Good Morning and Good Day｜リアクション

Good Morning and Good Day

●王子様の朝食
　八神修の朝は、愛犬カーキーの声から始まる。
　カーキーは体格のいい柴犬である。
　丸めた新聞をベッドサイドに置いて座る彼に、修は優しくほほえみかけた。
「おはよう、カーキー」
　カーキーの頭をわしわしと撫でてやってから、新聞を開く。
　起きがけにねこったーをチェックして『むくり』と呟くのが習慣という人も多い昨今ではあるが、修は昔ながらの新聞法だ。
　見出しをざっと眺めて頭を動かし始めるのだ。
　その間座って待つカーキーだが、しっぽは左右に振られている。
　この後のランニングを待っているのだ。
　修はベッドから立って軽い身支度を調えると、カーキーにリードをつけて家の外へと出た。
　朝のランニングである。
　なんだかんだで島社会の寝子島である。早朝から活動している人も多い。店のシャッターを開けるなじみのおじさんや散歩中のおばあさんなどなど、軽く挨拶を交わしつつのランニングを終えると、家に戻ってシャワーを浴びる。
　ガウンに着替えて部屋へ行くと、朝食の準備が整っていた。
　普通にコース料理だが、修の体調をおもんばかってのメニューである。
　流石に専属となると細かいところからして違ってくるものだが、そこに細々反応する修ではない。
　貴族主義と言うべきか、奉仕には生き様で返すのが基本ルールである。
　若いうちから身体と頭脳、そして精神を鍛え上げ、この振る舞いに値する人間になるのだ。
　という壮大な話はさておき。
　野菜中心で塩分を控えた和食というのは、修のオーダーである。
　いつものように礼を言って下げさせると、愛犬たちへと向き直った。
　カーキーの他にカールとカエサル、加えてネコたちが待っている。
　それぞれに用意した容器に餌を盛ると、いつもの『待て』。
　犬たちは待つが、ネコは余裕でがっついている。
　この辺はやはり生き様の違いというか、習性の違いというか、食べ終わった後にお礼でも言うようにゆっくりと瞬きをするのはさすがというべきやもしれぬ。
　『よし』の直後に勢いよく食べる犬たちを見るのは、やはり修にとっても和みのひとときであるようだ。

　食事の後は再び洗面台にたって支度を整え、一度自室へと戻った。
　早く起きるだけあって時間に余裕があるのだ。
　ベッドサイドに置いていた新聞をとり、中身を熟読し始める。
　そうこうしている間に、腕時計のアラームが鳴り始めた。
　さて、今日も学校生活が始まろうとしている。
「では、行ってくるよ」
　見送る人々と犬たちに挨拶をして。
　修は、重い扉を開ける。

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あとがき

担当マスター：青空綿飴
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　青空綿飴です。
　朝の日常的な一コマ、いかがだったでしょうか。

　ついでとばかりに私の朝の習慣を語ってみましょう。
　本業ライターであるところの青空綿飴は、まあいつ起きてもいいような暮らしをしているわけですが、なんだかんだで朝に起きております。
　朝食にはちょっと拘りがあって、米は必ずとるようにしています。
　その上で卵や納豆や肉をがっつりととって、力をつけて執筆に挑んでおります。
　『なんかエンジンかからないなー』とか『一行たりともすすまない』という時は大体タンパク質不足なので、皆さん肉を食べましょう肉。もしくは卵。そして牛乳。

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