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冬の寝子島
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太陽が真上に位置して陽光を降り注ぐ。一面の雪は眩いばかりに光り輝いていた。
桜庭 円
は少し引き攣った笑顔で言った。
「情報は正しかったみたいだね。こんなに雪が、じゃなくて大量の砂がいっぱいに広がってるよ」
「ああ、そうだな。とても熱そうだ。用心して歩かないとな」
御剣 刀
がぎこちない笑みで隣に返した。
二人は共にロングコートを着ていた。歩きながらどちらともなくボタンを外していく。横目で相手を牽制した。
「おやおや、刀くん、無理はよくないんじゃないかな。逃げるのなら見逃してあげてもいいよ。こう見えてボクは大人だからね、はい、胸を見ない!」
「いやいや、この俺が挑まれた勝負から逃げる訳がないだろ。『夏の海でドキドキ海水浴ごっこ』とか言ったよな。この季節に夏を演じられるのは俺しかいない。今こそ、鋼の精神を拝ませてやる。それと桜庭、ない胸を見ることはできないぞ、うん」
「ほっほほおー、言うじゃないか。ボクが勝って絶対に夕飯を奢って貰うからね!」
張り合う二人は寝子ヶ浜海岸と向き合った。
刀は雪の斜面に佇む女の子に軽い驚きを見せる。
「メリーさんじゃないか」
「メリーさんって、都市伝説で言われてるアレ?」
「たぶん、それだ。瞬間移動ができるみたいだし。ちょうどいい、審判になって貰おう」
刀は斜面を滑り降りていく。円も後に続いた。
「メリーさん、勝負の判定をお願いしたいんだ」
「どんな勝負なの」
追い付いた円が補足する。
「この寒い中で、どっちが夏の海らしく演技できるかを勝負するんだよ」
「やってもいいけど、あたしに報酬はないの?」
刀が親指で円を指差して言った。
「桜庭が負ける予定だからいくらでも奢ってもらえるぞ」
「それは楽しみなの」
女の子は円を見て唇を舐めた。黒い深遠を思わせる瞳にコートを着た状態で震えた。
「こ、これは武者震いなんだからね! ボクの本気を見せてやるんだから!」
円はコートを脱ぎ捨てる。オレンジのタンクトップビキニの姿となった。履いていたパンプスを蹴り飛ばし、いきなり素足で雪の中を駆け出した。
「なんて素敵な海なのー! キャッ、砂が熱いわ!」
「そうなのか。俺は海パン一丁で試してやる。おお、本当に熱いぞ。熱くて走る足が止められねぇ!」
夏の砂浜を若い男女が走る。笑顔はどこかぎこちなく、目を剥いて並走した。短距離走のゴール間際の状態が続く。
女の子は瞬間移動で二人の顔を見比べる。
「どっちも顔が白くて歯がカチカチとうるさく鳴っているの」
「そ、それは俺じゃない。桜庭、無理は身体に良くないぞ」
「刀くんの歯が鳴っているんでしょ。寒過ぎて耳が遠くなったのかな?」
「は、ははははっ」
精神の一部が壊れたかのように刀は笑い出した。勝機と見て取った円が海へと駆け込んだ。水飛沫を上げて、キャー、と可愛らしく叫んだ。
「ひんやりして、とても気持ちいい。ほら、刀くんも来てみなよ」
「もちろん、受けて立つ! おおおー、本当に気持ちが良くて昇天しそうだ」
「そうなんだ。じゃあ、身体にも掛けてあげるね」
凄まじい笑顔の円が両手を駆使して刀に海水を浴びせた。
「うはぁぁ、これはいいね。うん、いいよ、涙が出そうだ。でも、まだ夏っぽさが足りないな、全然だ! 桜庭、遠泳で勝負だ!」
「え、遠泳だって!? ちょっとおかしくなった?」
「夏なんだから泳ぐのは当たり前だろ!」
刀は水平線に向かって走り、頭から海に飛び込んだ。溺れているような体勢を堪えてクロールを始めた。
その狂気を目の当たりにして円の闘志に火が付いた。全身が火達磨と化して猛然と走る。
「いいよ! 絶対に負けないんだからぁぁぁ!」
刀と同様に頭から突っ込んで泳ぎ出す。
途轍もない寒さが二人を襲う。油断をすると海中に引きずり込まれる。必死の形相で懸命に手足を動かした。
先頭をいく刀が後ろに向きを変えようとした。
「ここが折り返し地点なの」
阻止するかのように女の子が空中に現れた。足から落ちて海面に触れる寸前で垂直に瞬間移動した。涼しげな顔で、それを延々と繰り返す。
「ここが折り返し地点なの」
目測で百メートル、刀は鬼の形相で泳いだ。円は人語を越えた叫び声で折り返す。
ほぼ同時に二人は陸に上がった。雪山で遭難したかのように身を縮め、震えながら脱ぎ捨てたコートの場所まで戻ってきた。各々のポケットを弄り、取り出した水筒の中身を頭から被った。
