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天使または悪魔が降ってきた!
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●拳は熱く、頭は冷たく
ジャブ。
ストレート。
フック。
アッパー。
またたく蛍光灯の下で、打撃音が鈍く響いている。
サンドバックにひたすら打ち込みを続けているのは、
新田 亮
だった。
「……」
黙々と打ち込む音以外は、室内には亮の呼吸が聞こえるばかり。
ほかの生徒が帰ってから、だいぶ経っていた。
「ダメだ……」
しばらくして、納得のいかない顔で亮は拳を止めた。
頭にずっとあるのは、今度行われる練習試合のことだった。
亮の相手は、全国大会の出場経験もある剛田という選手。
ボクシングの名門校とは聞いていたが、いざ対戦するに至って、亮はどう戦えばいいかわからなくなっていた。
総合力が、違う。
糸口になればと思って見た相手の試合動画も、攻略法は見つけられず、むしろ焦りが増すばかりだった。
「俺はどうすれば……」
ポツリと呟く。
頭ではわかっているのだ。さっきから続けているこの練習は、ただ焦りを紛らわすだけのものになっていると。
――だが、何もしないよりはマシじゃないか。
苛立つ思考でそう考えて、亮は再び拳を振りかぶった。
「情けないな。それじゃ奴に勝てないぞ」
小馬鹿にするような声が聞こえた。
亮が振り返ると、亮とそっくりな顔をした黒服の男が立っていだ。
「……誰だ」
亮は頭を振った。幻覚か、幻聴か。しかしそのどちらでもなかった。男は野性味あふれた顔で笑っていた。
あざけりの笑いだ。
「見ればわかるだろ?俺はお前自身さ」
「ふざけるな」
「ふざけてなんかいないさ。まぁ正直、俺からすれば、弱いお前の方こそふざけるなってところだがな」
ニヤニヤと、男は続けた。
「ビビってんだろ、剛田に?」
「……ふざけるな」
押し殺した声が亮から漏れた。男をにらみつける。
誰だろうと――自分自身だろうと捨て置けない発言だった。
「声色が変わったな。図星だろ? 俺はお前なんだから分かるぜ。もっとも――今は俺の方が強いがな」
「お前なら剛田に勝てるって?」
「当然だろ。ま、お前には無理だが」
「……それなら戦ってみるか?」
男の最後の言葉は明らかな挑発だった。そこまで言われて引き下がれはしない。亮は顎でリングを示す。
「俺より強いってことを証明してみろよ」
「もちろんだ。掛かって来いよ」
あっさりとうなずいてリングに入った男に、ほんの一瞬だけ、亮は躊躇した。
――本気か?
もし万一、相手があかの他人だった場合、怪我でもさせたら大変なことになる。
「どうした。来いよビビリ」
だがその一言に、わずかな逡巡も消えた。
「撤回させてやるよ」
「俺に勝てたらな」
ニヤニヤする男に、リングに上がった亮は肉薄した。
それから、数分後。
「どうした、ガードが甘いぞ」
優勢なのは男の方だった。
亮の拳をするりとかわすと、ボディに重い一撃を加えてくる。
「ぐ……」
「そらっ」
よろめいたところにストレートが頭に入り、視界が大きく揺さぶられた。
崩れそうな体を支えるも、膝をついてしまう。
「無様だな」
見下ろす男の言葉に、亮は今度こそ反論できなかった。
身体も、心も重い。
重いのは、剛田の研究をしている時からだ。それが身体に鈍さを与えている。
だがそれは、言い訳だ。
言われた通り、亮は目の前の相手より弱い、ただそれだけのこと。
自分自身だと名乗る相手よりも弱いのだ。
「くそ……」
亮の奥底から軋むような声が漏れる。
男は亮を見下ろしたまま、言った。
「お前は師匠の言葉を忘れたのか?」
「……?」
思わず顔を上げた亮に、かつての記憶が蘇る。
『いいか亮、格闘家に大切なのは頭だ。諦めずに勝つ手段を考え続ける奴が強くなる。そして頭を正常に動かすには冷静さが必要』
何度も教え込まれた言葉。そして師はこう続けるのだ。
『この二つを合わせた格言が……』
「『思考を止めず冷静を保つべし』、か」
亮は目を閉じて呼吸を整える。身体はすでに軽くなっていた。
思考を止め、悩み停滞していれば、心身ともに疲弊する。
そのような状態で戦っても、最初から勝てる見込みなどない。
立ち上がった亮は、静かな目で自分と瓜二つの男を見据えた。
「ありがとう。今ならお前を倒せそうだ」
「やってみろ」
男がファイティングポーズをとる。
「俺は悪魔だからな。こっからどん底に突き落としてやるよ」
そこから動きは、それまでよりも格段に速い。
繰り出される拳を、しかし亮は軽やかなステップで回避する。
「やってみろ」
そして、渾身のストレートを相手の顔面に打ち入れた。
「引き分けか……」
リングに相手とともに倒れたまま、亮は天井を見上げる。
まぶたが腫れていて、よく見えない。
口の中も切れて、血の味がしていた。
だが思いのほか悔しくはなく、汗も嘘のように心地よかった。
「やりすぎだ。そんな身体で試合ができるのか?」
悪魔の声に、亮は笑った。
たぶん試合の日、相手は呆れるだろう。
「こんなかすり傷じゃ、勝敗は決まらないさ」
「言ったな……ま、それくらいの自信があれば大丈夫か。頑張れよ」
亮がその言葉に、倒れているはずの相手を見た。
だが、もうどこにも、男の姿はない。
「悪魔、か……」
亮は軽く笑うと、対戦相手の研究をすべく起き上がった。
その目にはもう焦りなどなく、純粋な闘志の火が宿っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
叶エイジャ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月26日
参加申し込みの期限
2016年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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