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現れた扉
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青木 学
は九夜山の中腹にいた。丸い鍔の探検帽を被っている。上着のブルゾンは目立たない茶色を選んだ。徐に右手のハンディビデオカメラを起動させた。
近場から枯れ葉を踏むような音が聞こえた。素早くレンズを向ける。
「そうじゃないんだよなー」
繁みから顔を出した野兎に愚痴を零す。
「俺が欲しいのは、もっと冒険心を煽るような展開なんだよ」
説教を垂れる合間に野兎は走り出す。
――道なりに歩いていても無駄だな。特ダネは険しい道の先にあるんだ。
学は山笹の群生地に突撃した。すぐに息が上がる。
「な、なんて、歩き難い、んだ」
酷い猫背となって尚も前進を続ける。疲弊した足に下草が絡み付き、身体が前に傾ぐ。
「うおわっ!」
咄嗟にカメラを抱え込む。学は丸まった状態で斜面を転げ落ち、程なくして止まる。枯れ葉に塗れた状態でふらりと起き上がった。
「危なかったな~」
本人に怪我はなく、カメラも無事であった。よろよろした足取りで適当に進むと扉を発見した。長身の学が身を屈めずに入れる大きさを有していた。
曲がっていた背中が急に真っ直ぐとなる。抑え切れない笑みが滲み出た。
「このシチュエーションはテレビで観たことがあるぞ。撮影隊が期せずして、世界的に貴重な映像を収めることが出来ました、っていうアレだ!」
喜びを噛み締めるように身体を震わせる。その状態で足踏みをした。
「しかし、だな」
ふと我に返る。おどおどした目で開いた扉の中を覗き込む。
――おいおい、暗いよ。なんか出るって。単独なんて絶対に無理じゃん。
学は余裕の笑みで前髪を掻き上げる。
「カメラマンには同行者がいないとダメだ。番組の構成を頭に入れて動かないとね」
扉を背にして座り込む。大きく息を吐いて周囲に目を向けた。
青いウインドブレーカーを着た
新田 亮
が軽快に山道を駆け上がる。飛び出た石を機敏な動きで次々と躱していく。
何か物足りないという顔で緩やかに足を止めた。少し湿った前髪を軽く掻き上げて道の続きに目をやる。
「どうするか」
その目が少し横に逸れた。下草が踏みしだかれたような跡を見つけた。奥の方は薄暗く、先がはっきりしない。
そこに足音が聞こえてきた。下り坂の方を見ると
桃川 圭花
が赤いジャージ姿で黙々と走っている。
偶然に二人の視線が合った。亮は自ら目を伏せて遣り過ごそうとした。圭花は通過することなく、その場に足を止めた。
「そこのボク、もしかして迷子でしょ」
聞かれた途端、亮は相手を睨み付けた。
「誰が迷子だ」
「そこのボクしかいないじゃない。なんなら、お姉ちゃんが下まで連れて行ってあげるわよ」
「俺は迷子でもボクでもない」
亮は若干、踵を上げた。
「そうだろうね」
圭花が上から大仰に覗き込む。こちらも少し踵を上げていた。
分が悪いと判断したのか。亮は話を切り替えた。
「九夜山で走り込みか」
「まあ、そんなところね。マラソン大会も近いことだし」
「そうか。ただ、この道は少し歯応えがないな」
「あら、奇遇ね。私もちょっぴり退屈していたところなのよ」
勝ち気な態度で返す。
亮は先程、見つけた道に親指を向ける。
「どうだ、あの道で俺と一勝負するか」
「いいわよ。私の力、見せてあげるわ」
二人は山道に並んで立つ。どちらも飛び出しに備えて上体を低く構えた。
「私の合図でスタートよ」
「俺に異論はない」
亮は道の先に早々と目を凝らす。
「じゃあ、位置についてー、ドン!」
圭花は飛び出した。亮は予想しない掛け声に出遅れる。
「用意が抜けたぞ!」
「用意しない人が悪いのよ」
圭花は先頭で明るく返した。
堂々とした抜け駆けで勝負は始まった。
扉の前に座っていた学が腰を上げる。ズボンに付いた埃を手で払い、ぼんやりと周囲に目をやった。
――誰も来ないな。仕方ない、ここは出直すか。
