嫉妬再暴走！　REDCのＶＤはまだ終わっていない！｜リアクション

嫉妬再暴走！　REDCのＶＤはまだ終わっていない！

●誰であろうと爆発だ！

　夕飯の買い出しに向かう途中、ドドド……という音がしたと思えば、覆面集団が２人を一瞬にして取り囲む。
「リア充発見！　爆発だ！」
　リア充＝スレイヤー（日野舞斗）に続き、ＲＥＤＣのメンバーも「爆発だ！」と宣言する。
「リア充って何ですか？　尚輝先生はご存知でしょうか？」
「恋人や友人付き合いに恵まれていて、リアル生活が充実している人のことです」
　どうやら、２人は恋人と勘違いされているようだ。
「教師が生徒と不純異性交遊か。そのような奴は許せん！！」
　嫉妬の炎に燃えるＲＥＤＣは、時子達を爆発しようと一斉に身構える。
「逃げましょう」
　捕まってはたまらない、と五十嵐先生は時子の手を取り逃げ出した。
「尚輝先生、私たちはどうして追いかけられているんでしょうか……」
「良くわかりませんが、危険な気がします。僕達は恋人同士だと思われているようですし……」
　恋人同士。その言葉に、時子は胸がときめいた。
（本当にそうだったらいいのですが……）

　ここで一休みしようと建物の陰に入ったが、ＲＥＤＣのひとりに見つかってしまったので移動。
　その次は木に隠れて身を潜めたが、これでも見つかってしまった。
「逃げられないみたいですね……」
　時子は体力にはあまり自信がないのですぐに捕まってしまいそうだが、五十嵐先生には逃げてもらいたい。
「先生だけでも逃げてください……」
「生徒を放って逃げられません」
　教師として、教え子を守らなければという責任感もあり、五十嵐先生は時子を守る。

　見つからないように逃げ回っていたが、どこまでも追いかけてくるＲＥＤＣの執念には敵わなかった。
「知り合いだろうがなかろうが、教師であってもリア充は爆破だ！　リア充爆発しろ！」
　リア充＝スレイヤーに爆発された五十嵐先生はアフロ頭に、時子は服がボロボロに。
「成・敗っ！」
　腰に手を当て、高らかに笑うリア充＝スレイヤー。
「恥ずかしいです……」
　あまりの恥ずかしさに、時子は顔から火が出そうに。
「あの……何か隠せるものはないでしょうか……？」
「これで隠してください……」
　五十嵐先生はコートを脱ぐと、時子の肩にかけてくれた。
「ありがとうございます……尚輝先生は大丈夫ですか……？」
　時子が心配そうに見つめるので「大丈夫ですよ」と優しく言う五十嵐先生。
「癖毛がアフロになっただけですから……」

　時子と五十嵐先生が爆発された数十分後。
　買い物帰りにカフェに寄り、温かい飲み物を飲みながら話していた綾辻綾花と早川珪先生が出てきた時。
「また会ったな、リア充！　今度は別の男とデートか！」
　二股とは許せん！　とリア充＝スレイヤーが地団駄踏んで悔しがっている。
「えっ、また爆発！？　それに、別の男とって……」
　誤解するようなことを珪先生の前で言わないでください、と泣きそうになる綾花。
「言い訳無用！　リア充爆発しろ！」
　リア充＝スレイヤーの怒りに触れ、爆発された綾花はあまりの怖さに早川先生にしがみついていた。
「今日は厄日なのかな」
「すみません、早川先生……」
　服がボロボロになった恥ずかしさ、巻き込まれで早川先生を酷い目に遭わせたこと。
　いろいろ頭の中でごちゃ混ぜになって綾花は困惑した。
（先生に合わせる顔がありません。今後、どうすれば良いんでしょうか）

　リア充＝スレイヤーの怒りは、まだ収まりそうもなかった。
　目につくカップルを爆発、彼女とスマホで話しているチャラ男を爆発、彼氏と待ち合わせ中のギャルを爆発。
　と、手当たり次第、リア充を爆発させていた。恋人とデート中の樋口弥生先生も爆発された。
「クリスマスにも同じようなことがあったような気がします」

「なかなか良いシチュエーションですよ！　吊り橋理論バッチリですよ！」
　ＲＥＤＣの活躍を広報すべくあちこち回っていたfine crackle（北玄）は、いいものを見たと大満足。

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