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水没と忘却のヒュムノス
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●水底のメメント・モリ
――思い出とは、水底に降り積もる滓のようなものなのかもしれない。もしも何処かに、そんな思い出の行く着く先があったとして。本人さえも忘れ、捨てたと言うことすら気付かぬままに日々を過ごしていたとすれば。
『……思い出して』
静かな眠りにつきながら、彼らはそう願っただろうか。手招く声は荘厳な讃美歌へと変わり、眩い光に溢れた現実からとぷりと、思い出の主を水中世界へと引き摺り込んでいく。
――ゆらゆら。ゆらゆら。
漂うのは何処か懐かしい旋律のみで、其処には水を泳ぐ魚さえ居ない。いのちの欠片無き、失われた思い出のみが存在する其処は――だから無数の墓標と、弔いの聖堂が建てられているのか。
沈み、墜ちていく。誘われ、溺れていく。その中で現と幻が、現在と過去が混じり合い――ひとつになる、或いはどちらでもなくなっていく。
『さあ、目を開けて』
――貴方の忘れてきた過去は、目の前に。彼らはただ、貴方を待っている。溺れながら見るひとときの夢となり、泡のように弾けて消えていく運命だったとしても。
「うわぁい☆ ここチョーきれい!」
水中世界へと招かれた
志波 武道
は、明るい声を響かせながら両手ですっと水を掻き分ける。水の中に居ると言うのに声は不思議と良く通り、眼鏡越しに見える視界も普段と変わりなかった。
「……って、はしゃぐのも恐縮するようなきれいな場所だな……」
と、幾ら陽気にはしゃいでみても、応えるものが居なければ寂しいもの。天上から射す光を受けて、淡い蒼に染まる水中――そして水底から聞こえて来る讃美歌は、荘厳なうつくしさがあったけれど。
(でもナンダロ、ここにいると……苦しい気持ちになるな)
切ない痛みが走る胸を押さえながら、武道はゆっくりと水中世界を漂っていった。そうしている内に水に親しむ彼は、何となくその原因に思い至る。
(余りに靜かで完成しすぎているから、かな……?)
――それはつまり、この先にある未来が視えないから。遥かな昔からずっとこのままであり続けたであろう、風化の欠片無き白亜の聖堂に武道が踏む込むと、途端に視界へノイズが走った。
「――あ、っ……?」
掠れて歪む世界――其処へ加わるのは、砂嵐のような雑音で。波の音や水飛沫を思わせるその音に交じり、やがて遠くから声が聞こえて来た。
『さくじつしょうごすぎ、――がわで』
『なくなったのはしょうがくいちねんせいの――くん』
『きゅうじょにむかったかいしゃいんの――さんも』
これは、と武道の瞳が切なげに揺れる。これは昔、自分が溺れて誰かに助けられて、そう日も経っていない時のある日のテレビだ。
それなのに――肝心の名前が、雑音に呑まれて聞き取れない。ただ目の前のテレビに映し出されているのは、悲しみに包まれた表情でインタビューを受ける女性の姿。そして、淡々と原稿を読み上げるニュースキャスターの姿だった。
直後に映し出された濁流の川を見て、ひどく怖かったことを武道は思い出す。――ああ、溺れた事も最近まで忘れていた。当然このニュースなんて、この瞬間まで忘れていた。けれど。
(俺は助かった。知らないダレカは助からなかった)
――その時初めて。幼い心ながら、日常という名の普通の中にも、死はそばに在ると知った。忘れてはならない決まり事だと理解した上で、それを打破できるのは――と武道は考える。
(俺は人が死ぬのが怖い、人が傷つくのが怖い。……だから、ならば)
深呼吸をひとつしてから、彼は切れ長の瞳で天を仰いだ。ゆらゆらと明滅するような光を受けて、頭上のステンドグラスが極彩色の輝きを放っている。幾何学模様が描くのは、今までの自分が歩んで来た道程か――それとも、刻々と色合いを変える心の在り様なのか。
「今度は、俺が誰かを助けられるように。俺を助けてくれた人のように。決まり事をぶち破れるように」
そうして想いを言葉にすれば、テレビのノイズも耳鳴りも消えた。まるで硝子が砕けるように、過去の幻影は無数の破片と化して水に溶け――静寂を取り戻した広間に佇む武道は、踵を返して聖堂を後にする。
「……うん、戻らなくちゃ。ここには、助ける人はいないから」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
柚烏
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月20日
参加申し込みの期限
2016年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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