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【4周年記念】異世界ばっひゅーん
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浅葱眼鏡店
の工房と書斎を兼ねた一室で
浅葱 あやめ
が整理をしていた。白い長袖シャツに茶色いベストを着て、灰色の髪と似たような色合いのズボンを穿いていた。
細々とした工具類を一纏めにする。頻繁に使う道具は手の届く範囲に移動させた。すると下から黄色い表紙が見えてきた。
「……これは…僕が書いた、脚本ですね……」
薄っすらと埃が見て取れた。表紙を軽く手で叩く。中身が少しばらけたので、とんとんと机に打ち付けて直した。
あやめは脚本のタイトルに目を落とす。微かな笑みを口元に作って書かれた文章を読み始めた。
――劇団で、使って貰えるかは…わからない……。
心で吐露して読み進める。暗い表情に弱々しい光が差す。徐々に輝きを強くしていった。
――けれど、それでも、僕の作品で、大事にしたいものだから……。目に付くところが、いいですね。
目で読み進めながら店内に戻る。靴を履いて数歩で小型のドライバーを踏んだ。瞬時に滑って店内が縦に回る。
後頭部に風を感じ、それは全身に及んだ。仰向けの姿勢で目に映ったのは雄大な空。そして白い雲、舞い上がる脚本の頁であった。
「僕の脚本が」
咄嗟に伸ばした手で一枚を掴み取る。他は空へと飛び散り、何枚かは吸い込まれるように落ちていく。
――一頁も、失いたくない。
強い思いに駆られた。全身を使って飛び散った頁を集める。
雲に引っ掛かった一枚を目にした。あやめは白い足場として大いに活用した。
「あと少し、ですね……」
少し苦しい息遣いで残りの頁の回収に精を出す。脚本は本来の厚みを取り戻してきた。あやめは集めた全てに目を通す。
「……足りません…あと一頁が……」
少し声の調子が弱くなる。
――あのシーンには、迷いがありました……。何度か削って、また戻して……。
「……見つからない方が、いいのかも、知れませんね…」
若干、声の調子が上向いた。反面、表情は暗く、沈んだ目は一切の感情を手放した。
あやめは雲の縁に立った。自嘲のような笑みを上空に向けた。
――あのシーンは、普通では、ありません。とても人間臭い……そう、自分の、本来の姿であって……今の僕には……。
結論が出ないまま、あやめは立ち尽くした。
澪乃 澄佳
はこっそりと部屋の中を覗き込む。
「誰もいないよねえ」
その声のあと、耳を澄ます。不安そうな表情が急に明るくなった。
「みんないないみたいで安心だよう」
顔だけを出していた澄佳が全身を現した。深い海の色をしたパーティードレスに身を包んでいた。首に下げた金色の懐中時計が胸元でアクセントとして光っている。
――この姿を家族に見られるのは、どうも恥ずかしいんだよう。
でも、大好きな人には嬉しい気持ちがいっぱいになって、意外と平気なんだねえ。
そっと指を前に差し出す。見えない誰かにエスコートされているようにゆったりと踊る。
「せっかくだから、靴も履いてみようかなあ」
小走りで居間を離れ、箱に入れた状態で戻ってきた。床に座って靴を履き始める。
「ちゃんと履けたよう」
床が抜けた。青いドレス姿で澄佳は空を舞う。
「ふへ!? ええええ、なして~?」
手足をばたつかせた。混乱の度合いを深める直前で引き戻された。宙に浮かぶ金色の懐中時計を手にして時刻を確認する。
澄佳は青いスカートをふんわりと膨らませて宙に浮いた。ろっこん、『空飛ぶ散歩のお時間です』が発動して浮力を得た。
「びっくりしたよう」
ほっとした様子で周囲を窺う。他にも人がいた。落ちている者もいれば、飛んでいる者もいた。のんびりした状態は危険と縁遠い。
「だいじょうぶなのかなあ」
空の下の方を見て少し身を震わせた。なるべく上を意識した。
間もなくして、ろっこんの効果が切れた。身体はゆっくりと落ちていく。
「これくらいなら平気だよう」
空を飛び慣れているのか。上手く身体を使って空を飛んだ。誰かを探すような目で空の散歩を続ける。
――どこかに知った人はいないかなあ。
その希望は程なくして叶った。意外な一面を目にして目を丸くする。
「やるもんだねえ」
空に飛び散った紙を
浅葱 あやめ
が懸命に集めていた。飛び上がるように掴み、雲を踏み台にして大きな跳躍を見せる。空を自由自在に飛ぶ姿に澄佳は、ほー、と感心したような声で眺めていた。
「急にどうしたのかなあ」
あやめは雲の突端に立った。憂いを見せる横顔を見せる。
「少し風が出てきたねえ」
乱れる髪を手で押さえる。青い空に一枚の紙を見つけた。目にした澄佳が叫んだ。
「あやめさん、もう一枚、空にあるよう!」
「え、どこ、ですか…あれは」
あやめも気が付いた。持っていた脚本を左手で腹部に押し付け、最後の一枚に右手を伸ばす。
不安定な動きに釣られて身体のバランスが崩れる。それでも決して諦めない。自身の一部を取り戻すかのような形相で臨んだ。
中指が紙の端に触れた。傾いて近くなったところを指と指の間で挟んだ。
拍手が送られ、澄佳が笑顔で飛んできた。
「あやめさん、よかったねえ」
「澪乃さんの、おかげです。ありがとうございました……」
「大事なものなんだねえ」
澄佳の灰色の瞳が黄色い表紙に向けられた。
「…はい、そうです。僕が書いた…舞台の、脚本です」
「無くさなくて本当によかったよう」
親身になって喜び、青い空に青いドレスで優雅に舞った。
活き活きとした澄佳の姿にあやめは微笑んだ。
「僕も、本当の自分を、取り戻せました」
自身に言い聞かせるような声で言った。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
136人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月07日
参加申し込みの期限
2016年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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