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現れた扉
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昼ごはんを食べ過ぎた。その自覚から
双葉 由貴
は腹ごなしの散歩に出掛けることにした。緑のオーバーオールに青いジーンズを穿いてきびきびと旧市街を歩く。自然に足は九夜山へと向いた。
険しいところを選んで斜面を突き進む。
「結構、キツイな」
口に出した途端、否定の意味で頭を振った。
――弱音じゃないからな。ただの感想だからセーフだ。
軽く頷きながら足に力を込める。額に汗が滲んできた。息が乱れ、閉じていた口が開き始める。
「……やっぱ運動は苦手、だけどがんばる!」
下がっていた頭を無理に上げた。
「なんでこんなところに?」
息の苦しさを忘れて足を速めた。
由貴は現れた扉を見上げる。でかいな、と口にして左側の扉に目がいく。人が入れる程度に開いていた。中は薄暗く、深い洞窟を思わせた。
「どうするかなー」
オーバーオールのポケットに手を突っ込む。取り出した掌サイズの懐中電灯のスイッチを入れた。強烈な光を目に受けて瞬く。
「電池は大丈夫そうだな」
扉の前で腕組みをした。
――こんなところに扉があるなんて、すごく怪しいんだけど。でも、奥が気になるんだよな。
扉の中に半身を入れて奥の方を照らす。灰色の空間がどこまでも続いていた。目を凝らすと壁面が波打っているように見える。
――いろいろある寝子島だし、お宝みたいなものも発見できるかも!
青い瞳に好奇の色が満ちる。よし、の一言で扉の中に入っていった。
最初は用心してゆっくりと歩いた。少し慣れてきて足を速める。幾つかの横穴を見つけて適当に選ぶ。
――運動を兼ねた、いい暇潰しになるよな。
「あとは宝の発見だな」
広々とした場所に出くわし、足元や天井に光を当てる。壁面からの大きな岩の迫り出しに驚きつつ、どこか楽しそうな笑顔で歩いた。
その足が止まった。二度目の大きな岩に表情が硬くなる。
「もしかして迷ったのか?」
確証はなかった。似たような光景が続いたことで錯覚を起こしたのかもしれない。ぎこちない笑みで、とにかく足を速めた。
三度目の大きな岩を目にして確信した。
「……完全に迷った」
向かう方向を見失い、由貴は立ち尽くしてしまった。
頭の上に結い上げたお団子が機嫌よく左右に揺れる。
椎名 あさひ
は桃色のダッフルコートを着て枯れ葉の中を歩いていた。曽祖父から譲り受けた二眼レフを手にして被写体を求める。
「どんぐり、みーつけたぁ」
枯れ葉の布団から顔を出したドングリにレンズを向ける。撮り終わると形の良い物を選んでポケットに収めた。
「たくさん、拾ったねぇ」
膨らんだポケットをぽんぽんと叩く。少し嬉しくなってスキップをした。オレンジの水玉模様のスカートが軽やかに舞った。
「少しボウケンしてみようかなぁ」
目にした細い道に陽気に乗り出した。緩やかに下って急に上る。途切れそうになる道を目で追って、時にカメラで風景を切り取った。
「こんなところにトビラ?」
向かう先に巨大な扉が聳え立つ。ほー、と声を出してカメラに収めた。小走りで扉に近づいてコンコンとノックをする。
「だれかいますかぁ」
耳を傾けたが返事はない。開いたところにそっと顔を入れる。中は薄暗いが全く見えない訳ではなかった。
頭の上のお団子が揺れる。笑顔が滲み出た。遠くを見詰める瞳に少しずつ興味が満ちていく。
「よーし、こんどはタンケンだ!」
手足を振って暗がりを突き進む。数多くの壁に翻弄されながらも奥へと向かう。枝分かれした道にはドングリを置いた。
「これでマイゴにならないよね」
機嫌よく一方の道を歩いていく。分かれ道の度にドングリを失った。ポケットの膨らみはなくなり、表情が周囲と同じように暗くなる。
「なんか、ちょっとこわくなってきちゃった、かも?」
声に出してみたものの、心の中の寂しさは募る。誰かを求めるようにキョロキョロと目を動かした。
――こんな時、ゆきくんがいたらなぁ。
広い場所に出た。中央に光が見える。瞬間、あさひは叫んでいた。
「ゆきくん!」
「その声はあさひなのか!?」
「うん、そうだよ」
あさひは由貴の元に駆け寄った。
「一人でこんなところまで来たのか? 怪我とかはしてないよな」
「平気だよ。ちょっと暗くてシュンとしちゃったけどぉ」
「何もないならいい。でも、ここは暗くて危ないから」
由貴はあさひの手を握った。
「えへへ」
「あさひ、どうしたんだよ。急に笑ったりして」
由貴は握った手を緩める。あさひは離れないように力を込めた。
「ゆきくんの手、あったかくてほっとするね」
「……そうか、出口に急ぐぞ」
暗がりに顔を向けて歩き出す。あさひは手を引かれながら、のんびりとした口調で言った。
「来た道にどんぐりをおいてきたから、まよわないで帰れると思うよ」
「目印はどんぐりだな。あとは俺に任せてくれ。必ず無事に連れ帰ってやるからな」
「ゆきくん、ありがとう。あのね、ここに来る前にステキなところを見つけたんだよ。少し広くてキラってしてた」
「そんなところもあるんだな。帰りに寄ってみよう」
由貴は背を向けた形で答えた。
二人はどんぐりを回収しながら歩き進める。
「そこを曲がったところだよ」
あさひの指示に従って右手に折れた。懐中電灯の光が岩に反射して煌めく。天井には同様の光が散りばめられ、二人は同時に声を上げた。
「これは凄いな。星空の中に浮かんでいるみたいだ」
「もっとむこうにも道があって、きっとキラキラがいっぱいなんだと思うなぁ」
「また、その、一緒に来よう」
「うん、そうだねぇ」
二人は向かい合って照れ臭そうに笑った。
「それにしても綺麗だな。宝物を見つけた気分だ」
「ほんとうにステキだねぇ」
手を繋いだまま、二人は少しの間、地底の星々に魅了された。
十分に堪能したあと、外の世界に戻ってきた。
あさひは改まった様子で由貴を見詰める。
「ゆきくんがいたから、帰り道はこわくなかったよ」
「それを聞いて俺も安心した。あさひに怖い思いをして欲しくないからな。ここも安全とは言えないから、俺が家まで送るよ」
「じゃあ、おねがいしちゃおうかなぁ」
あさひは笑って手を差し出す。由貴は、はにかみながらもしっかりと握った。
洞窟の時と同じで少し前を由貴が歩いた。あさひは背中を見ながら心の思いを口にした。
「あのね、ゆきくんがいると、どんな時でもうれしい気持ちが大きくなるの。これってフシギだよねぇ」
由貴の握る手に自然と力が入る。少し赤らむ頬で言葉を返した。
「……その不思議な気持ち、俺にはわかるかも」
「え、そうなの? どういうことなのかな」
「それはちょっと。心の準備が必要だから」
「じゃあ、楽しみにまってるねぇ」
赤い顔に明るい笑顔。共に二人は手を繋ぎ、仲良く山を下りていった。
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2人まで
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冒険
動物・自然
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定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月11日
参加申し込みの期限
2016年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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