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【卒業生を送る会】寝子晴れっ、跳躍っ、新たな一歩でにゃーっ!
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●梅と桜を両の手に
実行委員長である
ロベルト・エメリヤノフ
はなかなかモードを切り替えることが出来ずにいた。
ほかの実行委員が困っていないか気を配る必要があったし、あれはどうなってる、これはどうしたらいい、と声を掛けられることも少なくない。結局、本当にほっと肩の荷を下ろすことができたのは、ダンスタイムが始まってからであった。
「ああ、潤いが欲しい……美少年成分が欲しいよ……」
かなり疲労がたまっているのが自分でもわかる。だからこそ、会場の隅で
獅子目 悠月
と
来島 アカリ
がいつものようにイチャイチャと口喧嘩しているのを見かけたとき、ロベルトは「おお神よ」と感嘆した。
悠月もアカリも、ロベルト好みの美少年である。そのふたりが一緒にいるとは、なんて素晴らしい!
彼らが自分を慕ってくれる後輩であることは、それに輪をかけて素晴らしいことだ。
ロベルトは口元に嬉さを滲ませ、ふたりに駆け寄る。
「……獅子目だ! 来島も! お疲れ様!」
背後からぎゅっと抱きしめると、ふたりとも目を丸くして振り向いた。ロベルトだと分かると、ふたりとも期待していた通りのうっとりとするほど綺麗な笑みを浮かべてくれる。
「ロベルトか、頑張っていたな。ふふ、お疲れ様」
「委員長お疲れ様でした、ロベルト先輩。俺も、ちょっとは助けになってればいいんですけど」
「なってたよ、心の支えだったよ」
そういうとロベルトは卒業する先輩たちに思いを馳せた。
「三年生の先輩も卒業かぁ……次は僕らの代の番だね。……卒業の時、二人とも僕の第二ボタンほしい?」
問いかけに、アカリは俯いて答える。
「第二ボタンなんて……そんなのいらない、です」
(だって、先輩がいないなら、そんなのあったって)
するとロベルトは、アカリの真意に気づかずに、
「来島はいらないのか……じゃあ卒業するときは獅子目にあげるよ」
などとつれないことを言う。
アカリは、「っ」と言葉を呑んだ。
(獅子目に渡されるのも、嫌だけどそんなの……言えないし)
もじもじするアカリを横目に、悠月は、
「別に俺も欲しいわけじゃないが」
と答えてから、ふと、冗談めかしてロベルトを斜めに見た。
「第二ボタン……欲しいのはロベルトじゃないのか?」
するとロベルトは至極大真面目に頷くではないか。
「何で分かったんだい!? 来島と獅子目の第二ボタン……欲しいなあ……」
本気で物欲しそうな顔をする赤毛の先輩に、悠月は大人びた口調で言って諭す。
ごく当たり前のことだというように。
「卒業が今生の別れでもないんだ。記念品で思いをはせるより会いたいと思うなら会えばいい話だろう?」
「……そうだね、会おうと思えばいつでも会えるよね」
いつでも会える。それは当たり前のことではないと、ロベルトは薄々気づいている。
ひとつ大人だから? そうかもしれない。
だから第二ボタンの約束が欲しかったんだけどな。そんな雰囲気を醸し出しながら、伏目がちにつまさきで「の」の字を書くロベルトがちょっとかわいそうになった悠月は、彼を喜ばせるアイデアを思い付いた。
「ああ、そうだ。がんばった委員長様に今度なにかご褒美をやろう。何がいい?」
「ご褒美?」
ロベルトは嬉しそうに悠月を見つめ、それから本気で考えこんだ。
「そうだな……今、でいいかな……? ……二人とも僕と踊ってくれないかい?」
おずおずと切り出したロベルトに、悠月は即答する。アカリもだ。
「今か? 別にいいぞ。一緒に踊るのがご褒美になるのなら」
「俺も。あんまりやったことない、ですけど……それでもいいなら」
「ホント!? すごくうれしいよ」
そんなロベルトに、悠月は小首を傾げながら優雅に手を差し出した。
「はじめは俺から。……お手をどうぞ?」
ロベルトはうんっと悠月の手を取った。
◇
「男女どちらのパートでもいいぞ。どっちでもちゃんとリードしてやる」
良家の長男として厳しい教育を受けて育った悠月のそんな言葉に甘えて、ロベルトは男役を選ばせてもらった。悠月は優美なステップで、女性パートでもさりげない動きで次の動きを誘導してくれる。
