スノーマンとの戦い＆のんびりコタツムリ？｜リアクション

スノーマンとの戦い＆のんびりコタツムリ？

　もつ鍋と熱燗で一杯やったら、うまいんだろうなー。
　そう思ったアリサの想像通りの食べ物が、コタツの上で蒸気を放って現れる。
「とととと、スペースごめんなさいねー」
　二十歳オーバー限定飲料を適量飲みつつ、アリサは月や修から食べ物をずらす。
「はい、大丈夫です」
「こういうのも、コタツの良さなのかもしれないな」
　笑って問題を解いていく修。熱量の問題を解けばコタツの熱量が気になるし、日本史に入るとコタツの歴史も気になってくる。
「そういえば、もうじきバレンタインですが……」
　不意に、月がそんな話題を切り出した。修が反応して手を止め、なぜかアリサの手も止ま……りそうになって動き続ける。
「八神さんは……もらえそうですか？」
　誰から、とは言わないが、月の声音は特定の誰かを指しているものだった。
「あ。そうでなくても八神さんは多くの方からもらえそうな印象があります」
「どうかな」
　修は柔らかな笑みで対応した。
「少なくとも俺は、買うのと作るのとで二つ用意する予定さ」
「八神さんが、ですか？」
「男から贈るのもアリなんだよ」
「積極的ねー」
　修の予定を、ちょっと楽しそうにそうコメントするアリサ。ついで月を見る。
「あなたも、誰かに贈る予定？」
「私ですか？……そうですね、日頃の感謝の気持ちを込めて、義理チョコを作って配るのも手ですね」
「義理だけ？」
　ぼそりと呟く月に、アリサが笑みを浮かべて問いを重ねる。
「……ノーコメントで。そうだ、みかんでも食べましょうか。定番ですし」
「そうね。コタツでみかんはいいわね……で、どうなの実際は？」
「俺も気になるな」
「あ。裏切りましたね」
　笑う修を軽く睨む月。そのまま黙秘を貫いたのだった。