならないうちに帰るねぇ」と言って、玄関を出た。
とはいえ、夜のひとり歩きは瑠樹も心細い。サンマさんストラップとラピちゃんを心の支えに抱き締めて、学校へ向かった。
(孝明おにいさん、もし学校にいて、帰れなくなってるなら、オレ見つけてあげるからねぇ)
正門前で、瑠樹は今まさに門を乗り越えようとしている人影を目撃した。
誘拐犯かと一瞬どきりとしたが、すぐに大人でなく小さな少女と分かった。少女は瑠樹と目が合うと、しまった、という顔をして、ごまかすような愛想笑いを浮かべて門から降りた。
少女は
柚瀬 玲音
と名乗った。クラスは1年2組。宿題しようとしたところでプリントを机のなかに忘れてきたことに気づき、取りにきたのだという。
「普段はこんなことないのに。きょうに限って、なんだろうなー」
へらりと笑うと次に瑠樹がどうしてここにいるかを訊く。そして瑠樹の目的も校内にあると知って、じゃあふたりで忍び込もうということになった。
「正面から入ったりしたらせんせーに見つかったりしそうだから、窓からこっそりいくんだよだよ」
玲音は独特の反復語尾しゃべりでそう言った。
時刻はまだ7時で、校内には残業している先生がいる。職員室や、そのほか幾つかの教室の明かりがついているのを見上げて、瑠樹は少しほっとした。玲音はこっちこっちと手招きして、廊下の窓の1つを開けた。
「ここ、鍵が壊れてるんだよだよ。先生たち、まだ気付いてないみたいだね」
窓の下の花壇のレンガを踏み台に、玲音は身軽に窓に飛びついてなかへ入る。
「手ぇ貸す?」
と差し出された手に、瑠樹はラピちゃんをお願いした。空いた手で、玲音と同じように窓を乗り越える。
「ラピちゃんいうの、この子。かわいーね」
「ありがとう」
なんだか自分が褒められたみたいでくすぐったい。こっそり学校に忍び込む、共犯めいた秘密の共有もあって、ふたりはすぐ打ち解けた。
「どうしよっか? 瑠樹おにーちゃんはどっか行くとこ決まってる?」
「ううん……オレ、校舎を回ってみようって思ってるだけだから」
「そっか。じゃあ先にボクのプリントでいい?」
「いいけど……ほんとにオレに付き合ってくれるんだ。帰るの遅くなっちゃうよ?」
「へーきだよー。自転車で来てるから、すぐ帰れるもん」
「じゃあ――」
話しながら4組へ向かっていると、途中で玲音が言葉を止めた。チャイムが鳴りだしたのだ。
正門が閉まって生徒がいなくなってもチャイムは鳴るのだな、と思っていると、急に耳鳴りがして、ぱっと周囲が明るくなった。
廊下が西日を受けて茜色に染まっている。
「えっ?」
「ええ!?」
開いた窓から風に乗って、桜の花びらがひらひらと舞いながら廊下に落ちた。
「そんな……あり得ないよ。桜、まだ咲いてないよね?」
この現象にとまどっている玲音の言葉にうなずこうとしたところで、瑠樹は階段を下りてくる孝明を見つけた。
俯きかげんのあの横顔は、間違いなく孝明だ。
「孝明おにーさんっ!」
廊下は声がよく通る。先生に見つかるかもしれないということは頭に浮かばなかった。
呼び声に反応して、孝明がこちらを向いたとき。駆け出そうとしていた瑠樹は玲音によって壁のでっぱりの影に引き込まれていた。
「何? オレ――」
困惑する。だがすぐに玲音の行動の意味が分かった。階段の手前にある、昇降口へ通じる廊下から、見たことのない化け物が現れたのだ。
それは左半分が木のようになった少年で、だらりと垂らした手にバットを持っていた。方々へ伸びた枝のせいでバランスを取りづらいのか、ゆらゆら体を揺らしながら歩いている。動きは鈍い。バットの先が廊下をこすっていた。
「ななな、何だよあれっ!?」
あんなのが学校にいるなんて聞いてない! 玲音はパニックを起こして瑠樹にしがみついた。瑠樹は無言だったが驚いていないわけでなく、心境は玲音と同じだ。
「きっとこっちへ来るぞ! 窓から逃げよう! ほら早くっ!」
玲音が服を引っ張った。木霊はもうすぐ全身を同じ廊下に表す。そうしたら階段へ行くか、こちらへ来るかだ。
木霊のすぐ後ろに孝明がいて、向こうのほうが近いと思った瑠樹は、だめもとでろっこん
ゆるゆる和みと恩恵の輪
を発動させた。
「うねうねな人も和みますように……。
ラピちゃん、今日もかわいくて……和むなぁ!」
効果があったかは分からない。顔の半分以上が木になって硬化しているので、表情を読むのは困難だ。ただ、なんらかの力が作用したことで木霊がふたりに気づいたのは確かだった。
「あ゛、あ゛、あ゛あ゛あ゛……」
木霊は右半分の人の口で声を発した。老人のようなしゃがれ声だった。木のような足で一歩、こちらへ踏み出してくる。バットを握り締めた腕が上がった。
「行こうったら!」
ろっこん効果で和んでいた玲音に再び恐怖が戻ってきた。そでを強く引っ張られ、瑠樹も玲音について走り出す。
(孝明おにーさん……)
肩越しに見た孝明は、幻のように薄れて消えていった。ちょうどチャイムが鳴り終わったときだった。その不思議な現象について考える余裕はない。
そして入ってきた窓へたどり着いたとき、さらなる恐怖がふたりを襲った。窓が開かなかったのだ。
「どうして!? 確かにここからボクたち入ってきたんだよね!?」
鍵はかかっていないのに、ふたりがかりで引っ張っても窓は1ミリと動かない。
木霊はゆっくりとだったが、着実に迫ってくる。
「このバカ窓ーーーっ!」
「行こう。隠れるんだよぉ」
恐怖のあまり、あせって窓を開くことに固執している玲音を今度は瑠樹が引っ張った。手をつなぎ、廊下を走ってどこか隠れられる場所を探す。
この廊下、こんなに長かったっけ?
「家庭科室」
ぽつっと玲音が言った。
「家庭科室なら、調理用の包丁とか、鍋とか、あるはずだから。それで、上に逃げよう」
これだけ騒いでいるのにだれも出てこないということは、1階にはだれもいないのかもしれない。だけど、上の階ならだれかいるかもしれない。先生とか。
職員室やほかの教室に明かりがついていたことを思い出して、そうすることにした。何より、ほかにいい案が思いつかない。
しかしそれは、外から見たときのこと。まだ向こうの空間にいたときの話だ。
この茜色に染まった桜の花びら散る空間ではないことに、ふたりが気づくのはもう少しあとのことだった。
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担当ゲームマスター
寺岡志乃
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ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月29日
参加申し込みの期限
2017年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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