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霧の中に佇む花
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●寝子島御伽噺・星ヶ丘●
寝子島高校を出て、南西方面に足を運べば星ヶ丘エリアだ。
地中海を彷彿とさせる小洒落た街並みを歩いて向かった先の住宅街も、敷地を広く取った瀟洒な屋敷や洗練されたデザインの家屋が多い。
その一角、白い塀に囲まれた広い敷地の中に建つ屋敷が、この日環と千唐が尋ねたお宅だった。
「なかなかのお家ですね」
白亜の壁に映える庭木の緑のコントラストを眺め、千唐が呟いた。
門の表札には『菜原』とある。
「ナバラってお茶の卸問屋さんだよね。直営店はそんなにないみたいだけど、シーサイドタウンの駅ビルにもナバラって紅茶の葉っぱのお店が入ってたし!」
そこの社長さんちかなという環の言葉を、千唐は「なるほど」と聞いていた。
チャイムを押して程なく、家政婦さんらしき女性が門まで出迎えに来た。
整えられたエントランスまでの小路を歩く環と千唐は、悠々とした足取りで気後れした風はない。
エントランスの扉が開くと、正面に階段のあるホールの中央付近に立っていた老婦人が二人を見てぱっと顔を輝かせた。
「いらっしゃい、待ってたのよ!」
上品な身なりのエリザさんは、ホールに足を踏み入れた少年と少女に歩み寄って来る。
「竜ちゃんせんせーに紹介してもらってやって来ました、たまちゃんです!」
ハイテンションで片手を上げた環に、エリザさんは目尻を下げた。
「まあ、可愛らしいお嬢さんね」
「んふふ~、エリザおばあちゃんはぐはぐ!」
何処かの国の挨拶のように抱擁している二人を眺める千唐は、相変わらずへらへらとした笑みを浮かべている。
千唐の内心は分からないけれど、エリザさんは環から離れるとにこにこと彼の顔を見上げてきた。
「一年生だって聞いてたけれど、もう立派な紳士なのね。
二人とも、案内するわ。付いてきて頂戴」
環と千唐は、エリザさんの先導で庭園を望むテラスに案内された。
「もう少しすれば、夏バラが咲き始めてもっと素敵なお庭になるのよ」
白いクロスの敷かれた丸テーブルが幾つかあり、既に数人のお年寄りたちが腰を掛けている。
テーブルの上には、既にティーセットやケーキスタンドに乗せられたお菓子や軽食が並び、生けられた花が華やかさを醸していた。
「さあ皆さん、お待ち兼ねのスペシャルゲストですよ」
エリザさんの声に、どう見ても同じ顔をした三人の老婦人が揃って「んまあ!」と嬉しそうな声を上げた。
かと思えば、少し後ろの方でソファに掛けた老紳士が目を閉じてうつらうつらとしている。
「寝子島高校一年生の、添木千唐です! 今日はよろしくお願いします!」
人懐っこい表向きの笑顔で、千唐は自己紹介をすると頭を下げた。
「礼儀正しいのねぇ」
「スーツが似合って、ハンサムね」
「ユウコさん、今の時代はイケメンっていうのよ!」
「あら、そういえば聞いた事あるわ」
ご婦人たちは大体がお喋り好きなようで、割合も少ない紳士たちは逆に静かな対応だ。
環も挨拶を済ませると、こっちへいらっしゃいなという老婦人たちの間の席にそれぞれ腰掛けた。
「今日は気温が高いから、爽やかにアールグレイが良いかしら。柑橘系の香りは大丈夫?」
「ええ、エリザさんのお勧めを是非頂きたいですね」
「んふふ、美味しそう! ナバラブランドの茶葉なんですか?」
「そうよ~、元々は日本茶を扱っていたのだけれど、私が嫁いだ時に菜原……私の夫がね、私が郷から持ってきた紅茶葉を気に入ってくれたのよ。
ねえ、あなた」
「んっ?」
エリザさんに声を掛けられ、ソファでうたた寝していた老紳士がぴくっと反応した。
「旦那様だったんですね」
笑みを浮かべたまま、目を瞬かせる千唐。
「そうなのよ~、最近はよく眠っている事が多くなって……私より年下なのにねぇ」
頬に手を当てて笑うエリザさん。
旦那さんは泉先生の後輩だという。
家業は子供たちに代替わりして、孫たちもみんな独り立ちしてしまったからちょっと寂しい。
それでエリザさんは、こんな風にティータイムには時折同年代の友人たちを呼んで、お茶や手作りのお菓子を振舞うようになったのだそうだ。
「やっぱり若い子はお肌が瑞々しくて綺麗よね~」
「サトコさんも、お年よりずっとお若く見えますよ!」
「あら~、お世辞でも嬉しいわ」
ガラスのポットの中で茶葉がゆっくり舞い、蒸らしている間は老婦人たちと軽いお喋りに興じる。
千唐も、女性とのデートが趣味というくらい女性の扱いに慣れているせいか、彼女たちからもウケは良かった。
「美味し~! 良い香り!」
爽やかな香りの紅茶を飲んで、環はジャムやクロテッドクリームをたっぷり乗せたスコーンを頬張る。
「良い食べっぷりねぇ」
「若い子は沢山動いて消費しちゃうから、沢山食べた方が良いのよ」
「エリザさんのスコーン、美味しいわよね。このチーズケーキも絶品なのよ」
作法は分かるけれどとりあえずスルーな環に、惚れ惚れするような眼差しで老婦人たちはクッキーやケーキも勧める。
そこへ、香ばしい香りを漂わせながら家政婦さんがワゴンを押して来た。
「パイが焼けたのね」
席を立ったエリザさんが手すがら切り分けると、パイの断面にはリンゴやブルーベリーのフィリングがみっしりと詰まっていた。
「ハァ……じゃない、いただきまーす! ん~、甘酸っぱさが絶妙だよん!!」
