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【4周年記念】異世界ばっひゅーん
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広々としたホールに
市橋 誉
の美しいピアノの旋律が流れる。清らかでいて深いところにまで音色が沁み込む。観客席の人々は輝く舞台を陶酔の目で見詰めていた。
やがて終わりを迎える。別れを惜しむように指が鍵盤から離れた。顔を上げて姿勢を正すと万雷の拍手が送られた。
スツールから立ち上がって一礼した誉は舞台袖に向かう。
先に演奏を終えた
市橋 奏楽
が柔和な顔で声を掛ける。
「誉、良い演奏だったよ」
「そうか。奏楽の演奏も悪くなかった」
「ありがとう。誉に言われると、なんか自信が湧いてくるよ」
照れ臭そうに笑う奏楽に、本当のことだ、と誉は言った。蝶ネクタイを少し緩めて軽く息を吐いた。
「もっと広いところで演奏がしてみたいな」
「いいね。大きなホールで、可能なら誉と連弾、っていうのは俺の腕だと無理かな」
「やってみないとわからないだろ」
少し怒ったような口調に、そうだな、と奏楽は神妙な顔で返した。
「俺は、その、兄貴と。同じ音楽の道を進みたいと、今でも本気で思っているんだからな」
恥じらうように目を合わさない誉に奏楽は黙って微笑んだ。
その遣り取りの合間に二人は飛ばされた。空の只中にいた。
「これは夢なのか?」
奏楽は緩やかな重力に身を任せた。表情に恐怖は見られない。驚きよりも雄大さに心を奪われているようだった。
誉は四方を見回す。
「この広さ。いいじゃないか」
「どういう意味で……もしかしてさっきの話か」
「そうだよ。この広い空が俺達のコンサート会場だ」
活き活きと語る誉に奏楽は腕組みをした。落ちながら二人は笑顔を交わす。
誉が左手を上げる。組んでいた腕を解いた奏楽が勢いよく掌を合わせた。ハイタッチで二人の士気が上がる。
「誉、この素敵な空間で響かせよう。俺達の音を、連弾に全ての想いを込めて!」
「そのつもりだ。俺のろっこんを使って素晴らしい演奏会にしよう!」
「このハンカチは使えるかな」
奏楽はスーツの胸ポケットから黄色いハンカチを抜き取った。はためく様子に誉は思案顔となった。近場に何かないかと手を伸ばす。指先が雲の一部に引っ掛かった。
「この雲みたいな物に触れることができるぞ!」
「それだけではないよ」
奏楽は別の雲を千切った。空中で粘土をこねるように成形していく。平たい長方形の物体を目にした誉が声を上げる。
「キーボードか」
「そうだよ。ここに鍵盤を描けば演奏に問題はないと思う」
「試す価値は十分にあるな」
奏楽は長方形の物体を受け取ると持っていたペンで素早く鍵盤を描く。ろっこん、『奏でるもの』が発動した。
試しに弾いてみる。清らかな音が溢れ出す。
「これなら満足のいく演奏が出来そうだ」
誉は同じ要領で残りの雲に鍵盤を描いて奏楽に渡した。
「奏楽、指は冷えてないか」
「どうかな。演奏から少し経ったけど」
指を慣らすように動かす。誉は黙って見ていた。
「いけると思う。兄貴の俺がしっかりしないといけないのに。余計な心配を掛けた」
「俺はこの機会を活かしたいだけだ」
「俺も同じ気持ちだよ」
二人は視線を交わす。言葉は不要になった。軽く頭でタイミングを計り、空の演奏会は厳かに始まった。
透き通る音が風に運ばれる。絶妙なタイミングで二つの個性が重なった。明るい旋律は方々に広がりを見せた。
両者の目は雄弁に語る。心地良い無言の会話が心を満たす。気持ちは顔に表れていた。天上界にも響くような音が二人を高みに押し上げる。
高度な指の動きが連続した。奏楽の表情が歪む。音が息切れを起こして沈みそうになる。透かさず誉の音が助け上げた。
二つの音はしっかりと結ばれ、更なる高みを目指して浮上した。果ての無い世界を上がっていく。
奏楽は屈託のない笑みを見せた。目尻には一粒の涙が光る。
「音楽をやめなくて良かった」
「やめさせるかよ」
誉は唇を噛み締めた。目が少し潤んでいた。
「その通りだ。俺は音楽の世界に戻って来られた。誉のおかげだ、本当にありがとう」
「……俺の夢の為だ」
素っ気ない物言いに奏楽は一粒の涙を零した。誉の目にも涙が溜まっている。顔が小刻みに震えて今にも零れ落ちそうに見えた。
それだけで十分だった。
二人は心ゆくまで音を奏でる。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
136人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月07日
参加申し込みの期限
2016年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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