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【4周年記念】異世界ばっひゅーん
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カーテンが閉められた薄暗い部屋で
回田 はつな
は布団に包まっていた。すやすやと寝息を立てている。
横向きの身体が仰向けに変わる。少し苦しそうな表情を浮かべた。
「お、お酢が……大群で、攻めて、くるよぉ……」
はっきりした寝言を呟く。顔を激しく左右に振った。鼻息が荒くなり、唐突に動きが止まる。
はつなは穏やかな顔で笑った。
「……ザッハトルテが、お酢を、退治して、くれました~」
掛布団を抱き締めて、ふひ~、と声を出して転がる。その過程で目が覚めた。上体を起こして辺りを眺める。
「……ここは私の部屋だね~」
どこかほっとした表情は時計を見て一変した。急に動作が慌ただしくなる。
「本屋さんが開いちゃうよ~」
急ぐ理由を机上のカレンダーが物語る。今日に丸が付けられ、備考として『マンガの発売日』と書き添えてあった。
――人気のシリーズだから、売り切れるのも早いんだよねぇ~。予約も受け付けてないし、毎回が争奪戦だよぉ~。
心の中でぼやきながら出掛ける用意を済ませた。白くて軽やかなブラウスに黄色いクォーターパンツを穿いた。
「この身軽さでゲットするよ~」
髪を手で梳かしながら笑って部屋を出た。
傍目には軽いランニングのように見える。しかし、はつなの呼吸は乱れ、笑顔もどこかぎこちない。
――体育関係は苦手なんだよね~。
「楽になりたい~」
口に出した瞬間、空に投げ込まれた。
「ふひ~、展開が神すぎる~」
身体を丸めてゆっくりと回りながら落ちていく。笑みを抑えることが出来ず、笑い声が漏れた。
シーサイドタウンの通りを
桃川 圭花
が弾むように歩いている。真新しい黄色いワンピースの裾が軽やかに撥ねた。
――この日を待ち侘びたわ。人気洋菓子店の新作だから並ぶのは覚悟してるけど、出来れば前の方がいいよね。
時計屋の前で時間を確かめる。
――開店まで三十分はあるわ。これなら待たないで入れるでしょ。
眼鏡の奥の目を細めて機嫌よく歩いていく。
「え、ウソでしょ!?」
片方の頬が引き攣る。洋菓子店の前には行列が出来ていた。想像していたよりも長く、その最後尾に圭花は付けた。
――この人数はマズイわね。店内の広さから考えると、ギリギリじゃない?
待っている間に焦りが募る。何度も前の方に目を向けた。
やきもきしながら開店時間を迎えた。店員の指示に従って客が店内へと足を運ぶ。圭花の前の三人が揃って中に入る。
「どうぞ」
圭花にも声が掛けられた。歓喜の表情を抑えて一歩を踏み出す。
瞬間、全身に風を受けた。おさげが怯えたように震える。
「ちょっ、これ」
喉に声が詰まった。見開かれた目が全てを伝える。
雄大な空に単身で浮いていた。重力に従って、ゆっくりと降下が始まる。
「うひゃ……――――!?」
驚愕が喉をこじ開け、圭花は奇声を発した。
自室で
日暮 ねむる
が眠っている。カーテンに陽が当たって夜明けを告げていた。それでも起きる気配はない。仰向けの姿勢を維持していた。
瞼を閉じたまま、横向きとなった。口が少し動いている。幸せそうな笑みが浮かぶ。
外の音が部屋にまで届くようになった。けたたましい笑い声は子供だろうか。同じところを走り回っているようだった。
ねむるは枕に頬を埋めた。俯せの姿で眠る。休日を寝て過ごすと思いきや、ゆっくりと上体を起こした。瞼を閉じたまま、黄色い上着を脱いだ。袖の部分を手にして腰に結ぶ。
横になろうとして止まる。身体が斜めに傾いだ状態で瞼を開けた。
「あれ? なんで空」
ねむるは小ぢんまりとした雲の上に両足を伸ばした状態で座っていた。雲の一部に手を置いた。弾力を確かめる。
「ふわふわ感がすごいね。もう少し広かったらなぁ」
頭の上の方が騒々しい。甲高い叫び声は怪鳥の類いを想像させる。競うような笑い声は腹の底から状況を楽しんでいるようだった。
