最初の日。
その日の昼あたりから、パラパラと小さな雪が降り始めた。
太陽にきらめきながら落ちてくるそれは、儚く綺麗だった。思わず心癒された人もいたかもしれない。
二日目。
朝には雪が降り積もっていた。子供たちが歓声をあげる。大人たちはそれに比べやや困った顔をして、やがてこれも季節柄と仕事に出かけていった。
三日目。
雪はやまず、どんどん勢いを増していった。
交通機関がマヒし始めた。転倒や雪の重みによる被害が増え出す。学校は午後から休校となった。
そして夕方くらいから、雪玉が落ちてきているかのような激しい降雪になった。
夜になっても、風が不吉な音を奏で続ける。
何かが、おかしい。
すでに前例のない降雪量。しかも、橋の向こうの本土にはほとんど降っていない。まるで島だけを狙ったかのように、連日雪が降ってきていた。
何かがおかしい。
こんなのは普通ではない。
そう思った時だった。
『おい、お前らこの状況をなんとかしてこい』
そんな声がした。
◆
ある者は次の瞬間、雪原のまっただ中にいた。
雪がしんしんと降る、寝子高のグラウンドだ。
視界には、こちらを見て慌てて逃げる雪だるまがいた。
そう、雪だるまだ。
球体の胴と頭、バケツのヘルメットにニンジンの鼻。墨で描かれたような目と口は表情豊かに動いている。
それが、四体。
……なぜか銃や剣を持っていて、こちらに銃口や切っ先を向けてきた。
慌てて走り出したところで、銃口から雪玉が発射された。身体をかすめる。
近くにあった木の陰に隠れると、ようやく銃撃はやんだ。のぞき見ると、四体の雪だるまは散り散りに分かれ、どこかへ消えていく。
――あれを、どうにかしろということなのだろうか……?
◆
――ここは、どこだろう?
またある者は、密閉空間に立っていた。
狭くも広くもない、中央にコタツの置かれた部屋。
コタツの上にはメモがあった。
『ここで楽しんで温まれば、スノーマンは溶けます』
スノーマン……いったいなんのことだろうか。
よく分からないが、せっかくコタツがあるのだからと入り込む。心地良さが身体を包みこんだ。
――どうせなら、温かい料理がほしかったな。
ふとそう思う。
すると不思議なことが起こった。一瞬の間に、コタツの上に鍋料理が出現していたのだ。
それを見て、今度はミカンが欲しいと考えてみる。するとやはり、忽然と現れた。
「……」
これは夢だろうか?
せっかくの夢なら、楽しんだ方がいいか。
こんにちは、叶エイジャと申します。
神魂の影響で、島に雪を降らせ続ける『スノーマン』が出現してしまいました。
スノーマンは以下のどちらかの行動で、倒すことができます。
・スノーマン四体と直接バトルして、溶かすor破壊する(バトル描写)。
・みんなでコタツに入りながら、わいわい一緒に過ごす(まったり過ごす描写)。
寝子島の雪の被害を食い止めてください。
※(どちらか一方の選択しかできません)
◆バトルについて
スノーマンは大きさ二メートルほどの雪だるまで、武器(マシンガン、スナイパーライフル、剣、バズーカ)を持っています。
銃器からは雪玉が発射され、剣は振るうと周囲の空気が凍てつきます。雪玉は当たると痛いですが、剣の方はガチで危ないです。
倒す手段は、高温で溶かしてしまうか、物理的に破壊してしまうことです。
多少ダメージを与えても、放っておけばまわりの雪で回復を行うでしょう。
性格は残忍でどエス、わざと隙を見せてから不意を突いてきたり、挑発してきたりします。
移動の跡から追えます。学校の近くを探せば見つかるでしょう。
他に住人は居ません。代わりに大量の雪だるまが置いてあって、少々紛らわしいです。
なおコタツに入った方によって、スノーマンたちにダメージが入り続けるので、人数が少ない場合も全部を倒す必要はありません。
◆コタツで過ごす、について
実は戦わなくても倒せる方法があって、それがこちらとなります。
知らず知らずのうちに事件を解決してしまう形になります。
ガイドでは一人でしたが、こちらを選択した方全員でまったり暖まりつつ、時間を過ごしていただきます。
雪の日の、日常屋内シナリオのようなものだとお考え下さい。
コタツはみなさんが楽しむために必要なものなら、わりと何でも出してくれます。
話をしたり、
食べたりゲームしたり、
あるいは学生なら、一緒に宿題をしてみたり。
どうか思いつく限り、いろいろ楽しんでください。
基本的に全員一緒に描写する予定ですが、アクション次第で数人ごとに分割する場合もあります。
なお、ここで楽しんだ分、スノーマンたちに致命的な熱量ダメージが入っていきます(原理は不明です)。
以上です。
それでは、皆様の参加とアクション、お待ちしております。