白い湯気に包まれた二人は至福の表情を浮かべた。
その様子を女の子が見て言った。
「どっちも夏らしくないの」
声が耳に届いていないのか。二人は急いで持参したタオルで身体を拭いてコートを羽織った。
少し落ち着きを取り戻した円が刀を睨み付ける。
「あのね、これはごっこ遊びなの! こんな寒い時に遠泳なんて、バカじゃないの!」
「それには同意だ! くっそ寒い! 遠泳なんてバカな発言する奴は、はい、俺でした、ごめんなさい!」
刀は深々と頭を下げた。円の細々とした不満が後頭部に落ちてくる。
「いや、本当に悪かったって。ということでメリーさん。今回の勝負は引き分けでいいよ」
「あたしの判定でも引き分けなの」
円は腕を組んで、仕方ないね、と脱力して笑った。
「メリーさんには二人で奢るよ。もちろん、好きな物をね。なんでも言ってよ」
その言葉に刀が怯えたような表情で震え出す。円はきょとんとした顔をした。
「どうしたのさ。今頃になって寒くなってきたとか?」
「ち、違う、そうじゃない。なんでもは非常に危ない。財布が死ぬ」
小声で言う刀に屈託のない笑顔を返す。
「大袈裟なんだから。メリーさん、何が食べたいのかな」
「A5ランクのサーロインを二十人前は食べたいの」
耳にした円は一瞬で呆けた。言葉の意味を頭で理解すると直下型の地震に見舞われた。身体が激しく揺さぶられる。他人事では済まされない。刀が瞬間的に手を合わせた。熱心に神仏に祈りを捧げるような姿勢で言った。
「それは勘弁してくれ。もう少し学生に優しい、そうだ、ラーメンがいいんじゃないか。寒い時に食べると身体が温まるぞ」
「お肉じゃないの」
しんみりした声に刀は泳ぐ目で答えた。
「チャーシュはお肉だよ」
「豚肉で牛肉じゃないの」
「えっと、牛肉の店を知ってるから案内するよ」
刀は自身の中で最高の笑顔を作った。女の子はゆっくりと顔を覗き込んで、それでいいの、と一言で折れた。
刀と円が並んで先頭を歩いた。女の子が後ろから付いてくる。腕を大きく振っているので機嫌は良さそうに見えた。
その様子に安心しつつも円がそっと呟く。
「メリーさんの言葉には心の底から震えたよ」
「俺は
ハンバーグチャレンジ
の早食いで底なしの胃袋を見ているからな」
その言葉を受けて円が、それとなく後ろに目をやる。女の子が指を折って何かを数えていた。あどけない姿のはずが、何故か不安を駆り立てられた。
「あのぉ、メリーさん? その、何を数えているのかな。良かったらボクに教えてくれないか」
「塩ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメン、豚骨醤油、魚介系スープに、あとは食べながら考えるの」
円は硬い表情で前を向く。隣に辛うじて聞こえる声で、財布が死んだ、と落胆した声で呟いた。
「刀くんが審判なんか頼むからぁ」
「……諦めてくれ」
言ったあとで刀はふと思った。
――ごっこ遊びを言い出したのは桜庭だよな。
「お腹が空いたの」
ビクッとした二人は泣きそうな笑顔で、そうですよね、と振り返って死地へと向かった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
今回のシナリオは直球の雪の物語でした。PCさん達は楽しく過ごせたでしょうか。
ほのぼのとした雪合戦に、まるで戦場を思わせる雪合戦と、PLさんのアクションのおかげで幅が広がりました。
あれですね。一人は高価なカメラを雪の中に落としてしまいました。
探究心が旺盛な方なので自力の修復も可能かもしれませんね。無理な場合は、頑張ってください(にっこり)。
まさか、とは思いましたが別の二人は海に飛び込みました。冬の季節に遠泳に挑戦です!
過酷な運命は、それだけでは終わりません。最後は金欠病という深刻な病に侵され……(合掌)。
皆さんの表現豊かなアクションが一つの作品を完成させました。
ご参加、ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
また、次のシナリオで会えることを願っています。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月22日
参加申し込みの期限
2016年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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