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【バレンタイン】冬の赤いチューリップ
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——寒いのは苦手だ。
日向 透
は旧市街の喧騒の中で嘆息する。
この頃勤め先の金融会社の終業後に、参道商店街を通るのは億劫だった。バレンタインデーのイベントの為に、光と花で埋め尽くされた空間……。
同僚たちから貰った義理チョコは好物でもあるし、会社の中で居場所があるのは良い事だと考えれば蔑ろにする気はないが。
(どうにもバレンタイン独特のこの雰囲気は、昔から苦手だ)
金の髪を軽く揺らして、さっさとこの場所を抜けてしまおうと歩幅が大きくなっていた足が、ある影を見つけて一瞬止まりかける。
塔尾 松生
——、『知人の少女』だ。
「こんばんは」
透は咄嗟に仮面を被って挨拶する。それを分かっていないのだろうか、松生は表情の中に隠しきれない嬉しさを滲ませて、早口で喋り始めた。
「あの、今、イルミネーションをやってて。九夜山でもチューリップを飾っているみたいなんですよ。
凄いですよね。あんな上の方まで飾るなんて。なんかお店もあるみたいで、飲み物とかチョコとか売ってるみたいですよ」
うんうんと、大人らしく、優しい父や兄のように親身に頷きながら、透は内心戸惑っていた。
いつもよりも勢いのある、興奮したような口ぶり。何故この娘は自分に会えた事を嬉しそうにしているのだろう。
(彼女は俺を怖がったはずだが?)
恐怖という感情は、簡単に消えたり塗り替えたり出来ない圧倒的なものだ。それがどうして——。
透は理解できない者への不信感を抱きつつ、松生の話しに合わせて会話する。
「あ、あの。よかったらそこのお店でホットドリンク買っていきませんか。
今日は寒いから、温まると思います。テイクアウトもできるし、あそこのコーヒーって美味しいので。よかったら」
必死にしがみつくような言葉に、珈琲くらいならまあいいか、と頷いていた。
「俺は珈琲を——。欲しいものはありますか?」
透はカウンターで松生が「あのっ」と吃りながら言ったメニューを注文して、彼女が何か言う前に2つ一緒に金を払った。
それから暫く二人は、スリーブが巻かれた紙カップを手に、特に言葉もなく過ごした。
「送ります」
透は飲み干したカップをゴミ箱へ捨てると、そう言って松生の前を歩き出した。
(そういえば彼女を家の近くまで送るのは何度目だろう。
もう数えくれないくらい家の傍まで送っているな)
ふとそんな事が思い出された。
「ではここで——」
分かれ道にきて透が足を止めると、松生が視線を泳がせながらも、鞄に手を突っ込んで何かを取り出した。
それは松生が透に渡したくて、けれどもあの夜に気まずい別れ方をしたのがひっかかって、折角買ったのにカバンの奥にしまいこんだままだったバレンタインのチョコレートだ。
偶然の出会いに嬉しくなって、話し途中に迂闊にもチョコレートのワードを出してしまった自分に慌てたり、落ち込んだり。そんなただの世間話だけで別れてしまわないように、この日まで出なかった勇気を振り絞って珈琲に誘って——。
そしてこれが松生最大の頑張りだ。
今が盛りと綺麗に咲いたチューリップとイルミネーションに背中を押してもらいながら、松生は口を開く。
「日向さん」
精一杯なのが透にも伝わる笑顔で、松生は自分の思いを伝えた。
「この間は、ごめんなさい。私が軽率だったと思います。……それから、叱ってくれて、助けてくれてありがとうございました」
「わかってくれればいいんです」
「これ、よかったら貰ってください」
だめ押しのように言う松生の強い思いに、透は珍しく戸惑いを覚えていた。
——受け取っていいのだろうか。分からない気持ちが、素直に松生への問いとして言葉に出ていた。
「俺なんかがもらってもいいんですか?」
松生はこくこくと懸命に頷いた。
拒めない。透は包みに手を伸ばす。
(多分これは、義理チョコではない)
松生の全てからその気持ちを受け取って、透はこう答えた。
「ありがとうございます」
透と松生のバレンタインは、この一言で幕を閉じてしまう。透の出したイエスでもノーでもない答えが導く結末は、今の二人にはまだ見えなかった——。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月23日
参加申し込みの期限
2016年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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