this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【バレンタイン】冬の赤いチューリップ
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
13
つぎへ >>
『惚れ薬入りチョコレート』。
天神平 庵
がインターネット通販で販売していた商品だ。
胡散くさいのか物騒なのか、はたまた恋する乙女たちの救世主なのか判断しかねるチョコレートである。
だがそこそこ『お高め』なものの、学生でも手が出る良心価格設定のお陰か、密かなブームを起こす人気商品となったのだ。
追い込みの時期になると庵はいよいよ忙しく働かねばならず、諸々の作業は当日は14日の午前中いっぱいまで掛かってしまった。
「あー、たくさんの恋する乙女の背中を後押しできたと思うと気分がいいね」
ずらりと並んだ送り先を最終確認して、庵は満足げに呟いた。
しかしながら庵の考えとしては、『こんなモンに頼っちゃう時点でどうかと思う』部分もある。
良心としてつけた注意書き——
『お相手からあなたに抱かれる好意が単なる薬の効果に過ぎなくても構わないと本気でお考えの場合のみ、このチョコレートをお使いください。
なお、返品は受け付けておりませんが、自分で食べる分には惚れ薬は効果を発動しません』
これを購入者がしっかり理解してくれれば良いのだが。
兎も角にして惚れ薬入りチョコレートに関する全ての作業を終えた庵は、自身のバレンタインデーを過ごすべく、
三夜 霧人
の個人病院へ向かった。
「——お疲れ様です先生、凄かったですね」
看護師に苦さの中に揶揄いの混じった笑顔を向けられて、霧人は同じ顔で「そうだな」と同意せざるを得ない。
14日土曜日の診察は午前中のみだったが、いつもより来院者が多かった。
患者だけでなく、得意先の女性たちが引っ切り無しに訪れては、「先生へ」「バレンタインデーですから」「受け取って下さい」とチョコレートを持ってくる。
本来の仕事に加えてこの対応をしなければならない為、水分補給の1分すら惜しいほど多忙を極めたが、疎かに出来ない理由もあった。
(ここみたいな個人病院は、付き合いが第一だ。快く受け取らないとな)
霧人は疲れを軽い呼吸で吹き飛ばしそう割り切る。
「すまないが整理しておいてくれ」
霧人の指示に応えた看護師は、ただダンボールに分別するだけでなくリストまで作ってくれていた。
書類整理を終えていざリストを確認してみると、スクロールしてもスクロールしても終わりが見えない。
(こりゃ来月は骨が折れるな……)
霧人がなんとも言えない表情で頬杖をついた時だ——。
「毎度ー、天神平薬局でーす」
その声に診察室の方へ振り返ると、看護師と目があった。疲れているだろう先生を気遣って、代わりに対応しますか? と言う顔だ。
「ああ、天神平さんか。大丈夫だ」自分で対応するからと片手を上げて合図して、霧人は椅子から立ち上がった。
空になった待合室で、庵が箱を手に霧人を待っていた。
——なんだ、あんたもか。霧人は瞬時に彼女の用事を理解して小さく頷いた。
「先生もお付き合いでチョコどうぞ。お得意様だから特別仕様よ」
「悪いな、わざわざ」有難うと付け加えながらチョコレートの箱を受け取ると、その足で珈琲を淹れに行く。
「ちょうどいい、休憩するか」
そう思い直してカップをもう一つ手に取った。
暗い液体を注いでいると、蒸気があたって眼鏡が曇る。霧人がその間に一呼吸置いていると、庵が声をかけてきた。
「——先生は結構もらってそうね」
「仕事関係だ」と適当に返すと庵は含みありげに相槌をうった。
「あたし昨日まで惚れ薬チョコ売ってた」
「惚れ薬……? また妙な薬を作ってるのか?
トラブルの種になりそうな薬はほどほどにしておけよ。男女の関係がこじれると、ろくなことにならないからな」
ははっと笑ってカップを手渡した。
いつもの雑談だ。霧人にとって庵は仕事関係の知人の一人ではあったが、軽口も叩ける間柄なのだ。
だからそう——
「そのチョコに惚れ薬が入ってるかどうかはヒ・ミ・ツ」
こんな冗談もある。庵の言葉を流そうとした霧人だったが、この時ふと視線が絡んだ。
そして違和感を覚えた。
(……何だ?)
霧人は一瞬眉を顰めたが、この違和感が何なのか、彼には推し量ることが出来ない。
ただ渡されたチョコレートに惚れ薬が入っていないのは真実だ、と直感し、直感したことを庵に悟られまいと珈琲を一気に煽る。
「……さて、休憩もこのくらいにするかな」
霧人は敢えてそう口に出して空気を入れ替え、そしていつものように冗談めかした表情を庵に向けた。
「あまり長居させて、若い娘さんに悪い噂が付いたりしたら悪いからな」
* * * * *
——あの冗談を彼はどう取っただろう。
霧人の病院からの帰り道、庵は考えていた。
『こんなモンに頼っちゃう時点でどうかと思う』——それが惚れ薬に対する庵自身の考え方だ。だから実際彼へ贈ったのは、惚れ薬入りではない、至って普通の手作りチョコレートだ。精密な作業を得意とする庵だから、菓子作りはお手の物だった。
(照れ隠しにからかっているだけ)
庵はくすりと笑って帰り道を歩いた。
(惚れ薬なんかなくても、あたしはあたし自身の魅力で、三夜の先生をオトしてみせるわ)
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
13
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【バレンタイン】冬の赤いチューリップ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月23日
参加申し込みの期限
2016年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!