思わず叫びそうになったのを堪えて、舌鼓を打つ環。
(甘いものは別腹か……)
千唐はといえば、優雅にティーカップを傾けてその様子を眺めていた。
「……と、こちらにお邪魔した目的を忘れてしまうところでした」
気を取り直すとカップをソーサーに戻して、にっこり営業スマイル。
「泉先生のお手伝いで、口伝で残っている寝子島の昔話とかを探してるんです。
皆さんのお家にも、何か面白いお話がありませんかね?」
「そうそうさてさてはてさて!」
環もその事はちゃんと覚えていたようで、紅茶をごくりと飲み干すと、大きなぐるぐるまなこをキラリと光らせた。
「マダムの方! お話聞かせてくださいなっ!」
「ええ、ええ、勿論」
エリザさんたちも笑顔で頷く。
「星ヶ丘の名前の由来は、ご存知かしら?」
お茶会に集まっている中では比較的若い老婦人が口火を切る。
「たまちゃん知ってるよん! 星が綺麗に見える丘があるからだよね」
はいはーいと手を挙げながら環が答えると、老婦人は「ええ」と笑顔で頷く。
「でも、それ以外の説もいくつかあるのよ。例えば……」
「流れ星が落ちてきたお話ね!」
そっくり三人姉妹の真ん中、ナオコさんが表情を輝かせる。
「そう、落ちてきた時代が何パターンかあるのだけれど、流れ星に纏わる昔話も多いのよ。
子供たちは、大概何処の家でも御伽噺を聞いて夢を見るわ。
大きくなるにつれて、単なる作り話じゃないかと思うようになってしまうものだけれど……」
エリザさんも懐かしそうな顔をした。
「そうね……そういえば夫がまだ幼い頃、山の手に星が落ちたのを見て、探しに行ったなんてお話を聞いた事があるわ。
その時は結局見付からなかったようだけれど」
と彼女が旦那さんに視線を向けると、彼は口をむにゃむにゃと動かす。
すると同級生らしい別の老紳士が、肩を揺らして笑った。
「はは、その話なら私も覚えているよ。
泉君たちと夜中に抜け出して、大人たちにこっ酷く叱られたという話が学校中の噂だったからねぇ」
千唐が目を細める。
「泉先生、昔からやんちゃだったんですねぇ」
「見ていた人によれば流れ星が島に落ちた瞬間、光があちこちに飛び散ったらしくてね。
キラキラした欠片は凄く綺麗に違いない、拾って初恋の人にプレゼントしよう、なんてマセた考えの奴もいたようでな」
おマセながら子供らしい発想だけれど、もし幼い彼らが目撃した流星が隕石だったとしたら、もし島の何処かに落ちたとしても、見た目はただの小さな石ころだろう。
けれど老婦人たちの大半が「ロマンチックよねぇ……」とうっとりする。
「でもこの間、また落ちて来たでしょう?」
そこにエリザさんが挟んだのは、先日落ちてきた隕石の事だった。
すると、突然ソファに身を預けていた旦那さんがむくりと起き上がる。
みんな思わず注目した。
「アレはサンマさんがな……」
しばらくもにょもにょ言って、彼は再び背凭れに傾いていく。
クスリと苦笑交じりに肩を竦めた後、エリザさんは言った。
「だからね、今まで聞いた御伽噺の中にも、本当のものがあったんじゃないかって思うの」
「なるほど……」
落神がいない間の出来事は神魂の影響という訳ではないだろうけれど、何か関連はあるのかも知れない。
千唐は後で同じ学生支援部の面々に伝えたり、文章に纏める為に小さな事でも聞き留めておく。
今の星ヶ丘マリーナからイソラ・ガレッジャンテがある一帯はかつては今よりも広い砂浜があって、不思議なものが打ち上げられたという逸話が多いようだ。
それは人魚だったり鯨だったり、はたまた巨大クラゲや巨大ヒトデ、鈴島にかつては存在していた住人だったりと豊富なバリエーション。
結末も助けた人々に恩返しがあったり、不義理をしたせいでバチが当たったりと、寝子島では比較的小さな割合の区域である星ヶ丘でも、場所によって色々な説があるらしかった。
「私の家はエリアの北側なんだがね、いつの頃の話かは分からないが、天宵川を挟んだ向こう岸に空飛ぶ銀色の船が降りて来たという伝承があったよ」
真っ白な髭を蓄えた三つ揃えの老紳士が、ぴんと跳ねた髭の先を撫でながら話し始めた。
「空飛ぶ銀色の船?」
環がぐるぐるまなこを丸くすると、老紳士はうむと頷く。
(それって……)
(UFOっぽいよねん?)
二人はちらりと視線を交わした。
「船の中から出てきたのは、身体に添ったぴっちりとした服を着た、背の低い貴人だったという。
彼らは旅の途中でトラブルに遭って不時着したようで、我が家の先祖が助けたところいたく喜び旅立つ前にある場所を掘るよう言われたのだそうだ」
そこを掘ったら貴重な金属がザックザックで、彼の先祖はそれを元手に商売を始めて成功したという話だった。
(相手が宇宙人っぽくなければ、普通の昔話みたいだけど……)
新たに運ばれてきたサンドイッチをゆったりと食みながら、千唐は心の中で首を傾ぐ。
どちらかといえば寝子島タブロイドの人が喜びそうな話だけれど、果たして本当に宇宙人やUFOっぽいものが存在するのだろうか?
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月08日
参加申し込みの期限
2013年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月15日 11時00分
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