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2月の★ハッピーバースデー
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「俊介ちゃんセンセは不憫なのだ」
大真面目な顔で
後木 真央
が鞄から取り出すのはナニカの入ったタッパーウェア。それを家庭科室の作業台に置き、
「新聞部顧問だと分かっているのに一瞬用務員さんに見えて二度見やガン見しちまうのだ」
カパリと開ければ、中には一見抹茶チョコにしか見えない一口大の手作りチョコ。
「わあ、美味しそうですね」
「結衣香ちゃんの苺のショートケーキも美味しそうなのだ」
「家庭科の調理実習で作ったんです」
隣から覗き込む
日々野 結衣香
の手元、ほとんど飾り付けの終わった苺のショートケーキに、真央は今にも齧りつきたそうな視線を向ける。
「こらこら」
「食べないのだ、食べたりしないのだ」
作業台に取り付けられたシンクでカップやティーポットを洗い、丁寧に拭き上げながらの
八神 修
にまるで子猫にでもするように柔らかく叱られ、真央は柔らかな栗色の髪を振り回して首を何度も横に振る。
「先生のお口に合うかどうかわかりませんけども」
「美味しそうだ。きっと喜んでくれるさ」
結い上げた栗色の髪を揺らして俯く結衣香に、修は力強く頷いて見せる。
「そう、……そうですよね」
新聞部部長である修のお墨付きをもらい、結衣香はポニーテールを上下に揺らして大きく頷き返した。
二月八日の今日は、結衣香や修、真央が所属する新聞部顧問の
黒崎 俊介
教頭の誕生日。
それを知った新聞部員たちは、日頃世話になっている顧問に感謝を届けたいと知恵を出し合い話し合った。その末、手作りのお菓子や紅茶を用意しようという流れになった。
業務に忙しい日々の中でもアフタヌーンティーの時間は必ず取るという黒崎教頭なら、きっと喜んでくれるはず。
「……よし」
家から持ってきた本格的な茶器をトレイにセッティングし、事前に調査した黒崎教頭好みの茶葉の用意もし終え、修は家庭科室を見回す。
教頭に内緒で特別に貸し出してもらった家庭科室のあちこちで、新聞部員たちがクッキーを焼いたりサンドイッチを作ったりしている。
部員たちの様子を眺めながら、修はこちらも家から持ってきたアフタヌーンティースタンドをセットし、紙袋から箱を出す。中身は家で作ってきた一口サイズのスコーンと小さなジャム瓶。
スコーンをスタンドの二段目に乗せ、結衣香にもケーキを飾るように示す。
手製のショートケーキをスタンドの三段目に飾り終え、結衣香は空いた作業台の上で別の工作を始めた。手の空いた別の部員にも声を掛け、作成するのは新聞のような開き方をする装丁のメッセージカード。
綴るのは、もちろん日頃の感謝の言葉。
――いつもお世話になっております。ご迷惑をおかけすることもあるとは思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
ちょっと固めの文章も、生徒らしさを出すにはきっとちょうどいい。
結衣香に呼ばれ、続けてメッセージを書き込んで、修は視線をあげる。
賑わう家庭科室の片隅、タッパーウェアから取り出して半分齧った一粒チョコと睨み合う真央と眼があった。
「どうした、真央」
「……ハッ」
修に呼びかけられ、真央は夢から醒めたように翡翠色の瞳を見開く。
「俊介ちゃんセンセーをお祝いせねばなのだ!」
「そうだな」
半分食べ残しかけたチョコを涙目で口に押し込み丸のみし、真央はチョコレートの入ったタッパーを封印する。
「それは……」
「センセはリア充一撃チョコを配る必要がない安定の影の薄さなのだ」
「……食べて大丈夫なのか」
「一瞬意識が刈り取られるだけだからだいじょぶなのだ!」
危険物の入ったタッパーの代わり、真央が次に取り出した別の密封容器の中には、櫛形に八等分して煮た林檎のワイン煮。
「校長センセの髪の毛とどっちの存在が薄いかマジ悩むのだ……」
何気に失礼なことを神妙な顔で口走りつつ、真央は器用な手つきで冷やしたワイン煮をなるべく薄く削ぎ切りにしていく。
薄く切った林檎煮を、端の短い部分を芯にして順番に巻きつけ、真ん中の長い部分を外側にしてかたちを整えれば、
「薔薇のできあがり、なのだ!」
技量がなくてもそこそこ見立てることの出来る食べられる薔薇を、これまた別に用意してきたゼリーミックスで作った色とりどりのゼリーの上に飾る。
「薔薇?」
「薔薇なのだ! 影の薄い俊介ちゃんセンセを濃くする秘策、これにあり! なのだー!」
噂に聞くにはデキル良い男らしいものの、薄すぎて周りの人間に存在にも気付いてもらえない部活顧問に涙しつつ、真央は両手に握りこぶしをつくって雄叫びをあげた。
「薔薇か……」
「薔薇ですか」
「バラバーラ! なのだ!」
きらきらしい林檎のワイン煮の薔薇ときらきらしい色とりどりのゼリーを眺め、修と結衣香は揃って唸った。
その日は部室で月例会が執り行われた。
部室の隅の椅子に掛けいつも通りの影の薄さを示す黒崎教頭を、今日ばかりは部員それぞれにちらちらと見遣りつつ、表面は普段通りに会議が進む。
