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天使または悪魔が降ってきた!
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●飲み交わし
カタカタと、窓が夜風に揺れている。
旧市街の一角。『浅葱眼鏡店』の古びた看板のかかった小さな店では、猫背の青年が今宵もペンを走らせていた。
前髪で隠れ気味の視線を、眼鏡越しに机に落としていた
浅葱 あやめ
は、大きくなってくる窓の音にようやく顔を上げた。
「……風、強かったかな」
無表情のまま立ち上がると、様子を見るため窓際に向かう。
そうして窓越しに手を振る人物に気付いて、目を見開いた。
「えっ、酒浸さん……っ?」
そこにいるのは、どう見ても
酒浸 朱蘭
だった。
だがどこか、おかしい気がする。
『あやめさぁん、開けてぇーえ』
窓越しのくぐもった声でもわかる、酔っ払った声。加えて朱蘭は肌の多くを露出させた、白い薄衣もまとっただけという格好だった。あやめは窓を開ける。
ばさり、と白い翼がはためいた。
「ありがとーぅ」
パタパタ空を飛んで入ってきた朱蘭は、嬉しそうにあやめの胸に飛び込むと、彼の身体を抱きしめた。
「いやぁー、あやめさんは優しいなァー」
「……ええと、酒浸さん、ではない……のですか……」
調子外れに笑う朱蘭の――その背にある白い翼を見て、あやめは困惑した。
朱蘭に似ているが、この女性はなんとなく彼女とは違う存在のような気がする。
「んふ。たしかに天使だけど、そんなのどーでもいーじゃない」
あやめにしなだれるような形で、器用に朱蘭は――天使の朱蘭は杯を掲げてみせた。
「せっかくだし、一緒に飲もうぜ?」
「えっ!?」
上目遣いに聞いてくる彼女に、しかしあやめは当惑したまま首を振った。
「いや、そういうのは、特にいいです……!」
「えー、今日はサービスしちゃうぜー?」
意味深なことを言って、天使朱蘭は自らの服に手をかけ、あやめから離れる。
「酒浸さん? なにを――」
「フンッ」
掛け声太く、天使が叫んだ時には、彼女の柔らかそうだった肌は堅く、筋肉質に変化していく。
「本当に、一体何を!?」
「サービスだぜ。男の方が良いなら、男になってやっからよ!」
「ええ!?」
野太い声でそう言う彼女――その時はもう彼かもしれなかったが――に、あやめは慌てて首を振った。
「いえ、その、酔うことに抵抗があるだけなので……どうしてもという話なら……ど、どうせなら、女性のお相手の方が、ですね……」
「そうなのか?」
朱蘭の声が、元に戻った。
「じゃあ飲もうぜ! もー早く言ってくれよなー。男になったらこの服破れるから、もう少しで恥ずかしい状況になりそうだったぜ」
「そうでしたか」
流れで飲むことに応じながらも、あやめは内心焦って、胸が早鐘を鳴らしたままになっていた。
――『同性愛者である自分』を少し受け入れ始めてきたつもりだったけど……、
促されるままに朱蘭の渡してきた液体を飲む。
「ふふ。晩酌は任せろなんだぜ」
天使は楽しそうに、あやめに寄り添っては液体を注いでいく。
勧められるごとに自分が酔っ払って行くのを感じながら、あやめは思わずにはいられなかった。
まだ誰かにその事を知られるのは、勇気がいりそうだな、と
●
一方、その頃。
「んー?」
朱蘭本人はと言えば、自分の部屋で飲んでいた。
飲んでいると言っても、彼女のろっこんによって生まれた、『飲むと酔ってしまう液体』だ。
今日も今日とて、将来お酒を飲めるようにと特訓していた朱蘭は、いつしか部屋の中に誰かがいることに気付いた。
「!」
さすがに少し、酔いが覚める。
「あやめ、さん?」
「やあ」
背中には黒い翼、お尻のあたりからは尻尾を生やした青年に、朱蘭はおずおずと話しかけた。
「おーあやめさん……ってなんだぜ? コスプレ?」
「実はね、僕は悪魔なんだよ」
妖艶に笑う悪魔あやめ。
「あー、あやめさんてば酔ってるんだぜ」
自分のことを棚に上げ、朱蘭は笑い飛ばした。
最初は驚いた朱蘭も、それでとりあえず、いつも通り飲みに誘うことにした。
「なら悪魔さんとの出会いを祝してだな、飲むとしようぜ!」
「おやおや、そうやって何事からも逃げてていいんですかねぇ?」
皮肉のこもった物言いに、朱蘭は赤い顔のままムッとした顔になった。
