嫉妬暴走！　リア充爆発しろ！｜リアクション

嫉妬暴走！　リア充爆発しろ！

●燃える嫉妬と仮面の非リア

「ボッチの恐ろしさ、リア充どもに見せつけてやれ！」
　血気盛んなREDCはカラーボールや腐った卵、小麦粉やＢＢライフルなど各種悪戯道具を用いて暴れ始める。
　リア充＝スレイヤーが仲間を連れやって来たのは、リア充が多いと睨んだシーサイドタウン。
　到着するなり、リア充を発見したのでREDCの怒りは頂点に達した。
「フハハ！　貴様等リア充にリア充撲滅委員会からプレゼントだ！」
　サンタ袋からカラーボールや腐った卵、小麦粉爆発道具一式を取りREDCの面々は「爆発しろ！」とリア充、特にカップルに向かい投げつける。
　困惑したり、泣き喚くリア充を見て「聖人の天罰だ！」と豪語するリア充＝スレイヤー。
「リア充は爆破だ！　カップルは惨めな格好にして爆破だ！」
　運悪くリア充＝スレイヤーの前にいたカップルは、彼のろっこんの餌食に。

「学友、後輩であろうとリア充は全部爆破だ！　あれは……」
　新たな獲物物色中のリア充＝スレイヤーが見たのは、見覚えがある和風美人な女性と彼氏とおぼしき男性。
　耳をとある象みたいにして会話をよーく聞くと、女性は髪型を変え、お洒落なコートを着て、アクセサリーをつけ、いつもと違うメイクの寝子高音楽教師の樋口弥生であることがわかった。
（寝子高の教師であろうとリア充に変わりない！）
　待てーい！　とふたりの前に立ちはだかり、カラーボールと小麦粉を投げつけ「リア充爆発しろ！」と叫ぶ。
　アフロ頭、服がボロボロになった樋口先生と彼氏の姿を見て「成・敗っ！」とドヤ顔のリア充＝スレイヤー。
　酷い目に遭ったふたりを振り返ることなく、新たなリア充を求めてその場を立ち去った。
「酷い目に遭いましたね。洋服がボロボロになったので、どこかで買った服に着替えませんか？」
　ちょうど良いです、と微笑んで彼氏に言う樋口先生だったが、問題はアフロ頭。
　すぐに元通りになりそうもないので、このままなのだが……。
「今日はアフロな方が男性、女性問わず多いですね。流行なのでしょうか？」
　流行でもなんでもありません。REDCのせいです。

「髪型と服装違うが、あの人……7組の樋口先生か？」
　樋口先生と彼氏が悲惨な目に遭った様子を見た灯斗南だったが、関係ない……と通り過ぎようとした。
　そんな時、彼の周辺でREDCが次々とリア充、特に仲の良いカップルを襲っていた。
　どうやら、もてない鬱憤をリア充を襲撃することで晴らしているようだ。
（あいつらの動機は痛いほどわかるが、それを認めるわけにはいかない）
　めんどい、と誰にも聞こえないように呟き、すっぽり顔を覆うような白い仮面を装着した。
　フツウを脅かす存在は、誰であろうと許せない。
　いつもと違うオーラを背負い、斗南はカップルを爆発しようとするREDCに制裁を加えることに。
「何だお前は！　邪魔するな！」
　ただならぬ雰囲気の白い仮面の男に凄むREDCだったが、手の平から放出された炎を見て顔面蒼白。
「お前達の気持ちは痛いほどわかる。僕もリア充なんて言葉には縁が無いからな……」
「リ、リア充じゃないのに何故邪魔をする！」
「ビビってるのに威勢がいいな……。お前がリア充になれないのは、他にリア充がいるからじゃない。単にリア充になる資質が無いだけだろう」
　図星なのか、うっ……と後ずさるREDC。
　めんどい……と呆れた斗南は、これ以上、何を言っても無駄と判断したので問答無用で制裁。
「お前達の憤り、僕が受け止めてやる。その代り、僕の溜まりに溜まった鬱憤、ぶつけさせてもらうぞ！」
　手加減無しのろっこん『イグニッションハート（点火する心）』で、REDCは真っ黒焦げ状態に。
（なんて事は無い。僕もリア充になれない鬱憤をどこかにぶつけたかっただけだ……）
　それが、今だっただけのこと。

　白い仮面をはずして去った斗南は「リア充には無縁の人生ですが何か？」と背中で泣いているように見えた。

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