降る雨｜リアクション

降る雨

●エピローグ

　数時間後、某会社事務所。

「課長、お嬢さんが来てますよ」
　部下に呼ばれた中年男は、パソコンとにらめっこするのをやめて、入り口に立つ娘を見た。
「幸？　こんな遅い時間に一人で出歩いたら、危ないだろう！？」
「あの……雨が降ってたから。お父さん、傘がないと困ると思って。……ここに、置いていくね」
　脇に置いてあった傘立てに、幸は黒いこうもりを立てる。
「邪魔してごめんなさい。お仕事、頑張って」
「待ちなさい」
　父はデスクから離れると、娘が持ってきたこうもりをその手に取った。
「一緒に帰ろう。……すまん、皆も適当な所で切り上げてくれ」
　はーい、お疲れ様でーすと部下達から声がかかる。
「お父さん、大丈夫なの？」
「ああ」
　父は娘の肩に手を置くと、夜の街を歩き始めた。
　いつしか雨はやみ、水溜りは街灯を長く映して。

　ぽつり、ぽつりと。父娘は言葉を交わす。

「ねえ、お父さん？」
「うん？　なんだ、幸」
　幸がゆっくりと、顔を上げる。

「私ね、お友達が出来たの」

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あとがき

担当マスター：メシータ
ファンレターはマスターページから！

　メシータです。判定につきましては、リアクションに込めてあります。
　せっかく雨を降らせて、隙があったら教会の裏手の増水した河に飛び込ませて逃亡させ、犯罪者再び！　とかやろうと思ったのに。
　ちっ。昨今のプレイヤーさんは、一筋縄じゃ、いかねぇや。

　皆さんが真剣に男や幸の事情に向き合ってくださったので、一部を除いて、ほぼシリアスなストーリーとなりました。
　楽しんで頂ければ幸いです。

　一つ、ののこの神魂は寝子島高校の講堂を中心に、世界中に飛び散っています。
　ゆえに『もれいび』が必ずしも寝子島の住民というわけではありません。ご注意ください。

　本シナリオへのご参加、誠にありがとうございました。

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