「卒業生を送る特集号の為の撮影は順調です」
「全国高校新聞コンクールの結果発表がありました。貼りだしておきます。出品した号には連載記事『寝子島の変遷』、特集記事『わが島の防災MAP』が記載されていました」
「次月の予定は――」
滞りなく月例会は進み、大きな問題も挙がらず会議は終わる。
「皆、お疲れさま」
黒崎教頭がいつものいい声で会議を締め、いつも通りいつの間にか居なくなろうとしていたところを、
「お茶にしていきませんか、先生」
修が呼び止めた。
心得た部員たちが並べた会議机にテーブルクロスを広げ、棚に隠していた茶器と茶葉を取り出す。結衣香が部員たちが心をこめて作ったお菓子の並ぶアフタヌーンティースタンドと誕生花のひとつである薄紅色のストックの花を机に飾り、戸惑う様子の黒崎教頭を真央が半ば無理矢理一番奥の椅子、いわゆる『お誕生日席』に着かせる。
その間に、修は部室備え付けの電気湯沸かし器で湯を沸かし、丁寧に紅茶を淹れた。
「お誕生日おめでとうございます」
「俊介ちゃんセンセ、誕生日おめでとうございますなのだ」
「おめでとうございます」
お祝いの言葉にあわせ、結衣香がクラッカーを鳴らす。
「いつもお力添え頂き有難うございます。これは俺達からの気持ちです」
「センセの誕生日がバレンタインならもっと盛大に祝って貰えたと思うのにっ……たった後六日でセンセは濃くなる機会を逃したのだ、勿体ないのだ!」
新聞部部長からの卒のない言葉と、真央からの祝いの言葉とも何とも取れぬ微妙な言葉を続けざまに掛けられ、黒崎教頭は穏やかに微笑む。
「ありがとう、……ありがとう、皆」
「センセの存在感増すためにも薄い本の主役として華々しく紙面を飾るのを期待してるのだ!」
薔薇のかたちに盛り付けた林檎のワイン煮とゼリーを差し出しつつ、真央が真剣に提案する。
「薄い本、かい……?」
「薔薇の花咲く薄い本なのだ!」
林檎の薔薇と真央とを見比べ、困惑顔をする黒崎教頭に、
「こんなに紳士なのに! こんなにいい声なのに! 疲れ気味なとこも魅力のひとつに界隈では数えられるのに! この存在感のなさはなんなのだー!」
腐女子な真央はますますヒートアップする。
狂乱気味の真央をまあまあと宥め、場を取り繕おうとした修が持ち出したのは黒崎教頭が学生だった頃の話題。
「先生はどんな学生でしたか?」
「目立たなかったね。後木さんに言われたようなことも、そう言えば昔、女の子に言われたことがある」
「きっとその女の子も腐女子……」
「せ、先生お勧めの歴史の本を教えていただるとうれしいですっ」
「ああ、俺も興味があります」
真央の腐女子発言を懸命に遮り、結衣香がポニーテールを揺らして手を挙げる。
「今年の歴史大河ドラマは観られてますかっ」
「忙しくてリアルタイムでは見られていないけれど、録画はしているよ。日々野さんのお勧めの場面はあるかな?」
「わあ……!」
黒崎教頭の言葉に、歴女を自覚する結衣香は目を輝かせた。
「それはもう、なんと言っても……」
のんびりまったりを基本とし、めったなことでは慌てない少女が嬉しそうに話す歴史の話に、黒崎教頭は柔らかな笑みで時折相槌をうちながら耳を傾ける。
「何年後かの大河には現代が取り上げられるという情報がありますよね」
結衣香の話題がひと段落して後、修が話の穂を継ぐ。
「現代は受験問題には取り上げられ難いけど、後世の歴史家が研究したがるだろう素材で溢れてますよね」
公民や経済分野を学ぶうち、特にそう思うようになった。
「教科教科ではなく総合的知識を磨かねば、ですね」
新聞部部長の優等生らしい言葉に、黒崎教頭が頷き、日本史以外にはあんまり興味のない結衣香と進級も危うい感じに追い詰められつつある真央が沈痛な顔を見合わせる。
「それはそれとして!」
うっかり思い出したいつかの追試時の惨事を振り払うように、真央は明るい声をあげる。
「今度の部活の時間にはセンセの美味しいティータイムのお返し期待してるのだ!」
期待に満ち満ちた笑顔を向ければ、いつだって影の薄い部活顧問はくすり、洗練された仕草で肩をすくめた。
用意したお茶とお茶菓子が尽きたところで、修は部室のデジタルカメラを取り出して微笑む。
「写真を撮っても? 記録と記念、です」
「もちろんオーケーだ」
黒崎教頭の許可を得、新聞部員たちは顧問を中央に並ぶ。
カメラを三脚に取りつけてタイマーを仕掛け、修はデジカメ画面越しに部室に揃った部員たちを見遣る。
「八神さん」
「修ちゃん、早く早く!」
「八神君」
「ああ」
結衣香や真央や、黒崎教頭や、他の部員たちにも手招きされ、修は嬉しい笑みを零した。
「今行く」
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月14日
参加申し込みの期限
2016年11月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月21日 11時00分
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