ねむるは生欠伸をしながら頭上を眺める。
――桃川さんが叫ぶなんて珍しいね。あれは回田さんだな。楽しそうに笑っているし、危険はないのかな。
「試せばいいか」
二人が落ちてくるタイミングを見計らって、ねむるは雲から跳んだ。
三者三様の姿で空の世界を体感した。
「ちょっと、なんでこんなにバランスが、おっ、悪いのよ」
圭花は不安定な状態を改善しようと両手を広げる。揺れる頭のせいで眼鏡がずり落ちた。
ねむるは眠そうな目を擦る。
「ここはどこなんだろうね。どこを見ても空だし、雲には乗れるし」
「日暮くん、それ本当の話~?」
「雲には乗れるよ」
「千切ったり、投げたりも出来るのかな~」
はつなは膝を抱えた姿で緩やかに回転している。白い歯を見せてにこやかに笑っていた。
「それは試してないけど、とても柔らかいから試してみたらいいと思うよ。ほら、下の方にもたくさん雲はあるし」
「試してみるね~」
丸めていた身体を一気に伸ばし、はつなは下方にある雲に頭から突っ込んでいく。衝突の直前に四肢を広げた。急激に速度は落ちて俯せの姿でふわりと舞い降りる。
「うひ~、ぷよんぷよんのふわふわだね~」
感触を全身で楽しむ。手で触れていた雲の一部を千切って丸めた。適当な方向に、それー、という掛け声で投げた。
遅れてきた二人に笑顔で合流した。
「本当に乗れたよ~。あんなに柔らかいなんて、思わなかったね~」
「極上の柔らかさだよね」
のどかな会話を続ける二人に圭花の表情が厳しくなる。未だに身体は不安定に揺れていた。
「なんでそんなに余裕があるのよ。こっちは安定しなくて困っているっていうのに」
「桃川さん、僕でよければ手伝うよ」
ねむるが視線を上げて微笑んだ。私も~、とはつなが笑って同意を示す。
「じゃあ、ちょっと下に引っ張ってくれる?」
「下に引っ張るよりも、手を繋いで感覚を身体に覚えさせた方がいいんじゃないかな」
ねむるは少し浮上した。圭花と並んで手を握る。
「じゃあ、反対側は私だね~」
同じような位置に付けた。
三人は手を繋いで落ちてゆく。挟まれた形の圭花は二人の微妙な手の動きで垂直を維持できた。揺れも収まって安定している。
「だんだんわかってきたよ。身体に感覚が馴染むみたいに」
「もう、手を離しても大丈夫だね」
ねむるの言葉に圭花は頭を振った。
「試したいことがあるから、もう少し付き合って」
「なにかな~。期待大だね~」
圭花はにやりと笑って、はつなに言った。
「飛ばすわよ」
言葉の通り、三人は大気を切り裂いて飛んだ。圭花の脚力が凄まじい速さを実現した。矢じりのような形となって旋回する。
「うっひ~、このスピードは癖になるよね~」
「パイロットになった気分だよ」
「こんなもんじゃないわ。限界を突破するわよ!」
三人は急上昇した。ふわりと宙に浮いて下降に移る。錐もみ状態で落ちていった。
雲の上に三人は並んで寝転がった。
右端にいた圭花が空を見上げて言った。
「雲の上で寝るなんて、思いもしなかったわ。回田さんの提案のおかげね」
「うひ~、なんか照れますね~」
真ん中にいたはつなが照れを含んだ笑みを浮かべる。
「日暮くんが寝易いように作ってくれたからね~」
「さすが寝具屋の息子ってところかしらね……日暮君、聞いてる?」
圭花に代わってはつなが左端に目を向ける。すると丸い背中が見えた。耳を近づけると寝息が聞こえてきた。
「疲れたのかもしれないね~」
「そうみたいね」
肘を突いて上体を起こした圭花が笑って言った。
三人は川の字となって心地良い風に吹かれた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
136人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月07日
参加申し込みの期限
2016年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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