コロシアム再戦！　オーガがコピーろっこんを使用！？｜リアクション

コロシアム再戦！　オーガがコピーろっこんを使用！？

●●●光明の先に●●●

「八神、助かった！　鎧を何とかできるのはお前しかいなかったからな！」
「それは買い被りだ。とにかく、防御力は下げた。落ち着いて、連携して戦おう」

　オーガとの戦闘の最前線で礼を言うザ・ストレイト。
　後衛から全体を見渡し、いつでも動けるようにしている修。
　零、サキリから攻撃を受け、フツウなら満身創痍であろうオーガは、ザ・ストレイトへと拳を振るう。
　その威力は先ほどと変わらず、違和感を禁じえなかったが。

「オーガが使うろっこんは寝子島のもれいびのじゃねえのか！
　許さねえ！　その力は神様のモンでお前達が好き勝手に使っていい代物じゃねえ！
　だから、なんとしても返してもらう！」

　目が覚める時に聞こえていた異世界の力、とやらはろっこんであると認識したザ・ストレイトは叫ぶ。
　その怒りを乗せて、目の前のオーガにラッシュを見舞う。
　限界を超えたのかオーガは白目を向き、その場に倒れた。
　だが、倒れたことも想定内だったのか、別のオーガが大振りな攻撃準備を終えていた。

「…ッ！」

　ザ・ストレイトは目の前にあったオーガの拳をギリギリ避けるが、片腕を掠ってしまう。
　掠っただけのはずなのに燃えるような痛さを感じるのはオーガの力が強いからに他ならない。

　そして、その力を感じているのはザ・ストレイトだけではなかった。
　蛇那伊は琴代を助けた後、後衛を守るために下がろうとしたところを回り込まれてしまう。
　オーガの拳をいなしたと思ったら次は大剣が待ち受けており、余裕をもって躱す。
　しかし、また別のオーガの拳は避けられぬと体を浮かせて受け身を取り、吹き飛ばされる。

「隔離だなんて、ちょっとひどいんじゃない？」

　吹き飛ばされた先で、もう1体のオーガの攻撃を転がりながら躱す蛇那伊。
　立ち上がって口の中の血を吐き出し、悪態をつく。

「この空気…感じたことがあるわね。そう…ピエロと傀儡師がいた時みたいな」

　絶壁を見上げればそう、当の傀儡師と見慣れぬ白衣が蛇那伊たちを見下ろしている。
　であれば、模様の弱点は同じはずと考えを巡らせる。
　受けたダメージは深いが、気を練り心頭滅却すれば対多数戦も可能だ。
　油断なく四方のオーガを見据え、新たな気を練っていく。

「鬼さんこちら、かなー？」

　一方、意図的に数体を相手取るように動いた円は修の言葉を聞いていなかったわけでは無い。
　円のろっこん【ブレイブハート】の発動には自発的に危険度の高い行動をすることが必要なのだ。
　敵の戦力を分散すると決めてからの行動は早く、靴下に砂と石を詰め込み、オーガの注目を集めた。

　するとおかしなことに、オーガたちはその場に大剣を置き、腕を伸ばして円を捕えようとしてきた。
　【ブレイブハート】で上昇した運気は戦闘でも役立つのか、オーガたちの攻撃を振り切れていた。
　だが。

「つぁっ…捕まっちゃった…」

　連携捕縛とも言える動きは防げなかった円。
　オーガに鷲掴みにされ、抵抗もむなしく持ち上げられ、投擲の構えをすると無造作に円を投げた。

「…！？　…！？」

　声にならない叫びをあげながらオーガ側の後衛にすごい勢いで飛んでいく。
　このまま壁に激突すればひとたまりもないのは想像に難くないが、自らの意思とは関係ない。
　あわや、となる手前にいたオーガが無駄のない動きでキャッチする。

「よし！　良かった、君が無事で」

　円は人心地つく暇もなく、声をした方に視線を送るとオーガの背後、絶壁の上に声の主はいた。
　ガッツポーズのような仕草の傀儡師と隣でつまらなそうに円を見る初めて見る白衣の2人組であった。

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