嫉妬再暴走！　REDCのＶＤはまだ終わっていない！｜リアクション

嫉妬再暴走！　REDCのＶＤはまだ終わっていない！

●チョコとポニテと爆発と

「リア充撲滅？　何かもっと、他のことにエネルギーを向けられないものかしらね……」
　チョコレート眼鏡を作るため、溶けないチョコを作ろうと計画中の神野美野梨は、買い物の途中で見かけた覆面集団を見てそう思った。
　変な連中は放っておいて、チョコを買いに行く途中、鎌八まもるに出会った。
「やあ、買い物かい？」
「あら、あなたはこの前の。ええ、そうよ」
「今日はいい日だね。絶好のポニテ日和だよ。キミもそう思うだろ？」
　美野梨の髪に惚れ込み毎度ポニテを見せることをご褒美にと色々手伝うまもるだが、毎回ポニテを見られないので彼の中では貸しとなっている。
「そうそうお客さん、ツケがけっこうたまってるんだよねー」
　見えないノートを見る振りをして、本題を切り出す。
「ツケ？　ああ、ポニテ……ぶれない人ね。別にもったいぶってるわけじゃないんだけど」
「そろそろキミのポニテ姿を……」
　ポニテ姿を見せてくれない？　と言いかけた時、まもるは殺気交じりの気配に気づいた。
「キミ、何かに追われたりしてる？」
「そう言われても……心当たりがまったくないわ」
　さっき見かけた集団だったら気持ち悪いわ、と美野梨は身震いした。

「リア充発見！」

　嫉妬のオーラを纏ったリア充＝スレイヤー（日野舞斗）がジリジリと近づいてくる。
「なぜ私達が狙われているの？」
「オレ達がリア充？　オレと彼女はそういうんじゃないよ。清く正しいポニテギブ＆テイクな関係だ」
「何をワケわからないことを。女が持っているものは何だ？」
　美野梨に近づき、リア充＝スレイヤーが詰問する。
「え、彼女が持ってるもの？　いや知らんけど……何か持ってんの？」
「チョコ作りの材料だけど……」
　チョコと聞き、ＲＥＤＣの目が獲物を狙う猛獣のように光った。
「チョコ？!　いやいや、これはそういうのじゃないんだよ、多分」
「これは……溶けないチョコレート眼鏡を作るための実験用に……」
「え、そうなの？」
　チョコレート眼鏡を作ったらあげるつもりだな？　と嫉妬するＲＥＤＣ。
「誤解だよ兄弟、オレは彼女に貸していたポニテを見せてもらいにき……」
「兄弟？　あなた、この人たちの仲間なの？」
　信じられない、という顔でまもるを見る美野梨は、チョコをあげたい人の顔を思い浮かべる。
　彼と一緒なら襲われる理由があるけど、勘違いで襲われるのは納得いかない。
（彼はいつも私を守ってくれて……鎌八くんも守ってくれるけど、やっぱり違うわ……。彼ならこんな時、手を引いて逃げてくれたでしょうね）
　美野梨がそう考えていた時、ＲＥＤＣの爆発が始まった。
「あぶなっ！　彼女の髪が痛むようなことは、たとえチョコもらえない同志といえどオレが許さん！」
「仲間じゃないの？　紛らわしいわね」

　話が通じそうにないので、まもるは美野梨の手を引いて逃げ出した。
「待て！」
「彼女の大事なものと綺麗な髪はオレが守る！　寝子島ゴールキーパー世界チャンピオンに任せな。スパイダースバイダー！」
　かけ声を発してろっこんを発動させたまもるは、手から発射した蜘蛛糸でＲＥＤＣを足止めしたり、落ちたチョコを拾ったり、囮になり美野梨を守ったりと大忙し。
「リア充爆発しろ！」
　リア充＝スレイヤーの怒りの叫びにより、まもるはアフロ頭になり、美野梨の服はボロボロに。

　これ以上爆発されたくないので、２人は猫鳴館に逃げ込んだ。その間にもＲＥＤＣに追いかけられたが、必死に振り切った。
　ＲＥＤＣの面々は裸に近い服装なので山道はきつい、侵入者用の罠があるということで、美野梨は猫鳴館を避難場所に選んだ。
「……迷惑かけちゃってごめんなさいね」
「気にしなくていいよ。無事で何より」
　美野梨はお詫びとして、まもるに義理チョコを渡そうかと思ったりするが、ポニテのほうが喜ばれそうな気がするのでどうしようか迷った。

　
「この２人はなかなかの効果がありそうだったですよ！　恋人同士でないのが残念ですよ！」
　北里雅樹と椎井莉鳥以上のリアクションに、尾行していたfine crackle（北玄）は吊り橋理論の手ごたえを感じていた。