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【4周年記念】異世界ばっひゅーん
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エスカルゴ・臼居
は自身の机の引き出しを全て開けた。隈なく目をやる。赤い左目が獲物を探すように鋭さを増した。
「……ここじゃない」
開けっ放しにして目を床に向ける。しゃがみ込み、低い視線となった。目に付いた家具の隙間に四つん這いで近づき、薄暗い先の方まで見据える。
「ここもか」
片っ端から見て回り、末に項垂れた。深い悲しみが見て取れる。
「……梅こんぶがない」
その呟きに本人が奮起した。シャツの上に黒っぽいパーカーを羽織る。腰回りの緩いトレーナーのパンツを脱ぎ捨ててカーゴパンツを穿いた。引き出しの中の財布を引っ掴み、机上に置かれた携帯型のゲーム機、NSP(ニャミステーション・ポータブル)をズボンのポケットに押し込む。
大股で玄関に向かい、靴を履いたところで脱力した。全ての気力が抜け出るような息を吐いた。眠そうな目をドアに向ける。寝癖の付いた髪を乱暴に掻いた。
「籠っていたい」
素直な気持ちが口から零れた。手はズボンのポケットに差し込まれ、NSPを取り出した。
玄関に座ると電源を入れてゲームに興じた。
自身を支えていた物がなくなった。身体が斜めに傾ぐ。画面を見ていた目がちらりと周囲へと向かう。
――また神魂かー。まぁ、のんびりゲームが出来るならいいけど。
目は画面に戻った。ボタンの操作で微妙に身体が動く。その僅かな変化を空は読み取って身体を様々な方向に振った。
――このくらいの風なら問題ないな。
両手に持っていたNSPを顔に近づけた。少しボリュームを上げる。
「風の音が邪魔だな」
不満を口にしつつ、どこか涼しい顔で気ままに落ちていった。
全ての食器を洗い終えた。
鴻上 彰尋
は濡れた手をタオルで拭いて一息ついた。弟妹は外に遊びに出掛けていて家の中はひっそりと静まり返っていた。
やけに時計の音が大きく聞こえる。自然と目が向かう。
――出掛けられる時間だな。
自身の服を見る。水の撥ねたあとが黒い染みになっていた。
彰尋は部屋に戻って服を着替えた。
「少し派手かな」
明るい色調のチェック柄のシャツに色褪せた青いジーンズを合わせた。一頻り悩んで、これでいいか、と口にした。
玄関では靴に迷う。履き慣れた物を手に取り、そっと元に戻した。シャツの胸元から覗いている色に近い赤味がかった靴を選んだ。
――誰とも会う約束はないのに、こんな格好でいいのだろうか?
「気にし過ぎだ」
自身の言葉で思考を打ち切った。爽やかな笑みでドアを開けた。
外に出た直後に足が止まる。
――どこに行こうか。
顔を左右に動かして一方に定めた。旧市街に続く道を適当に歩く。途中で見掛けた本屋に目が留まる。
――本屋か。新刊は多くあるが、脚本とはあまり関係がないな。
目を逸らした瞬間、行き先が頭の中に閃いた。迷いのない、しっかりとした足取りで入り組んだ道に踏み込んだ。薄暗い道の先に古書店の看板が見えてきた。
――時間がなくてじっくり調べたことはないが、あそこなら脚本はあるだろう。
期待を秘めた表情で古書店のドアを潜った。
彰尋の足元から風が吹き付ける。下を見ると空があった。
「どうして!?」
反り返るようにして見た上にも同じ光景が広がっていた。驚きは倍増しているところを何かが背中を直撃した。
勢いは伝播して彰尋は前に押し出された。背中越しに声が聞こえる。
「あっれー、鴻上氏じゃん」
「そ、その声はエスカルゴさん?」
飛ばされながらも上体を捩じる。逆さまに落ちていた相手が軽く手を上げた。特徴的な赤い左目は予想した通り、エスカルゴであった。
「まー、頑張って?」
「風で聞こえなくて。もう一度。エスカルゴさん!」
慣れない空の上。会話もままならず、彰尋は風と共に吹き飛ばされた。
シーサイドタウンの通りを
八神 修
が歩いていた。店舗にディスプレイされた最新のファッションに興味深い目を向ける。
――オーダーメイドで、一着、新調してもいいな。
交差点に差し掛かる。目に付いたカーブミラーで自身の全身を映す。
光沢のあるグレーのスーツに水色のストライプシャツを合わせていた。ネクタイは無地に見えて、実は同色の刺繍が入っている。角度によって草花が浮き上がって見える手の込んだ物であった。