「なんだぜ? 何か言いたいことがあるんだぜ?」
「あなたのこの行為は、意味があるのかと言ってるんですよ」
淀みなく言いながら、クク、と悪魔は笑みを見せた。
「その能力を得て、何か成果はありましたか?」
「……やめろよ」
「これだけやって成果もないのに、まだやり続ける。貴女は酔えることに、それこそ酔ってるだけなんじゃないでしょうか?」
「やめて」
弱々しく朱蘭が呻いた。悪魔が彼女のうつむいた顔を覗き込めば、目には潤みがあった。
「やめて……あたしは……ただ夢を」
「夢に向き合ってる人は、酔っ払ってくだなんて巻きませんよ」
「これはちが」
「違いませんね」
すっかり意気をなくした朱蘭の隣に座り、悪魔のあやめは耳元に声を吹きかけた。
「でもまだ、道はあります」
「え?」
「そんな偽物じゃなくて、本当の酒を飲みなさい」
耳朶と唇が触れそうな距離で、悪魔の囁きが紡がれる。
「毒を制すには、毒に慣れましょう。夢への道はそこしかありません」
「……」
「そんな目で見ないで。ちょっと街へ行って、飲むだけのことです」
そして現実に絶望し、ずっと酒に溺れなさい――。
悪魔が心の中で、そうほくそ笑んだ時だった。
「できるかー!」
突如朱蘭は叫ぶと、悪魔あやめの顎を掴んだ。
そして手にした杯から、口に液体を注いでいく。
「ふぐぅぅぅー!?」
「アタシはアタシの道を進むんだぜー!! とりあえずのめー!」
苦しむあやめが吐き出さないようにしながら、朱蘭は器用に盃に新たな液体を注ぎ、ついでろっこんを作用させていく。
「もういっちょー!」
「がぼごほほ!?」
「駆けつけ三杯ー!」
「んぐぐぐぐ!?」
犯罪的な速度で飲まされていく悪魔。
「いいか! お酒は二十歳からだ! あとアタシは夢を諦めない――以上!」
倒れた悪魔にビシリ!と言言い放つ朱蘭。
舌戦に負けた末の、強引で乱暴な反論だった。
「うぅ、ひどい。あんまりだ」
悪魔が鼻をすする。
「可愛い女の子をいぢめたかっただけなのに……」
「ど、どうしたんだぜ?泣いてるのか?」
余裕ぶってた悪魔の豹変ぶりに、朱蘭が目を瞬かせる。
「このままじゃ、またツメが甘いって言われてしまうよ……」
「悪魔も大変だな。つーか、実は泣き上戸だったんだぜ?」
あやめの姿をした、落ち込む悪魔に、朱蘭は何かを閃いたように顔を綻ばせた。
「まぁいいや。このまま朝まで徹夜で飲むぜー!」
「なんで!? なんでそうなるんだい!?」
「あたしを堕落させたいんだろ? 朝まで時間をやるから、頑張れって!」
「……それって、それっぽい励ましの理由をつけて、実は飲みたいだけなんじゃ」
「いくぜあやめさん、覚悟!」
「く、くるなぁ~」
足元のおぼつかない酔っ払いに、うら若い酔っ払いが襲いかかった。
●
そして、朝がやってきた。
翌朝、店先で掃除をしていたあやめは、歩いてきた朱蘭とばったり会ってしまった。
「……おはようございます」
「お、おはよう……あやめさん」
ぎこちない挨拶が交わされる。
(多分、酒浸さん本人は、全く関与していない……はず……)
あやめはそう思うが、寄り添うようにして一晩、天使な朱蘭と飲んでたわけで。つい記憶に残った天使のことを想像してしまう。
朱蘭も、また、
(昨日のあれは神魂のせいだろうけど……いくら悪魔っても、あやめさんを無理やり付き合わせたのはまずいよなぁ)
知ってる仲とはいえ、そして別人とはいえ、年上の人にしていい態度ではなかったと、朱蘭も反省している。
お互いに気まずいので、とてもぎくしゃくとした空気が漂う。それが更に二人を気まずくさせていった。
結局、
「じゃ、じゃああやめさん。あたし学校だから、もう行くぜ」
「……ええと、はい、すみません……その……お気をつけて」
そのまま、そんな風に会話は打ち切られるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
叶エイジャ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月26日
参加申し込みの期限
2016年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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