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【バレンタイン】冬の赤いチューリップ
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友人たちの演奏を客席の端から見ていた誉が楽屋に戻ると、程なくしてイリヤたちが戻ってきた。
「お疲れ様。——リハでも驚いたけれど、イリヤが歌うとは思わなかった」
「俺がお願いしたんすよ」竹高が答える。
楽器経験の短い竹高がテスト期間中に出来る最低限の練習でステージの完成度を上げるには、今回はギター一本に絞った方が良いと本人が考えたようだ。
「知ってました市橋さん、イリヤ先輩てプロの歌手なんすよ!」
「すごーくすごーく小さい頃ね。
ねえ誉さん、そろそろ雨が降りそうでしたよ、気をつけて」
イリヤが竹高の話しを打ち切ろうとすると、泉がひょこっと顔を出した。
「俺アルバム持ってる。
タイトルも読めなかったんだけど、最近エリに聞いた。『愛の天——」
「言ったらダメ」両手で泉の口を押さえていたイリヤが突如「びゃッ!!」と悲鳴を上げた。
きょとんとする誉の前で、音春が颯爽と動いて、真っ赤になったイリヤの腕としたり顔の泉の首根っこを掴んで引っ張る。
「騒ぐなら外行こうなー。タカ、マキリ、搬出」
「ハイハーイ」
「誉さんのステージ、客席の方から見ますね」
馬桐と竹高が腰を上げ、中学生たちは嵐のように去っていった。もうすぐ誉のステージの時間だ。
* * * * *
朝。
仙藤 紫
は幾つかのチョコレートをバッグに詰めていた。
それらは全て義理チョコ、友チョコだが、手作りしたチョコレートを丁寧にラッピングしたもので、二日ほどかけて準備した紫らしい丁寧なプレゼントだ。
(去年の今頃は、彼氏にガトーショコラを作ったっけ——)
手作りが嬉しいと喜ぶ彼の顔と、一緒にガトーショコラを食べた思い出が蘇り、紫はため息をついた。去年の夏に別れたと言うのに、まだあの甘い思い出が忘れられないのだ。
「また思い出しちゃったな」
自嘲的な気分を切り替えてバッグを閉じた——。
待ち合わせ場所の駅に向かうと、友人の川南由奈は、見知らぬ男にナンパされている真っ最中だった。
(由奈、美人だものね)
そう苦笑した紫自身も雰囲気のある大人びた美女なので、男は思わぬ収穫と嬉しそうだったが、紫と由奈にすれば2対1になればすんなりお断りする理由ができて、その場をさっさと後にした。
「旧市街にくるなりアレなんて災難ね、由奈」
紫は同情めいた笑顔でそう言ったが、とうの友人本人はもうその出来事からごっそり興味を失っていた。
シーサイドタウンに住む由奈は、ウィンターチューリップが咲いているところを見るのは初めてなのだ。参道商店街の風景を落ち着きなく見回す彼女へ、紫があれこれと案内するかたちになった。
二人揃って歩きながら、紫は友人の楽しげな横顔を見る。由奈は紫とおなじくAO入試で大学進学を決めており、焦ることなく年明けを迎えていた。
心に余裕がある彼女だ、本来なら2月14日の今日も彼氏と過ごしていて然るべきだったが、これまた紫と同様に去年破局していた。
(尤も、由奈は私よりすぐに元彼のことを忘れたけれど……)
友人の強さを密かに尊敬していると、由奈から最近はどうなの? と振られた。
「のんびり過ごしてるわ。学校もほとんど顔を出していないし……」
紫は高校3年生。
3年生は、2月も中旬のこの時期になると、試験に加え、進学に向けて既に必要単位を修めていたりと、毎日登校している生徒は少ないのだ。
だからこそバレンタインのイベントで、気のおけない友人と過ごせるこの日が楽しい。
短い時間を惜しむようにあちこちを巡りながら、二人はチューリップ広場まで向かった。
アーチをくぐり、スマートフォンを手にフラッシュ撮影している人々の間を抜けて、ゆっくりと広場を歩き進める間、耳に心地の良い音楽が響いていた。
「ジャズピアノ? 生演奏してるのね、ちょっと見てみようかしら?」
由奈と二人でステージの方へ行くが、先ほどから小雨が降り出した影響で、元々少ない客席に座っている人は疎らだった。皆遠巻きにして気楽に聞いているが、ピアニストが奏でるのはあくまで皆の気持ちを盛り上げるような演奏で、そんなのんびりした味わい方が合っているように思える。
紫も客席後ろに立って、由奈と言葉を交わしながら演奏を楽しんだ。
それから数曲演奏を終えたピアニスト——誉——が、ステージの中央に出て観客へ頭を下げた。
「あのピアニスト、随分若いのね。演奏しているとどうしても大人っぽく見えるから、気づかなかったけれど」
いつも年上に見られる自分の外見を差し置いて言うと、由奈がクスクスと控えめに笑いだした。
いつの間にか紫自身もそれにつられてしまう。
バレンタインデーは別れた人を思い出させて辛い日になる筈だったのに——。
友人と共にいる幸せを感じて、紫は胸の内で感謝した。
(由奈……今日は付き合ってくれてありがとう)
* * * * *
ステージを終えた誉は、好物の甘いものを摂ろうと飲食小屋に立ち寄っていた。
ホットドリンクのカップと菓子を持って楽屋に戻る途中、陽毬と紅緒とばったり出くわした。
「——二人とも休憩中か? 丁度良かった」
誉はカバンから
ビスコッティ
を出して、二人に手渡した。
「手作りで、甘さ控えめにした」
「え? え?」
「なんで?」
お互いに顔を見合わせて驚く友人二人へ、誉は照れくさそうに伝える。
「いつもお世話になってる二人に。
ほら、女の子ってこういう時にプレゼントしてばっかりのイメージだから、偶には貰う側に立つのもどうかなって」
「ヒエエイケメン! なんて気配り上手な!」
「何これ! 『義理でも何でも貰えりゃ良いの死ぬの』ってこういう意味なの? 今分かったよ音春君!!」
『テンパった』と言うに相応しい反応をされて、逆に誉の方が赤くなりそうだ。うなじを撫でて「えーっと兎に角」と仕切り直した。
「いつもお世話になってるお礼と友情の印として。
これからもよろしく」
「宜しくお願い申し上げます…………ですわ」
紅緒が腰を折って怪しい挨拶をしている横で、陽毬は花模様が可愛い瓶を、テントから漏れる明かりに透かして見ていた。
「美味しそー……。これバンド君たちにもあげたの?」
「男から貰っても嬉しくないだろう? 色んな意味で」
「食べ物なら誰でも嬉しいと思うんだけどそうでもないかなあ? あ。でもでもイリヤ君なら食べ物じゃなくても喜んでくれるかも? トカトカ」
「あの子は与えられる愛情に素直ですものね。実際花だのチョコだのを貰って感動してましたし——」
「誰に?」
前屈みになる誉に、紅緒と陽毬は目配せしあってから、誉の方へ距離を詰め「今朝ね——」と口を開いた。
友人同士で盛り上がりながら、バレンタインの夜が更けていく——。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月23日
参加申し込みの期限
2016年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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