重々しい一歩を踏み出して固まった。異変を感じた方向にハンディビデオカメラのレンズを向ける。画面に争う二人を大きく映し出した。長身の圭花が亮を追い掛ける展開になっていた。
見た目の走力は圭花が勝っている。それでいて先頭に立てない。前を行く亮は身軽だった。悪路を難なく走り抜ける。
結果、僅差ではあるが亮の勝利となった。学の手前で二人は荒い息を整えた。
圭花は悔しそうな目で亮に言った。
「自分の視力の悪さに負けたわ」
「今回は俺の勝ちだが、同時に弱い部分も自覚できた」
「お姉ちゃんに感謝してよね」
「同じ学年だ」
出会った時とは違って二人の雰囲気は悪くない。そこに学が割って入る。
「番組クルーが駆け付けてくるのを待っていたよ。さあ、世界的な発見をしに行こうじゃないか」
「なんの話よ」
圭花が素っ気なく返した。学は背後の扉に手を翳す。
「この扉の向こうには神秘の世界が待っている。俺はカメラマン役だ。君達は寝子島ふしぎ発見のミステリーハンターってわけさ。どうよ、特番の匂いがプンプンだろ」
「本当に神秘の世界があるのか?」
亮は前に出て扉を繁々と眺める。その肩に軽く手を置いて学は言った。
「ま、名カメラマンと自負する、俺のカンだな」
「これって、元からあるものじゃないわよね」
圭花は扉の前に散乱した土砂を見て言った。学は、それ、と興奮した様子で声を上げた。
「中々に鋭い。さすがはミステリーハンターだ。世紀の大発見に相応しい逸材だよ」
「まあ、そこまで言われたら、さすがに付き合わない訳にはいかないよね。中は暗いみたいだし、私は携帯の懐中電灯アプリを使うことにするわ」
「俺は手ぶらだけど」
亮の心配を学は一笑に付した。カメラを誇らしげに構える。
「暗闇は俺が追い払ってやるさ」
カメラが明るい光を放つ。
「さあ、皆、用意はいいかな。未知の世界に踏み込む時がきた。これ、撮影してんだけど、オッケーだよね?」
「私はいいわよ」
「俺も構わない」
「オッケーが出たところで、えっと、自己紹介的なこともやっとく?」
三人は簡単な自己紹介を済ませた。学は開いた扉の真横に付けて二人を中へと促す。
圭花が携帯電話を軽く掲げて中に入る。続く亮は横手の学に目を向けた。
「普通、カメラマンが先では?」
「え、まあ。そういう場合もあるんだけど、マジで怖いから後ろがいいです、はい」
「人待ちは、その為か。別に構わないが、明かりは頼む」
「引き受けた。撮影の腕には自信があるからね」
納得した亮は先に入り、最後に緊張した様子の学が付いていく。
先に入った圭花が二人の方に振り返った。
「なんか埃っぽくない?」
「確かに鼻がムズムズする。お前はどうだ?」
亮は学に声を掛ける。本人は目が泳いだ状態で顔を小刻みに動かしていた。声が耳に届いていない状況であった。
「……先に進むか」
光源を確保した一行は闇を退けて歩く。灰色の不規則な形の壁は光を受けて蠢いているように見えた。その度に学が短い悲鳴を上げた。
「ヒッ、うわぁ……」
「今度は何だ?」
亮は学に問い掛ける。するとカメラの光は足元を照らした。
「こ、この魔法陣みたいなヤツ、俺が踏んじゃったんだけど、大丈夫だよな……」
「何だろう、これは」
先を進んでいた圭花が戻ってきた。
「なに、これ。本当に魔方陣みたいに見えるんだけど」
「な、なんだよー。皆、マジになんなよ。たまたま、こんな風に丸く見えるだけだって」
「周りに文字っぽいものもあるよね。これって梵字でしょ」
圭花は墨で書かれたような文字を目にして言った。亮は早々と見切りを付けて奥の方に視線をやる。
「電池の問題もある。先を急ごう」
「そうね。考えてわかる問題じゃないわよね」
圭花と亮は並ぶようにして歩き出す。学は二人の後ろから離れないように付いていった。
明かりが奥の方に届く。壁際に厳めしい石像が現れた。
「ぎゃぁぁぁ! ばっ、化け物ぉぉぉぉ!」
二人の後ろに隠れていた学が声の限りに叫ぶ。カメラの光が大きくぶれた。亮は速やかに動いて石像の前にしゃがみ込んだ。
