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\ オーバータイム!/
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……何かがいる!
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「そこ、だれかいるのか……?」
探るような少年の声。あんずとゆきのがそれぞれクラスと名前を言うと、ドアが少しだけ開いて、目が見えた。
「おまえらだけか?」
うん、と答える。
「そこにいると、危ないぞ。こっち入れ」
ドアがまた少し開く。音がしないよう注意しているようだった。
体を横にして、するりとなかへ入ったあんずとゆきのに、彼は
双葉 由貴
と名乗った。4年生だ。
「おにいさん、ゆくえふめーになったおにいさんじゃないね」
リストの名前を思い出してあんずが言う。由貴もうわさを知っているのだろう。すぐあんずが何を言っているか理解して、うなずいた。
「違う。
それよりおまえら、よく無事だったな。木霊を見たか?」
「木霊?」
「半分木の姿をした化け物だよ。ほら、絵本なんかに載ってるだろ? 木に人の顔があって、しゃべる……。
知らないってことは見てないんだな」
「えっ?」
ふたりは目を丸くする。
「そんなの、いるの?」
「ああ。いる。人を襲うやつだ。俺は追いかけられて、ここへ逃げ込んだんだ」
にわかには信じられないことだった。しかし奇妙な長い廊下やあり得ないほど赤く汚れた廊下を見たあとでは、
「うそだね。おにいさん、うちらをからかってるんだ」
とは言えなかった。ふたりを見る由貴の顔は真剣そのものだ。
「えええ……」
「どうしよ?」
ぞっとして、ゆきのとあんずは互いを見る。
由貴は窓に近づくと、突然カーテンを強い力で下に引いた。ぶちぶちっとカーテンレールからカーテンがはずれて由貴の手元に落ちてくる。
「おにいさん!?」
「このままここにいるわけにもいかないだろ。明るいうちに逃げなきゃ」
2枚あるカーテンのうちの1枚をゆきのに渡して、教壇にたてかけていた掃き掃除用の箒の1本をあんずに渡す。掃除道具入れにしまってあるはずの物がここにあるということは、由貴はふたりが現れる前からその準備をしていたのだろう。
「だって……廊下には、その木霊ってやつが、いるんでしょ?」
「怖くないのっ?」
「怖いさ。怖いけど、出なきゃ仕方ないじゃん」
ここにこもっている間、由貴はなんとかしてグラウンドで遊んでいる者たちにこのことを知らせて助けを呼ぶよう言おうともしたが、だれも由貴に気づかず、呼び声に反応しなかった。まるでこっちが幽霊になったみたいだ。
きっと助けはこない。暗くなる前に、自分の力で脱出しなくては。
(男なら、怖くても行かなきゃいけないときがあるんだよ)
勇気で恐怖を押しつぶそうとするように、ぎゅっと箒の柄を握り締めた由貴は、気合い注入とばかりにほおをぴしゃりと叩く。
「いいか。木霊は俺を待つのに飽きて、階段のほうへ向かったみたいだった。だから反対へ行って、向こうの階段から下りるぞ」
「うん。図書室には、先生がまだ残ってるかもしれないしねっ」
「きっとまだいるわ」
ふたりの言葉に、由貴は何も言わなかった。そっとドアを開き、気配を伺う。あの、太い木の根みたいな足が這うような音もしない。それでも少し待って、それから廊下へ出た。大丈夫そうだ。
「行くぞ」
慎重に歩き出した由貴の後ろについて行こうとしたところで、あんずは廊下の端に転がった丸い物に気がついた。
「あ! 待って! ここに何か落ちてる!」
え? と振り返ったゆきのの前、あんずは赤く汚れた白くて丸い物に手を伸ばす。
「これ、なんだろう……」
もう少しで指が触れるというところで、風に玉が転がった。人の目玉だった。
「うわあっ!!」
驚き、あわてて手をひっこめる。バランスを崩してよたよたと後ろへ後ずさった。
「しっ!」
由貴が口元に人差し指を立てたが遅かった。いや、もうとうに気づかれていたのかもしれない。
うふふと含み笑う女の声がして、階段に通じる廊下の角から姿を現した。
「やぁっと、でてぇきぃたぁ」
由貴の言ったのはこいつだと、あんずもゆきのも分かった。長いざんばら髪と人の顔、白い両腕は人間のものだが、ところどころ破れて赤く汚れたセーラー服の上着の裾から下は木の幹で、根のような物が幾つも伸びている。まさしく木の化け物、木霊だ。
木霊は、まるでかくれんぼをしていた鬼が見つけたように、うれしそうに笑っていた。手に握ったカッターからチキチキと刃を出す。その刃は赤黒く錆びている。
「まぁだ、さぁんんんにぃんもぉ、いたぁのねぇ。こ、こここ、こぉろさぁな、きゃあぁ」
妙にうつろな声も不気味だった。感情がこもっておらず、何かつっかえたのどから無理やり言葉を押し出しているように聞こえる。
木の根の足をタコのようにくねらせながら滑るように近づいてくる木霊。木霊の押し出す異様な雰囲気にあんずもゆきのもすっかり飲まれていた。
はっと由貴がわれに返る。
(俺のほうが年長なんだから、助けないと!)
怖がっている場合じゃない。
由貴が凍れと念じると、手にかけてあったカーテンがみるみるうちに凍った。由貴のろっこん
氷掌
だ。
凍ったカーテンを盾のように前に出して由貴は飛び出し、ふたりを背にかばった。振り下ろされたカッターを、凍ったカーテンで受け止めて叫ぶ。
「逃げて隠れろ!」
あんずは箒を振り上げようとしていた動きを止めた。
「でもおにいさんはっ!?」
「俺もすぐ追いかける!」
「……あんず、行きましょう」
ぐずぐずしていると由貴も逃げられない。ゆきのはあんずの手を引っ張って、来た道を戻るように駆け出した。
「おにいさんっ」
自分たちだけ逃げることをためらうあんずの声、ぱたぱたと遠ざかる足音2つ。ふたりの気配が離れていくのを感じながら、由貴はカーテンと箒の柄で木霊の攻撃を数度受け止めた。
「じゃぁまぁ、しぃないぃでぇ」
間延びした口調と違い、攻撃は激しい。木の根の殴打ですぐにカーテンはぼろぼろになった。
隙をついて箒で強く胸を突き、ひるんだ木霊が動きを一瞬止めると同時に後ろへ跳んで、カーテンと箒を投げ捨てる。ばんっと廊下に手のひらを打ちつけて、廊下を凍らせた。きっと歩きにくくなるはずだ。
その様子を確認することなく、由貴は猛ダッシュでその場から逃げ出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月29日
参加申し込みの期限
2017年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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