this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
……何かがいる!
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
放課後。先生のあいさつが終わってすぐ帰り支度を始めた
楠木 ゆきの
の手元に影が落ちる。
「ゆきのー! 知ってるか? なんかうちらの学校でゆくえふめー? の人がいるんだって!」
前の席に座り、背もたれを抱き込む格好でそう言ったのは
東条 あんず
だった。その話についてはゆきのも知っている。2~3日前、自分より上の学年の子たちが数名いなくなってしまったらしい。先生は何も言わなかったけれど、いなくなった生徒やそのクラスメイトの兄弟姉妹の口からいろいろ漏れて、うわさになっていた。
「……家出かもしれないって……先生たちが話してる、って」
「えー? うちは、ゆーかいって聞いたけど?」
どっちだろう? 首をひねったが、あんずはすぐ考えるのをやめた。どちらにしてもいなくなったことに変わりない。
「うわさ……どんどん広まってる……ね」
対照的に、ゆきのは眉をひそめた。先生たち大人が懸念しているように、情報が不確かなままひとり歩きして勝手な憶測が飛び交っているのだということは難しくて、まだゆきのには分からなかったが、これが嫌な感じだというのはなんとなく分かった。
「そんでさ、うちらで見つけて、ばばーんと解決してやろうぜ!」
「え……あんずと事件解決……?」
「そっ! だってもしかしたら、その子たち悪い大人に捕まって、帰りたくても帰れないじょーきょーになってるのかもしれないじゃん!」
テレビドラマの見すぎでは、と思ったけれど、自分の考えを語るあんずは見るからに楽しそうでいきいきして見えたので、水を差すのはやめた。
(それに、あんず……いつも、言っても聞かない……よね)
だからゆきのはもっと建設的なことをすることにした。
机の横に引っ掛けてあった、なわとびの縄をカバンに入れた。あんずが正しくて、これが誘拐事件なら。そしてもし、犯人が分かったなら、捕まえる物が必要だと考えたのだ。分かったら大人に知らせよう、と考えないあたり、結構ゆきのも犯人を捕まえる気満々である。
「何してるの? ゆきの」
「……準備。大事だから」
「そっかー。じゃあうちは、これを持っていくことにするっ」
あんずも鉛筆とメモ帳、あとライト付きの光るキーホルダーをズボンのポケットに突っ込んだ。そして意気揚々と図書室へ向かったのである。
先生に訊いたところでいなくなった生徒について教えてもらえるはずがない、というのはあんずにも分かっていた。ゆきのに声をかける前の情報収集で、いなくなった生徒の名前はメモってあった。でも顔が分からない。図書室の学校・地域を扱った本のコーナーへ行けばアルバムなどで分かるのでは、と考えたのだ。
しかし残念ながらまだ今の6年生を扱った卒業アルバムは製作中で棚に並んでおらず、調べることはできなかった。
「うむむむむむぅ……。いい案だと思ったのにー」
口先を尖らせるあんずの後ろで、ゆきのは高学年向けの新書コーナーで、とある本に釘付けになっていた。
生徒のリクエストで取り寄せられたティーンズ向け文庫本らしい。表紙が漫画的な少年たちのイラストで、腐女子ゆきのの好みの絵だった。
(……表紙のお兄さん、ふたりともきれい……)
もちろん探しているのはこういう本ではないのだが。気になって、少しだけだからと手に取って、ぱらぱらめくる。
(………。ふ、ふうん……そ、そうなんだ……。
……! ……お、おぉ……)
おそらく図書の先生は、内容まで吟味して取り寄せたりはしていないのだろう。毎月入る本は大量にあるし、それらをいちいちチェックしている暇はない。そのため、ときにはどうしてこんな物が学校図書にあるのだと、首をひねるような本が棚に並んでいたりする。これも、そういった本のようだった。
「ん? ゆきの、どうかした?」
「……なに、あんず……いいところなんだからジャマしないで」
上の空で返事をする。
「えー? それ、そんなに面白いの?」
