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バレンタインデーなんて知んねーし!
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掃除は完璧……のはずだ。
けれどどうしても気になって、
千鳥 雅人
は部屋じゅうくまなく歩き回る。
ゴミが落ちていないだろうか。埃がつもっていたりしないか……? なんとなく、ひたすらうろうろする動物園のクマになったような気がしないでもない。
大丈夫、時間をかけて隅々まで整理整頓清掃したのだから、部屋はまるで展示場、ほとんどモデルルームというほどの美しさになっていた。
だけどやっぱり、なんとも緊張してくるではないか。それというのも意識してしまったからなのだ。
――そ、そういえば女の子を部屋に上げるのって初めてな気がするよ……!
と。
そう本日、雅人の家にやってくるのである。彼女が……
回田 はつな
が!
回田はつながやってくる! ヤァ! ヤァ! ヤァ!(←意味のわからない人はお父さんかお母さんに聞いてみて下さい)
何気なく学校で話して、「行っていい?」「どうぞ」と自然な流れで本日を迎えることになったとはいえ、よく考えてみればこれはすごいことなのだった。
なんてやっている間に時間到来、時計の長針が約束ぴったり カチッとなったその瞬間に、チャイムが同時鳴り響き、雅人の髪もピンと立ち……。
「お邪魔しま~す!」
ドアを開けたらそこに、春風のような笑みとともに、はつなが立っていたのであった。
「いらっしゃ~い!」
雅人の張り切りを示すように、そのアホ毛はぱたぱた左右に振れていた。言葉や表情だけでなく、髪の毛までも歓迎の意を表している。
「うひ~、片付いてる~! 千鳥くんは綺麗好きさんかな~?」
招き入れられ靴を脱ぎ、はつなは部屋を見渡した。いわゆる『ザ・男子の部屋』というのとはまるっきりイメージが違う。といっても殺風景すぎて人が暮らしている感覚が皆無というわけではない。あるべきところに必要なものがある、という気持ちのいい収まり方なのだった。理想的な『一人暮らし』という感じだ。
「はは……まあ、一応掃除はしたから」
雅人の顔も、くねくねするアホ毛も照れ笑いしていた。
「えっと、今日はよろしくねー!」
元気に告げるとはつなは、倍返しで満面の笑みになるのである。
「今日は楽しくなりそう! こっちこそよろしくね~」
やはり綺麗に片付いた台所に連れ立って入る。
「今日作るのはチョコブラウニーだよねっ」
そう! と返してはつなは両手を合わせる。
「いいよね~。甘くて~、ほろ苦いの~!」
材料はここ、オーブンレンジはこれね、と雅人は示していく。いずれも段取りはバッチリだ。
「準備ありがと~! ところで、立派なレンジだよね~! 四人家族でもまかなえそう~!」
「料理するの好きだからー。奮発して電子レンジとオーブンの一体型を買ったんだよー!」
まめに料理する雅人にはこれくらいでちょうどいいのだ。毎日フル稼働させているので、なかなか役に立っている。
「すご~い! 家のは型がちょっと古いんだ~! ね、ね! 後で、どこをどうすればどう動くのか教えて~!」
よろこんでー、と返事して雅人は彼女に新品の赤いエプロンを手渡し、自分は青を巻いて声を上げた。
「じゃあ早速取り掛かろー!」
「お~!」
一緒に料理を作る楽しみは、やはりおしゃべりしながらできるところにあるだろう。料理の本を開いておいて、会話しながら作業を進める。
まず大きめのボウルにチョコレートとバターを入れる。次にボウルを湯に当ててチョコを溶かすのだ。
「え~と、お湯は50度から60度くらいが適温……って、どれくらいかな~!?」
「指を入れてちょっと熱いと感じるくらいがいいみたいだよ。うん、これくらいかなー」
「りょうか~い! あ、溶けてきた溶けてきた……」
このとき湯気が、ボールの中に入らないようにするのがコツらしい。
いい感じに溶けたらボウルごと湯から外して、全体がなめらかになるまでチョコとバターをゴムべらで混ぜる。これに泡立てた卵と砂糖、さらにくるみを加えどんどん混ぜていく。
こうしてできあがった生地を、オーブン用シートを敷いたバットに流し込むのだ。このとき、空気が入らないように数回に分け、数センチの位置から流し込むのがコツだという。
とろりとした生地を、雅人は丁寧にバットに落としていった。集中しているせいか、やはりアホ毛がピンと立っている。
「千鳥くん上手~!」
「ありがとう! でも、ブラウニー作るのは初めてなんで……うまくできているか自信ないなー」
「大丈夫! 私と千鳥くんが力を合わせたんだよ~、上手にできるって!」
バットを受け取って、はつながこれをオーブンに入れた。雅人から指示を受けてタイマーをセットする。スイッチを押せば、あとは待ち時間だ。食卓の椅子を引いて座る。
「じんわり暖かくていいな~」
と微笑むはつなの頬はほんのり桜色に染まっていて、これを見て雅人は、わけもなくどきどきした。
このときふと気になったことがあって、何気ない様子を装いながら雅人は訊いた。
「これ、全部友チョコにするの~?」
天気の話をするくらい自然な口調を心がけたが、実際その通りに聞こえたかどうかはわからない。
本当は、
――本命……は、こんな所で作らないよね?
