【スキー＆スノボ合宿】白銀の世界へようこそ！｜リアクション

【スキー＆スノボ合宿】白銀の世界へようこそ！

●初心者コース・スノボ組の練習風景

　スキー組がハの字の練習をしている頃、スノボ組は地元インストラクターから連続ターンを目標とした練習を教わっている。
　伊織源一と尾鎌蛇那伊は、基本姿勢、体重のかけ方を覚えるのが早かったので基本をおさらいしてから直滑降することに。
「片足だけバインディング（ブーツを固定する金具）を付けて直滑降することからはじめましょう」
　斜度の無い所から１～２メートルほど上がった源一と蛇那伊は、左足だけバインディングを付けて、ワンフットの状態に。
「スノーボードの前に右足を下ろした状態で基本姿勢になりましたら、ボードは斜面に対して真っ直ぐにしておきましょう」
　インストラクターに続き、２人もワンフットの姿勢に。
「腹筋、背筋、左脚全体に軽く力を入れて固定しておいてください。固定できていないと、この後の動きが不安定になりやすいですよ」
「……成程。覚えておこう」
　覚えておこうと源一は右足以外を固定したまま、右足をバインディングとバインディングの間に乗せる。
「思い切って左足に体重を乗せながら、右足をスノーボードに乗せるとやりやすいですよ。右足に体重が残っていると体が遅れたり、ボードが変な方向を向いてしまって上手く滑れないので気を付けてください」
　この時、右足を乗せる場所が気になるかもしれないが、目線は進行方向を見たままにという指示をしっかり覚える蛇那伊。
　右足は右バインディングに近い場所に置いたほうが安定する、とインストラクターが言うので、２人が理由を尋ねる。
「出来るだけ足を開いた方が安定するからですよ」
「……そうか」
「安定したほうが滑りやすいものね」
　両足に均等に体重を乗せて、目線の向き、姿勢を確認してもらった２人は、基本姿勢のまま、ゆっくりと少しずつ滑る。
「……思ったより難しいものだ」
「ホント、難しいわね」
　予想以上の難しさに苦戦していたが、斜度がなくなる場所を着地点に選んでいたので勝手に止まった。
「勝手に止まらない時は右足を下ろして止まりましょう」
　スピードが早くなると右足を下ろして怪我する可能性があるので、出しすぎないように注意するようにと指示された。

　ワンフットターンの練習が終わると、次は「横滑り」と呼ばれるサイドスリップを。
　斜面に対してスノーボードを横にしたまま滑り降りることができると、急な斜面に出くわしても安全に降りることができる。
　ターン中の足首の使い方の練習にもなるので、できるようになろうと２人は練習を頑張っている。
　ワンフットターンは１～２メートルほどだったが、サイドスリップは１０メートルくらい歩いて上った。
　両足にバインディングを付けると、源一は低い方を向き、斜面に対してボードを真横にして立ち上がる。
　少しずつつま先の力を抜いていくと、ボードが滑り始めたので基本姿勢をキープして滑り始めた。
「そのままキープしてください」
「……こうか」
「その調子ですよ」
　アタシも負けてられないわ！　と蛇那伊もサイドスリップを。
　力加減をある程度コントロールできることもあり、２人はサイドスリップを苦戦することなくマスターした。

　その後は、サイドスリップ中に左右に曲がる「木の葉落とし」を。
　木から葉が落ちてくるような左右に振れる動きをスノボで再現することから、木の葉落としと呼ばれている。
　斜面が歪んでいると正しく動いていても思ったように動かない、感覚をつかむのに時間がかかるので歪んでいない場所で練習を。
「進行方向をしっかり見ないと、うまく進みませんよ。伊織君、進行方向を見て。尾鎌君は姿勢が崩れてきていますよ」
　インストラクターに続いて滑る源一と蛇那伊、スノボ初心者の生徒達は思うようにいかず苦戦している。
　最初は上手くいかず戸惑っていた初心者コースの生徒達だったが、慣れると次第に楽しくなり、スピードも増してきた。
「……これは、中々楽しい」
　上達していく様子に、源一はつい頬も緩む。
「……武術も良いが、スノボも良いものだ」
「アタシも楽しくなってきたわ」
　蛇那伊もスピードを上げ、左右に曲がりながら滑る。
　
　ある程度スピードが出せるようになった生徒は、広いところでドリフトの練習を。
　後ろ側を滑らせて曲がる車のテクニックをスノボで再現する滑りということもあり、意外と難しい。
「……意外と難しいものだな」
「練習すればマスターできるわよ。それにしても、中・上級者はさすがに上手ね」

　蛇那伊の視線の先には、中・上級コースで颯爽と滑る生徒達と高野先生の姿が。

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