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花の名は。
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偶然なのだろうか。ルイマリが勧めてくれた花は
志波 武道
と同じ名前を背負っていた。花の説明に目を通せばより一層自分の姿と重なって見え、自然と苦笑いが浮かび上がる。
武道はその姿をつぶさに観察し、無意識のうちに手を伸ばしていた。最も黄色い花弁の輪郭部分に触れるその間際に、指の先に鋭い痛みが走った。
「イッ……ッ!」
想像以上に棘が鋭かったらしい。掠めただけにも関わらず、指の腹にはぷっくりと血の玉が浮かび上がり、黒い土に染みを残した。
「俺は名前負けしてるけど、この花は名前に負けず、立派だな……」
その呟きには皮肉めいた響きはなく、素直な感心と少しばかり苦い思い、そして櫻に対する思いとも弟に対する思いとも違う親しみの感情――愛着がふつふつと湧き上がる。
再び手を伸ばそうか。そんな考えがよぎった時、指の先がぴくりと跳ねた。すると指の腹に滲んだ血がじわりと広がりをみせる。
(……けどこの棘だとそのままにしておく方がいいな)
そう言い聞かせて腕を引っ込めたところで、
「……指が痛むのか?」
という
楪 櫻
の少しばかり強張った、心配そうな声が聞こえてきた。
「あ、ああ。ありがとな! さっすが櫻ちゃん☆ 気が利く」
慌てて武道は笑顔を浮かべ、彼女が差し出すハンカチを受け取った。
(あ、このハンカチ、白いな……)
気が付いたのは、受け取ってからで。
「……その分なら大丈夫そうだな」
呆れ顔の櫻を見る限り、そんな武道の苦い思いには気が付いていないようだった。
「櫻ちゃんはどの花が気になった?」
話題を変える意味でも、もともと気になっていたことを武道は尋ねてみる。
「私が気になった花か?」
櫻は涼し気な目を不思議そうに丸く見開いてから、ゆっくりと歩きだした。
向かう先はどうやら先程見ていた桜のゾーンらしく、見覚えのある薄桃色の群れへ櫻は足を踏み入れる。
そうして彼女が足を止め、見上げたのは水墨画のように境界線の柔らかい白い花だった。
「先ほど紹介された手弱女や咲耶姫も綺麗だったが……これもなかなかに綺麗だと思ってな」
そう言うと櫻は、鍛錬の末に硬く分厚くなった掌をすべらせるようにして、木の幹を撫でた。
薄墨桜
花言葉:心の平安
蕾の時は薄いピンク、満開時は白色、散りぎわは淡い墨色になる控えめな風合いが美しい花です。
説明文を読み終えると、武道は自然と花と櫻を見比べた。ふと白い花弁が風に乗って、櫻の肩に舞い落ちた。
「なかなかどころかすっごく綺麗!」
武道も櫻と同じように、木の幹を撫でつけてみた。表皮は冷たい。しかし何故か手の先から温かいものが流れ込んでくるような不思議な感覚に陥った。
「毎年のように桜は見ているが……こうして二人で眺めるのは良い気分だな」
櫻の声が心地よく武道の鼓膜をくすぐる。耳まで温かくなってくる。
「そうだね。二人で見ると余計に綺麗に見えるよね?」
照れくささを隠すためにいたずらっぽく武道は櫻に笑いかけた。すると櫻は白い肌を白桃色に染めて、
「志波、やはりお前といると楽しいよ、とても」
とからかうことなく、拒絶することもなく微笑み返してくれた。
彼女の笑顔はまぶしかった。『心の平安』で間違いない。それなのに遠泳でもしたように身体がカッと熱くなった。
「だな。櫻ちゃんとなら、きっとどんなことでも楽しくなる気がする」
素直に微笑んでくれた彼女に報いるために、その気持ちを騒がしさに隠さず、ありのままに伝えてみる。
そうすることで、ほんのひと時二人の間に静寂が流れた。どちらからともなく見つめ合い、ひだまりのような瞬間に身を委ねる。
そんな二人を一片の花弁が割って入った。眩しいほど白い薄墨の桜。
「俺、花は詳しい! っていうほどは知らないけどさ……すんごく癒されるよな!」
「癒される……そうだな、こういったものもまた悪くない」
すぐに二人はいつもの調子に戻って、お互いではなく花を愛でて分かち合った。見つめ合っていた時とはまた違う穏やかな時間が流れていく。
不意に武道は桜の木を見上げながら、そっと薄墨桜の幹に背中を預けてみた。ひんやりと心地よい桜の肌が、しっとりと武道の背を支えてくれた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月22日
参加申し込みの期限
2016年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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