「こんなところに狸? 剥製の類いか」
「こんなところに人間か。珍しいことじゃのう」
喋る狸を見て亮は表情で驚いた。そのあと、後ろに控えていた二人に目をやる。
「私の声ではなくて、その狸みたいなのが喋ったわよ」
学は圭花の肩口から顔を覗かせて懸命に頷く。納得した様子で亮は改めて狸と向き合った。
「あんた何者だ?」
「大して珍しくもない。ただの悪戯好きの神じゃよ」
「神様って時点で相当に珍しいわよ」
圭花が呆れたような声で言った。亮は少し身を固くして狸の動作に注目した。
「その神が、なんでこんなところにいるんだ?」
「悪戯が過ぎてのう。陰陽師の輩の手によって、この洞窟に封印されておったのじゃ。地震のおかげでようやく解放されたわい」
「あ、あのー、もしかして他にも封印されている神とかいます?」
怖々と学が質問する。狸は四つん這いで伸びをするような格好をした。
「ここはそういう場所じゃからな。何体かは、そこらを狂奔しておったのう。忌々しい扉は開かれたのじゃろうか」
「私達が来た時には開いてたわよ。青木君の時はどうだった?」
「俺の時も開いていたけど、何も目にしなかったなー」
狸は、なるほど、と頷いた。
「地震によって開いた扉じゃ。未だに封じる力は残されているじゃろう。閉まればお主達も出られなくなるやもしれんのう。各々が身に宿した力、神に関係しているのじゃろう?」
「この狸、さらりと怖いことを言うわね。私がろっこんで片方の扉を外してくるわ。帰る時に元に戻せばいいよね」
圭花は携帯電話の光を頼りに引き返す。
亮は狸に目を向けた。
「その話は本当なのか」
「もちろん嘘じゃよ。先程も言ったであろう。悪戯好きの神じゃと。封印されていた神々の話は本当じゃが」
「詐欺師みたいな神だな」
「口だけではないぞ。それなりの力も備えておる。ほれ、見てみるのじゃ」
狸が前脚を上げた。その方向から圭花が急ぎ足で戻ってきた。
「え、なんで?」
圭花は両手を左右に翳して中腰で歩き始めた。異変に気付いた学がカメラを向ける。映し出された画面に異常は見られなかった。
「あのおなごは幻惑されているのじゃよ。お主達の声も耳には届かん、狭い通路の中におる。目の前には下りる階段を用意してやったわい」
「俺達には何も見えないな」
亮の言葉に学が頷く。
「あ、階段に!」
圭花の携帯電話に取り付けてあった一つのストラップが床に落ちた。すぐには拾わず、本人は下を覗き込むような姿でいる。
「階段の下に落として途方に暮れているのじゃよ」
狸はストラップが落ちているところへと向かう。何故か、尻を突き出すような格好をした。
「ガスとか、大丈夫よね?」
言いながら両膝を突いた。四つん這いの姿になって顔を下げていく。
「新田、あれってやっぱり悪戯の一種だよな」
「たぶんな」
圭花の鼻は狸の尻の近くまできた。
「……なんかヘンな臭いがする?」
「ほうほう、感度のよい鼻をしとるのう」
狸は陽気に尻を振り始めた。クサッ、と声を上げた圭花が鼻を押さえて仰け反った。
「なんか目に染みるんだけど、急になんなのよ。あの二人もいないし」
「ここにいるんだけど」
亮の言葉に圭花が反応した。
「え、ここって?」
我に返った時には狸の姿はなかった。
「この洞窟は、かなり危険かもしれないな」
「俺も、そう思う」
亮と学の意見が一致した。話が見えない圭花だけが、なんなのよー、と不満を口にするのだった。
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2人まで
シナリオジャンル
冒険
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月11日
参加申し込みの期限
2016年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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