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花の名は。
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薔薇の花、十九本
半紙にぽたりと一滴墨汁を落としたように、
三宅 葉月
はその場において異質だった。
腰ほどまで伸びた緑の黒髪。漆黒の外套に身を包み、僅かに覗くスカートも更にその下に続くタイツもパンプスも艶やかな黒。最大まで色彩を削ぎ落とし、翡翠の瞳ばかりが鈍い光を放っていた。葉月が桜栄邸を訪れたのは昼下がりの一日の中でいえば最も暖かい頃とはいえ、まだ底冷えする三月の上旬。
服の好みはともかくとして、防寒着を羽織っていること自体はなんら不思議でもなかった。
けれど葉月自身が戸惑ってしまった。
(……あれは……夏の花、よね。どうして冬なのに咲いているのかしら?)
夏だけでなく、春、秋、冬の花。気ままに鮮やかに咲き乱れる庭園を、葉月は首を傾げながら無言で眺めていた。
花々の一つひとつを、瞳の奥に刻み込むように見て回る。
散策の最中、ふと葉月の目に留まったのは真紅の薔薇だった。
今にも動き出しそうなほど血色の良い瑞々しい紅、絵に描いたような完璧な形の花弁、そこに絡みつく鎖のような蔦、太い棘。
その花の名は――
「獅子目、か」
花の名前を呟く、
獅子目 悠月
の声には複雑な感情がにじみ出ていた。
それ以上何を言うでもなく、悠月はネームプレートに添えられた説明文を視線でなぞっていく。
花言葉:完璧主義、白鳥の歌
最高の薔薇を作ろうと模索し続けた職人が、最期に自分の血を注いで深い赤色にしたといわれている。
そこまで読んで溜め息が零れ落ちそうになったそのとき、見覚えのある桃色の目と視線がかち合った。
「あ」
声が重なり瞬間、桃色の目は不機嫌そうに細められた。悠月も負けじと眉根を寄せて「なんでお前がここに居る」と不満を漏らした。
「こっちの台詞だっつーの」
「……邪魔をするなよ」
来島 アカリ
はふんと鼻を鳴らして悠月から目を逸らし、悠月ももう一つ噛み付いてから獅子目の花に向き直った。
(完璧主義、か……)
蔦にガッシリと絡め取られた姿と花言葉に、悠月は自ずと実家を、自身を重ねた。
それが錯覚だとわかっていても、切り離そうとすればするほど余計に胸がジクジクと痛んだ。一度刺さった棘はもがけばもがくほどより深く突き刺さる。
それでも悠月が顔色ひとつ変えずに平静を保てたのは、隣に佇むアカリの存在があったからだ。
彼の前で取り乱してなるものか。ちっぽけなプライドのお陰だ。
チラリと様子を窺えば、未だにどこか不機嫌そうに唇を引き結んでいる。
その視線はまっすぐに目の前の花に注がれていて、アカリの様子を窺ううちに悠月の視線もいつしかその花へと辿り着いた。
アカリ
花言葉:初恋、愛らしい、恵まれた(満開時のみ)
可憐な花で評価も高いため一般的な普及を目指しているが、育てるのが難しく満開になる前に枯れてしまうことが多い。
梅や桜を思わせるような淡い桃色の、ハート型の花弁がいくつも重なった花だった。
木の枝に付いた丸みのある姿は愛らしく、イングリッシュローズの亜種ともまた違って花言葉の通り愛らしい印象を受ける。
同じバラ科でも蔦もなければ棘もない。
(……ああ、これは愛されて育った花だ。来島と同じ、幸せな花だ)
胸に宿ったのは羨望と嫉妬。そんな感情に悠月は平然と蓋をする。それが常だった。
「お前が羨ましいよ」
そのため、悠月ははじめアカリがなんと言ったのかよくわからなかった。問い返すかのようにアカリに向かい直っても、日に遮られ彼の表情はよくわからない。
けれど光にかき消された彼を見ていると、胸の中に押し込んでいたものが、ふっと重力をなくした。
「俺は、お前の方が羨ましい」
呟いてから、悠月はハッとする。すぐにでも取り消そうと口を開くが――
「ないものねだり、なのかな。……それでも俺は、お前が羨ましくて仕方ない」
今度こそアカリの表情を窺い知ることができた。
けれど告げるつもりだった『忘れろ』という言葉は吹き飛び、代わりにもやもやとした何かが悠月の胸を占めていく。声が出ない。
(……せめて何時ものように怒ってくれればいいのに。そうすればきっと……)
悠月はアカリから目を逸らすことができなかった。平静。そんなものはどこにも残っていない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月22日
参加申し込みの期限
2016年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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