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【4周年記念】異世界ばっひゅーん
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制服姿の
立花 なつ
が廊下をせかせかと歩く。
――なんで忘れるかなぁ。
足を止めずに上着を脱いだ。手首に嵌めていた黄色いリストバンドで額の汗を拭う。一度、視線を上げて、キュッ、と向きを変えて教室に入っていった。
一つの机で立ち止まる。軽く息を吐いて中に手を突っ込んだ。
「良かったぁ」
長方形の固形墨をしっかりと握ってズボンのポケットに収めた。膨らんだ部分をぽんぽんと叩く。
――これで用事は済んだし、どこに行こうかなぁ。
あれこれと考えるような表情で教室から出た。
「あれ?」
天地の境目がなくなった。なつは空にいることを自覚した。急な事態に感覚が麻痺していた。
――落ちてる? それとも浮いてる?
唸り声が聞こえてきそうな表情は一陣の風に吹き飛ばされた。さっぱりした顔は大いなる安らぎに包まれた。後頭部に回した手を繋いで足を組む。空に寝そべるような姿で微笑んだ。
「……空の上って、こんなに気持ちいいものなんだねぇ」
無心になって、ただ空を漂う。徐々に瞼が下がってきた。ギリギリのところで踏み止まる。
「気持ちいいけど、眠くもなるんだなぁ」
手を解いて伸びをした。両目を擦って興味を周囲に広げていった。
卯木 衛
は自分の叫び声と共に目を覚ました。
「なんで誰も起こさないんだよ!」
寝癖の付いた左の前髪に赤いヘアピンを二つ付ける。赤いトレーナーを着ながらズボンを穿いて、椅子の背凭れに引っ掛けていた制服を羽織る。急いで袖を捲り、自室を飛び出していった。
玄関に直行して靴に足を捻じ込みながら大声を出した。
「食べてる時間ねえから!」
急いで外に飛び出す。寝子島高校に向かう道をひたすら急ぐ。
――なんか、おかしくないか?
制服を着た生徒を見かけない。背広を着た者も疎らであった。公園では小学生らしい子供が数人でサッカーボールを蹴っている。
走っている最中に衛は、あー、と声を上げた。
――今日は休日で学校は休みじゃねえか!
その時、丸っこい小石を踏んだ。呆気なく滑って身体が縦に回る。
――あ、空が見える。
それなりの衝撃を覚悟して表情が硬くなった。
背中に衝撃を受けない。
「どうしたんだ?」
気の抜けたような声が漏れる。まだ空が見えていた。ゆっくりと身体が回って足元に目をやった。
「下も空だよ! でも、なんかゆっくりだな」
空の上で胡坐を掻いてみた。少し回って俯せとなり、両手と両足を広げる。表情に危機感はなく、むしろ喜びがふつふつと湧いてきているようだった。
「やっほーい!」
――地面がないってことは、着地を気にする必要がないってことだよな! こんなに遅いんだから怪我の心配もいらねえし! なんといっても空にぷかぷかしてんだから、身長なんかも関係ないぜ!
