this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
バレンタインデーなんて知んねーし!
<< もどる
1
…
26
27
28
29
30
つぎへ >>
夜の帳が降りて、いよいよ『プロムナード』も開店である。
「そち、もうここに籍を置いてはどうじゃ……?」
九鬼姫が、豊田華露蘿の脇を肘でつついて言う。結局華露蘿は店長指令によりそのまま残って、今夜もヘルプに入っているのだ。もちろんドレス着用の『瑠住』として。
「もうじき歓送迎会シーズンで、水商売は忙しくなるから……」
夕顔も言ってくれる。
「週2、3回でもいいから入ってもらえると助かるんだけど。一度考えてみてね」
「あーえっと……考えてみます……」
言いながらちらりと華露蘿は泰葉のほうを見た。
なぜだろう。今日、泰葉はあまり華露蘿に接してくれない。まるであの日のことを、思い出すのを避けるかのように。いや、もしかしたら思い出したくないのは……?
けれど考えている時間はなかった。このとき来客があったからだ。本日最初の客だ。慌てて華露蘿は声を上げた。
「いらっしゃいませー!」
黒服に案内されて、
日向 透
は店に入っていく。
やはりこの雰囲気はいい。抑え目の照明に静かな音楽が、外の喧噪を忘れさせてくれるから。
もっとも今夜は、
「うわー! これがキャバクラ! はじめて来ましたよー! 大人、って感じですー!」
と、小型の爆竹じみて賑やかな後輩(名は
鶴田百次郎(つるた・ももじろう)
)を連れているので、喧噪から完全に逃れることはできそうもないのだけれど。
ここに連れてくるべきだったのだろうか――透は自信がなかった。
百次郎は悪い人間ではないが、口から先に生まれてきたのではないかと思うほどにやかましい男だ。たしかに優秀ではあるものの、注意散漫なところもあり、もう入社3年目が終わろうというのに新人のようなミスばかりしている。
それとは別に、大卒ストレート入社組だからもちろん若者なのに、頭髪がかなり厳しいことになっているため老けてみられがちなのは、いささか気の毒なところではあった。
百次郎は恋人がいないそうだ。入社直前にこっぴどくふられて以来のロンリネスだという。バレンタインが近いせいかこのところ彼は毎日のように「独り身は寂しくて……」と愚痴る。
主としてそれを聞かされるのは、彼の教育係でもある透なのだ。透は、はっきり言ってうんざりしていた。
そんなこの日、『プロムナード』でバレンタインイベントが開催中と聞いて、透は百次郎を誘ってみたのだった。
運よくはまってくれたら、こういう愚痴も当分聞かなくててすむ――そんな期待があった。ただ、はしゃぎすぎた百次郎が大失敗すれば、自分も店に来づらくなるという心配もあるにはあった。
「ご指名はありますか?」
黒服が訊いてきた。透は例によって丁寧に、
「夕顔さんでお願いします」
告げて奥に案内される。早めの来店だったから待ち時間はないようだ。
「はい、落ち着いて下さいね」
と、放っておけば両脚を揃えピョンピョン跳ね出しそうな百次郎をなだめて席に着く。
空気に、ふっと甘い香りが混じった。恍惚となるような、それでいて心を穏やかにする香りだ。
「いらっしゃいませ。日向さん、お久しぶりです」
紫色のドレス姿で、夕顔が訪れたのである。
「こんばんは。よろしくお願いします」
透は緩やかに笑みを返す。
「こちらこそ。あら、お連れ様は、初めてですね?」
「ええ、後輩の鶴田と言います。鶴田さん、ご挨拶ご挨拶」
ところが百次郎は、歯の根が合わないくらいわなわなと震えているのである。寒いのではないだろう。顔は茹でダコのように真っ赤だったから。彼の視線は夕顔に釘付けである。ドレスの開いた胸元ばかり見ているようだが、それはいやらしい気持ちからというよりはむしろ、女優のような夕顔がまぶしすぎて、顔を直視できないからと思われた。
「お、お、お、おはこんばんちは……! ぼぼ僕、ツルタです!」
透はふっと笑って、優しく声をかけた。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」