という質問もしたかったのだが、雅人にはどうしても口に出せなかった。
はつなの返しは少なくとも平常通りだ。うっすら微笑して言う。
「あ、こっちは千鳥くんと食べる『うちチョコ』だと思ってた! 友チョコはまた別に作ってあるんだけどね~」
その言葉になんとなく安心し、雅人もつられて微笑むのである。
「うちチョコかぁ。それじゃあはつなちゃんに満足してもらえるものにしないとねっ!」
いつも以上に気合いを入れて作った甲斐があったと思う。
「千鳥くんは、チョコもらう派? あげる派~?」
唐突にはつなが言った。他意はなさそうだ。
うーん、と半秒ほど考えて(そしてアホ毛も『?』型にして)彼は返す。
「俺はバレンタインはもらう派……かなぁ? 友チョコとかはホワイトデーに渡すようにしてるんだよ!」
雅人の友チョコは、周囲にとても評判がいいのだ。
すると、その答を期待していたのか、ぱっと目を輝かせてはつなは言ったのである。
「そか! やっぱり男の子だな~。じゃあ、私のチョコももらってね~?」
願ってもない言葉ではないか。雅人は小躍りするように言う。
「わ~い! 喜んで受け取ります! だよ~!」
そろそろ焼けるそうだ。
うひ~っと笑ってはつなは席を立つと、お茶の準備を始めるのだった。
オーブンを開けると、もわっと湯気、そして甘いチョコレートの香りがあふれだす。
「うひ~! 上手に焼けました~!」
すごく綺麗な仕上がりだった。チョコブラウニーはうっとりするような色合いである。
「できたてだよ、できたて~!」
まるで『この成功を世界中に知らしめたい~!』とでもいうかのようなはつなの口調だ。
陶器のポットで淹れたイングリッシュブレンドティーを白いカップに注ぎ、ふたつならべて笑い合う。
「ちょっとしたお茶会だね! えへへ、なんだか優雅な気分~」
「じゃあ、いただきま~す!」
とフォークを手にしたはつなだが、一口サイズに切ったチョコブラウニーを、まず彼女は雅人の目の前に持ち上げた。
「ってことで~、はい!千鳥くん、あ~ん」
「………え? 口? 開ける?」
このとき彼の頭の上に、髪でできた『?』が出現したことは言うまでもないだろう。
すると、ごく当たり前のようにはつなは言った。
「何って、『うちチョコ』だよ~。千鳥くん、さっき「受け取ります」って言ってくれたじゃん?」
理解した途端今度は、『!』の文字が雅人の頭上に登場した!
「そそ、それはさすがに恥ずかしいよ~!」
なんと予想外の展開であることか、たちまち雅人の顔は赤らむ。けれどはつなは許さないのだ、
「も~。そんな顔しなくても、友チョコだってちゃんとあげるから~」
なんて言いながら、彼の口にブラウニーをぐい~っと押し出すのだ。『受け取って? ね?』という目をして。
――ああでもすっごい良い笑顔……これはちょっと断れないよ……!
照れも恥ずかしさも当然マックスの雅人なのだが、もはやあらがうすべはなかった。
「あ、あ~ん……」
意識するあまり額に汗までかいて、それでも、ぱくっと求めに応じた。
甘い。
本当に甘い。歯触りもよく、くるみの風味もきいていて、舌の上でとろけそうにチョコは濃厚。
そのすべてが混じり合った素敵な味だ。
甘いのは、はつなと一緒に作ったからだろう。
楽しく、おしゃべりしながら作ったからだろう。
けれどもこういうシチュエーションで食べているせいというのも、あるのではないか。
きっと俺いま顔が真っ赤だよね――と雅人は思う。あんまり見られてなければいいけど――。
「ね! 美味しいよね! 千鳥くん、やる~!」
同じフォークで自分も一口して、まぶしい笑みをはつなは浮かべた。
「うひ~! また作ろ~ね、千鳥くん!」
そんな彼女の周囲に雅人は、華と花弁が舞い散っているのを見た気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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