ロベルトの顔が、まるでキスでもするかのように近づいてきた。けれど、さあキスしようというロマンティックな顔じゃない。むしろ、三日も水を貰っていない花のように萎れた顔だ。悠月はロベルトの額にコツンと額をつき合わせ、歩調を緩める。
「どうした? だいぶ根を詰めていたようだからな。疲れているのか?」
「うん……」
繕う必要はないと思った。そのくらい心を許していた。
ロベルトは一瞬離れて彼の金の瞳を見つめ、その強さに安堵して、己が頬を悠月の頬にぴたりとつける。
耳元で囁く。
「……今日だけは甘えさせて……?」
「しょうがない奴だな」
情愛と、くすぐったさと、半々で笑いつつ、悠月は緩やかな歩くぐらいの速さに切り替える。
ロベルトは悠月の肩にしなだれかかるように頭を預け、瞳を閉じてこの時を味わう。
「獅子目は本当に僕の理想そのものだね……」
「理想って、なんだよ」
ロベルトは黙っていた。気持ちがよくて、寝息のように穏やかな息を吐くことしかできない。
何か言うことより、この時を、このぬくもりを味わうことの方が、今は大事に思える。
(ロベルト……相当疲れてたんだな。今日ぐらいはまあ、存分に甘やかしてやってもいいだろう)
悠月は今のロベルトから答えを貰うことを諦めた。
子どもをあやすかのように、ロベルトの背を優しく撫でる。
年上のロベルトが年下の自分に心を許し、すべてを預けてくれている。
こうして頼られるのも悪くないか、と思いながら。
◇
一曲終わって、パートナーがアカリに替わった。悠月との時間で、ロベルトの元気は多少回復している。
「俺、獅子目みたいに上手くないんで……リードしてくださいね、先輩?」
「もちろん。さっき獅子目に教えてもらったしね」
さっきは甘える側だったが、今度は甘えられる側として、ロベルトはアカリをリードする。
アカリははじめぎこちなかった。ステップだけじゃなく、距離が近いことにも緊張している様子だ。
「ゆっくりでいいよ。僕に合わせて?」
「はい……」
そうするうちアカリも慣れて、楽しむ余裕が出てきた。
それはリードしているロベルトにもわかった。
もう少しだけ、と、アカリの腰を引き寄せる。
顔をそっと近づける。他の人に話が聞こえない距離にまで。
「来島、さ……
この前のバレンタインのカップケーキ
なんだけど……」
アカリはどきっとして瞬きした。言葉が出なくて、ロベルトが何を言うか、待つ。
「食べたよ。美味しかった。ありがとう。……それでさ」
そこでロベルトは一度言葉を切り、アカリを見つめた。
アカリはカップケーキの底に潜ませた言葉を思い出した。
――『先輩ともっと一緒にいたいです』。
気付いただろうか。
ただ純粋に、想ったこと。面と向かっては言えなかったこと。知ってほしくて、でも、気づかれることが怖くもあって……自分でもよくわからない感情が、逆巻くように湧き上がってくる。
ロベルトが耳元で囁く。
「あんな風に隠さなくても、一緒に居るよ?」
「え、先輩 気付いてた、の……?」
「まあ、ね。あれ……僕のことが好きだって解釈していいのかな……?」
「えっと、あれは、そういうの、じゃなくて……お、音楽も終わったんで、戻りましょ ね、先輩!?」
視線を逸らし、離れようとするアカリの手を、ロベルトは咄嗟に捕らえる。
「ああ、来島。逃げちゃダメだよ?」
アカリは顔が上気してくるのがわかった。口唇を噛む。
先輩への返事が、言葉にならない。
なんで、こんなに顔が熱いのだろう。
なんで、こんなに胸が痛いのだろう。
この気持ちは、何なのだろう?
泣きそう。
悠月が「先輩もう一度踊ろう」と助け舟を出してくれなければ、きっと泣いてしまっていたと思う。
ふたたび悠月と踊り出したロベルトがちらり、気懸りそうに振り返る。
アカリは頑張って笑った。
二人が踊っているのを見るのは苦しかったけど、笑った。
そして、自覚した。自分がロベルトに抱く感情に、なんという名がついているかを。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月05日
参加申し込みの期限
2016年11月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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