「すっげー、楽しい!」
笑顔を爆発させて空を満喫した。
制服を着た
千歳飴 楓子
が道を歩いていた。黒くて長い髪が風で翻る度に人々の目が、それとなく集まる。内側に当たる部分が水色に染められていた。本人は周囲の反応に動じることなく、気だるげに髪を掻き上げて耳に引っ掛けた。またしても人の目を引く。耳全体に細々としたピアスを嵌めていた。
寝子島高校の校舎が見えてきた。西門に向かうと閉まっていた。
「正門が遠い」
口にして適当なところに座った。猫耳ケースに入ったスマートフォンを胸ポケットから取り出す。
「討伐の時間か」
首に引っ掛けていたヘッドフォンを装着した。スマートフォンを操作して剣と魔法が支配する世界へと旅立った。
広大な土地を探索して現れる敵を次々に屠る。課金アイテムを駆使して薙ぎ倒す。物理の耐性のある敵は魔方陣から召喚した地獄の炎で焼き払った。
「剣と魔法のコンボが効果的だ」
複雑な指の動きを難なくこなし、無表情で殺戮の限りを尽くした。
自身を取り巻く世界が一変しても動じることはない。座った姿勢のまま、一定の速度で降下していく。異変には気付いているようで、やおらヘッドフォンを外した。青い目を横に動かした。
「なるほど」
一言で画面の世界に戻っていった。
なつの頭が不規則に上下する。瞼は閉じる寸前であった。
それが一瞬で覚醒した。緑色の目を輝かせて上空を見詰める。
楓子が落ちてきた。座った姿勢を崩さず、スマートフォンを操作していた。
なつは大きく手を振る。
「おーい、かーちゃん!」
まるで反応はなかった。よく見るとヘッドフォンは外れていて首に引っ掛けていた。
――またゲームに夢中になってるのかなぁ。
クスッと笑うと、なつは両手を大きく掻いて先回りを試みた。すると今度は衛が見えてきた。
――あれ、もしかしてこのままだと。
予感は的中した。衛の頭部を楓子の臀部が急襲した。ふぎゃ、と奇妙な声が上がる。
「だ、誰だ、ちょ、俺の頭からどけ。重いって!」
「誰か下にいるのか?」
「下にいるも何も、人の頭にぶつかってきてんじゃねえよ! この丸いのは一体なん、って楓くん!?」
横目が楓子の姿を捉えた。自分が押し返そうとした丸い物体の正体にも気付く。ゆっくりと手を離そうとした瞬間、声が降ってきた。
「その声は衛氏か。しばらく動かないで欲しい。とても切実な問題を抱えている」
「え、いや。でも、この状態は、ちょっとマズイと思うんだけど……」
横目で相手の様子を窺いながら、細心の注意で手を動かそうとした。
「やめてくれ。コンボが途切れる。○○万も課金したキャラがロストする!」
「ご、ご、ごめん」
口にした金額の大きさに仰天した。身体が震えそうになる。歯を食い縛って耐えた。その近くでは、なつが口元を手で押さえていた。白い頬が赤くなり、指の合間から笑い声が漏れていた。
「笑ってないで助けろよ、なつくんは!」
「大きな声を出さないでくれ! 揺れて操作を誤る!」
「……ごめんなさい」
衛は泣きそうな顔で楓子の下敷きに甘んじた。丸みに当てていた手の甲が心なしか汗ばんで見える。
なつは楓子の後ろに付けてスマートフォンを覗き込んだ。戦況を見て、なるほどー、と呟くと衛に伝えた。
「もう少しで戦闘は終わるみたいだから、がんばってねぇ」
その数分後、衛は解放された。両拳を握り、仰向けに近い体勢で歓喜の声を上げた。
「やっと、自由の身になれたぜ! 空、サイコー!」
「みんなが揃って空を飛べるなんて、本当に素敵なことだねぇ」
背中越しにやんわりと言葉を掛ける。
なつは楓子の方に目を向けた。
「かーちゃんも、そう思うよねぇ」
やはり反応はなかった。ヘッドフォンを装着して別の戦いに興じていた。
「こんなところでもゲームなんだねぇ。かーちゃんは本当にブレないなぁ」
「なつ氏、当たり前ではないか。コンボ命。重課金は蜜の味なのだよ」
「蜜の味ねぇ。そんなに甘いのかなぁ。俺は茶席で振る舞われる主菓子の方がいいなぁ」
温かみのある笑みで言った。
その間、衛は二人の周囲を伸び伸びと飛んだ。
「む、強敵出現」
「どれどれ」
楓子の声を受けてなつが画面を覗き込む。その時、二人は同時に何かにぶつかった。
「またかよ!」
二人の下敷きになった衛が声を上げると、なつは声を出して笑った。楓子もまた、微かに口元を緩めていた。
三人は仲良く、時に騒々しく、空の世界を堪能した。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
136人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月07日
参加申し込みの期限
2016年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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