this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【バレンタイン】冬の赤いチューリップ
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
13
つぎへ >>
それは2月14日を前にした、ある日のことだった。
キッチンに立っていた
大塚 絽紗
は、完成した料理を口にして、眉をきゅっと寄せた。
(これじゃないな)
几帳面な性格故に、少しでも違うと思ったら初めからまるっとやり直しをする。そんな頑張り屋さんな飼い主の彼女を、ペットのこだま、ひかり、のぞみ、こまち、つばさたちも『箱』の中から見守ってくれている。
数時間の努力の末に納得するものが出来たけれど、まずは友人のきとりと明里にお裾分け。
そこからまた新しく作るのは、気になるあの人へのプレゼントだ。
箱は地味すぎず、派手すぎないものを選んだつもりだ。それに仕上げのリボンを軽く結びながら、絽紗は彼の姿を想い浮かべている。
(すべてはあの人のために。あの背が高くてやさしい……)
——絽紗との約束の場所は、九夜山の展望台だった。
旧市街の照明設営のアルバイトをしていた
高峰 一馬
は、アルバイト先の突然の呼び出しの所為で、待ち合わせの場所まで走らなければならなくなってしまった。
当日にトラブルがあるだなんて、こんな時に運が悪い。
けれど走っていると頭がよく回る。
彼女のことを思うだけで心臓が——、胸が高鳴るのが、いつもより強く感じられる。普段から身体を鍛えているからこそ、少しの変化でも自覚できるのだ。
(こんな、俺の気持ちって、やっぱりそういう——!)
展望台へ向かう足と同じように、逸る気持ちが抑えきれず溢れ出しそうだ。
(ああ、なんだか……)
こんなに寒い中待たせてしまっている。それにそう、危なっかしい彼女のことだ。また転びそうになっているかもしれない。彼女はちゃんとしている子だと分かっている筈なのに、なんでもない待ち合わせの筈なのに、心配事は尽きない。
否、2月14日なのだ。なんでもない訳はないだろう。
(やっぱり今日ってことは……あー!!)
「悪い! 待ったか!?」
展望台にいた無数の人影の中で絽紗を見つけるなり頭を下げた一馬は、顔を上げた瞬間いつもとは違う感情を、『戸惑い』を覚えた。
いつもなら気になっている絽紗が居ればすぐ駆け寄りたい衝動に駆られていたのに、今日は話しかけていいのかすら迷ってしまう。
(なんかこう……こう……さぁ!)
そのくらい今日の絽紗は一段と可憐だった。
一馬はそれが——絽紗が不安の中で一馬を見つけた喜びの笑顔と、一馬の為のお洒落だとは知らず、女性を上手に褒める言葉も分からずに、ただ「おー」と挨拶の声を振り絞る。
「一馬君……! お仕事お疲れ様です、大変でしたね」
「力仕事なら得意だからさ、ちょうどここんところから綺麗に見えるはずなんだよな」
こんなただの会話すら、動揺で早口になってしまう。
一方で絽紗も、周囲の雰囲気に飲まれそうになっていた。
(一馬君……、胸の高鳴りが止まりません)
「ほら、そこらへんが俺の点けたとこでさ——」
一馬の話している横顔をそっと見つめると、彼の周囲できらきらと輝く光が瞬いた。まるで一馬が作ったイルミネーションが、絽紗を応援してくれているようだ。
今がチャンスだよ、と言われているのかもしれない。
「あ、これ、開けてください……」
「……お、おう……」
お互いにもうこうなる事が分かっていた流れだ。
受け取って! という純粋な想いを、受けとっちゃうぞ! と言う意気込みで、一馬が緊張に密かに震えた指で開こうとする。
絽紗は一世一代のタイミングで、閉じていた扉のドアノブを捻り、一馬の方へ思い切り開いた。
「実は、好きなんです!」
心臓はバクバクとおかしいくらいに高鳴って、上手く呂律が回らなかった事が恥ずかしくて俯いた目は、一馬の手元ではたと止まった。
(……あれ?)
あの『箱』は。
一馬が開けようとしているあの箱はまさか、絽紗の大切な大切な——
「お蚕さんの箱よそれ! だめーっ!!!」
絽紗は飛び掛らんばかりの勢いで叫んだが、時すでに遅く、一馬の指は緩いリボンを解いて、箱を開いてしまっていた。
「へ、あ……虫……?」
なんたる失態だろう。
きっと準備をしている時に着替えて眼鏡を外したからだ。あの時取り違えてしまったのだ。
(変人だと思われたらどうしよう!)
顔を真っ青にして固まってしまった絽紗の前で、暫し呆然としていた一馬だったが、もぞもぞ動くぷっくりした白い幼虫を見つめながら、状況をなんとかまとめたようだ。
「これ、芋虫だよな? 蝶になるやつ?」
「あの、違……、蛾で……絹糸を……」
「ああ、これが蚕か!」
一馬はぽんと手を打つような顔で笑った。
(ああ、好きってそういう……。
やっぱ女子が虫好きっていうと、あんまし人に言いづらいのかね。俺もまぁクワガタとかはよう捕ったけど、最近はさっぱしだなー)
一馬は絽紗の気持ちを勘違いしたまま、絽紗自身を受け止めた。
「……ま、大塚が好きだって思うもんを、共有したいとかって思ってくれてるんならすげー嬉しいわ。
それに、蚕のこととか喋ってるのは、その、可愛い……し」
結果オーライとはいかないものの、その一言で絽紗の胸はいっぱいになってしまう。変だ、気持ち悪いと思われても仕方がないとさえ思っていたのに、可愛いと言ってくれた。
何よりのお返しの言葉だ。
「あの……、ごめんなさい、箱を間違えたんです。お詫びのチョコはまた今度ということで」
「お、おう! そっか、分かった!」
一馬は頬をかきながら、絽紗の顔を一瞥した。
抱いていた期待は果たして無駄だったのか。絽紗の表情を見ていると完全にそうだとは思えないところもある。
一馬は空咳をして、絽紗が「好き」だと言う蚕たちを見下ろした。
「あ、こいつら虫だけど寒さとか大丈夫なん?」
絽紗は思わぬ彼の気遣いに笑顔になった。
「そうですね、お蚕さんたちには冬のお外は寒すぎるから——」
もっとあたたかい時を過ごそうと、二人は並んで歩き出した。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
13
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【バレンタイン】冬の赤いチューリップ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月23日
参加申し込みの期限
2016年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!