修は通りを歩きながら店舗を見て回る。首に巻いていた黄色いマフラーを少し緩めた。目が飲食店に反応するようになった。
――ここまで結構な距離を歩いたな。
解放感のある窓の向こうに女性客の姿が見えた。木製のテーブルを洋風の菓子が彩る。親しい間柄なのか。若い男女が向かい合い、極端に顔を寄せていた。今にも唇が触れそうになっていて修は視線を逸らした。
――俺もいつかは、あのような関係に……。
頭を軽く振った。息を吐きながら顔に風を送る。
「今日の陽気のせいもあるかな」
眩しい空を見上げて目を細める。
ふわりとマフラーの両端が浮き上がる。目が動いて分析を始めた。
――空のようだが、重力がおかしい。夢にしては唐突だ。何の予兆もなかった。
この空にも違和感がある。俺が見上げた空に、あのような細長い雲はなかった。
「……特殊な空間に取り込まれた。または強制的に瞬間移動させられたのか」
「だ、誰か、止めて」
瞬時に上方に目を向ける。
七夜 あおい
が回りながら落ちてきた。頭の揺れが激しく、目の焦点が合っていない様子だった。
「あおい、すぐに助ける!」
修は瞬時に空を泳いだ。あおいの振られる手を掴み、回転を止めることに努めた。力は次第に弱まった。
「あ、ありがとう、修君。もう目が回って、大変で」
まだ影響が残っているらしく、頭が揺れている。
「とにかく、あおいが無事でよかった。でも、どうしてあんなことに?」
「柔らかい物に当たって、回転が止まらなくなったの」
「ここに、そんな物が」
目は直感で近くの雲を捉えた。手を握った状態で修は提案した。
「あおい、あの雲のところまで行ってみたいんだけど、いいかな」
「私はいいけど、どうかしたの?」
「少し気になることがあってね」
修は空を泳いで雲に向かう。隣のあおいにちらりと目をやって、可愛い服だね、と口にして微笑んだ。
「その、いつもはこんなに子供っぽくないよ」
「そんなに幼いかな。俺には、そろそろ雲だね」
さり気なく話を切り替えた。
――その姿もとても愛おしく思えるよ、という台詞は直球が過ぎる。
わからないように深呼吸をして修は雲に手を掛けた。
「理屈はわからないが、乗れるようだ」
先に上がってあおいを引っ張り上げる。
「修君、ふかふかだよ。こんな風に丸めたりも出来るし」
「二人で何か作ってみようか。共同作業、なんて仰々しい感じではなくて、あれだ、好きな動物とか」
「私は猫にするわ」
砂場で遊ぶ子供のようにあおいは無邪気に猫を作り始めた。側では修が大きな馬を作る。創作に打ち込めないのか、目は自然に彼女に向けられた。
――共同作業ってなんだよ。常套句じゃないか、ウェディングケーキへの入刀の、もういい。
「……今日の俺はおかしい」
「どうかしたの、って彰尋くん!?」
話の途中であおいが雲から離れた。どこからともなく彰尋が飛んできた。
「俺も行く!」
二度目とあって修は難なく彰尋を胸で受け止めた。
「鴻上、大丈夫か」
「助かったよ、ありがとう。あおいさんも?」
「散歩の途中で、いつの間にか空にいて。そうよ、三人で散歩の続きが出来るわ」
あおいは笑顔で修と彰尋の間に割って入る。
三者三様の姿で空の上に浮かんだ。
「ありがとう、鴻上」
修に掛けられた言葉に彰尋が考えるような顔をした。
「それは俺の台詞だよ。急にどうしたんだ?」
「どうも、今日の俺はおかしいらしい」
修は困ったような表情で笑った。
――喫茶店にいた二人の姿が今でも……。
思考を寸断して修は彰尋に提案した。
「あおいと一緒に雲で動物を作っていたんだ。鴻上も加わらないか」
「面白そうな話だね。俺も参加させて貰うよ」
「三人で共同作業ね」
「ん、まあ、そうなるかな」
一部の言葉に反応した修は照れ臭そうに返した。
一帯に動物の形をした雲が飛び交う。
三人の無邪気な笑い声が空に広がっていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
136人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月07日
参加申し込みの期限
2016年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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