そうして彼女には「彼、慣れないもので」と告げるのである。
きっと夕顔は、男性のこういう反応には慣れっこにちがいない。だから艶然と、
「ええ、リラックスしてくださいね。水割りでいいですか?」
と告げて、さっそく人数分のグラスを用意するのである。先にチョコレートの箱を手にした。
「どうぞ。一日早いですけれど」
「ありがとうございます。夕顔さんは今日もお美しいですね」
「またそんな……お世辞でも嬉しいものですわ」
さすがは夕顔だった。彼女ははじめ、主として透に話しかけ、少しずつ百次郎に話をふって、徐々に彼の緊張をほぐしていった。最後には百次郎も、
「いやー、この時期は頭が寒くて。あ、ここ笑うところです!」
などといつもの調子で冗談を飛ばせるようになっていたのである。
時間が来て夕顔が去っても、しばし百次郎は惚けたように彼女の背を目で追っていた。
「先輩……ここは桃源郷なのでしょうか……あんな美人見たことないです……」
「さて、ね……? あと一人くらい指名してみますか?」
そのとき、ふっと前を泰葉が横切った。ちょうど指名が終わったところらしい。透に気がついてにこりと会釈していく。泰葉は夕顔ほど、万人が認める美人ではないかもしれない。けれども、なんだか心が温かくなる笑みだった。
同じことを百次郎も感じたようだ。
「指名、もしできるなら……あの……さっきの人を」
少し待って、泰葉が来た。
「ご指名ありがとうございます」
今夜もおそらくずっと指名があるだろうに、忙しさを微塵も感じさせないゆったりした物腰である。挨拶を交わしてから、透は百次郎を紹介した。
オーラというのだろうか、泰葉からは、不動のナンバーワンという自信と余裕が感じられる。たくみに百次郎から話を引き出し、もちあげたり笑わせたりして、彼の心もたちまち虜にしてしまった。
だが、
――今夜は、前回とは少し感じが違うような……。
透は違和感を抱いている。どこか『お仕事』でやっているような、『泰葉』という役を泰葉自身が演じているような、脆さのようなものが今日の彼女の言葉には見えた。笑みもわずかに冴えないような。
「最近はいかがお過ごしでした?」
だからつい、透の口からその問いが漏れていた。
「……いえ、特に……変わらない毎日です」
嘘を言っている、と透は思う。だがそれが、どんな種類の嘘なのかまではわからなかった。百次郎がいなければ、巧みに聞き出すこともできたかもしれない。『ろっこん』もこの状況ではうかつに使えまいし……。
やがて、少し話し足りない、という絶妙のタイミングで時間となった。
「ああ、泰葉さん……もうお終いですか……!」
なんと百次郎は別れを惜しむあまり、うっすら涙すら浮かべているではないか。けれど泰葉は、
「またお会いしましょうね」
と上手にさばいて、百次郎には少女のように手を振って席を立った。
けれど去り際に一瞬、泰葉は透に視線を送った。まるで、「私の話を聞いてくれませんか」と訴えかけるような目を。
アフターに誘ったら、今夜なら百パーセント泰葉は応じるだろう。透はそんな気がした。けれど後輩連れではそうもいくまい。
なので、後ろ髪を引かれる思いながら透は断念して、代わりに百次郎に問うたのである。
「どうでした? 初のキャバクラは……」
すると百次郎は、少年のように顔を覆って告げたのだ。
「泰葉さん、さっき……俺だけに手を振ってくれましたよね……!? 俺、好きになっちゃったかもしれんとです……」
口調が訛っている。気に入ったどころではないらしい。連れてきた甲斐はあったようだ。
――すると泰葉さんが私に、意味深な視線を与えたのもキャバ嬢の『テクニック』なのでしょうかね……。
そう思うと気が楽だ。
だけど……。
<< もどる
1
…
26
27
28
29
30
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
バレンタインデーなんて知んねーし!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!