どれどれ、と好奇心からあんずは肩越しに覗き込んだが、本はすぐにぱたんと閉じられて、読むことはできなかった。
「こ、これは、今は関係ないから……借りて、家で読むことにする、ね」
ゆきのは俯きかげんで言うと、いそいそとカウンターへ持って行く。そして戻ってくると、あんずの努力をねぎらい、今日はもう帰ることを提案した。
すっかり夕方になっていた。グラウンドで遊んでいる子もまばらで、足元から伸びる影が長い。真っ暗になる前に帰宅しないと、家族を心配させてしまうだろう。
「あ、ほら。チャイムも鳴り出してるよ」
あんずはそれでも思いきれないでいたが、帰宅を促すチャイムがスピーカーから聞こえてきて、ゆきのに従うことにした。
そして廊下へ出て、気づいたのだ。
「この廊下、長くない?」
気のせいだと思った。夕焼けで染まってるから、そんなふうに見えるのだと。ただの目の錯覚。
けれども、歩き出してもなかなか階段に着かなかった。後ろを振り返ると歩いた分、図書室から遠ざかっている。両側の景色もちゃんと流れている。
なのに階段のある角はまだ先で、景色は変わらない。
一向に近づいているように感じられなくて、だんだん気味が悪くなった。
「ゆきの、走ろうっ」
焦燥に背中を押されるように、あんずは駆け出した。
かなり走った気がしたが、距離はほとんど縮まったように思えなかった。チャイムは鳴りやんでいないから、もしかすると本当に気がしただけで、そんなに走っていないのかもしれない。しかし息を切らせているゆきのを振り返って、そんなはずないと思い直した。
(どうしよう? なんだろう、これ)
わけが分からない。
「……あんず、図書室、戻ろう」
だいぶ息の整ったゆきのからの言葉に、図書室にはまだ先生がいたことを思い出した。生徒が全員いなくなったのを確認してから、最後に戸締まりをして出る。
大人がいる。思い出すと、不安がすーっと溶けた。
「そうだね、そうしよっ」
笑顔になって言う。
本当はこのとき、行っても無駄だというのはふたりとも分かっていた。ここが自分たちの知っている小学校でありながら別の場所でもあることは、うすうす感じていたから。
たどり着けたとしても、きっと先生はいなかったに違いないと、随分あとになって思った。というのも、ふたりは結局図書室へ戻れなかったからだ。
「わ、何だこれ? 廊下が赤いぞ! ゆきのー! ちょっと見て!!」
走っているときは周囲ばかり見ていたから気づかなかった、赤黒い汚れが廊下の真ん中にこびりついていた。
まるでゴミ袋か何かを引きずったような跡。そしてその上を何十人もの人が気付かず通って踏み散らしたみたいに、汚れは廊下のほかの場所や壁の低い位置にも擦りつけられたようについている。
「もう乾いてる、ね……」
念のため、自分の上履きを見たが、底に赤い汚れはついていなかった。
「ゆきのー、こっちこっちー」
あんずがまた何か見つけたようだ。そちらを見ると、あんずは教室のドアの前にいた。足元にはやはり赤い汚れがあった。赤い汚れの持ち主は廊下の真ん中を通っていたが、そこでドアの前へ移動したようだ。そして長らくそこに留まっていたようで、濃い円形の汚れを残し、また廊下の真ん中へ戻って、角の向こうへ消えていた。あるいは、向こうから来て、階段のほうへ消えたのかもしれないが。
「こんなに汚れてるの見たら、先生カンカンになって怒るだろうなー」
「そうね」
どうしたらこんな汚れがつくか分からなかった。思いがけず汚してしまったのなら掃除するはずだ。ということはいたずらか。だれのいたずらだろう? そんなことを話していると、教室のなかでがたんと小さな音がした。
どきっとして話すのをやめる。無言でドアを見つめていたら、ドアの向こうから注意深い小さな声がした。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
……何かがいる!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月29日
参加申し込みの期限
2017年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!