【スキー＆スノボ合宿】白銀の世界へようこそ！｜リアクション

【スキー＆スノボ合宿】白銀の世界へようこそ！

●出発進行！

　２泊３日のスキー＆スノボ合宿に参加する寝子高生達は、合宿先に向かうバスに乗っている。
　出発は早朝ということもあり、ウトウトしたり、熟睡している生徒も何人か。

（先生やインストラクターに教わって、滑れるようになりたいです）
　綾辻綾花は、初めてのスキーなのでちょっと緊張している。
「どうしたの？　気分悪いの？」
　綾花の隣に座っている鳴鏡院総悟は、バスに酔ったのではないかと心配する。
「合宿に参加したのはいいんですけど、初めてなので上手く滑れるかと思うと緊張して……」
「そうなんだ。頑張って練習すれば滑れるようになるよ。練習に付き合うから、一緒に頑張ろう」
　励まされて安心したのか、綾花の緊張が解れた。

　２人の前の席には、初スキーにドキドキ、ワクワクな野々ののこと森蓮が。
「ののこさんは、スキー場に行くのは初めてですか」
「スキー場に行くのも、スキーするのも初めてだよ。すっごく楽しみ！」
「そうですか。スキー場はどんなところだと思いますか」
　少し考えている様子なので、答えるまでじっくり待つ。
「雪がたくさん積もってて、皆で楽しく滑るところ！」
「スキーとスノボの合宿だから、そう思ったんですね」
　正直な気持ちをストレートに伝えるのはののこらしいと蓮は微笑み、楽しい合宿になりそうだと期待する。

　伊織源一は鍛錬で山に入ることはあったが、富士山麓は初めてだった。
　前々から一度やってみたかったというスノーボードも初めてである。
（何事も経験……楽しみだ。……俺の身体に合う道具があるか心配だが、なんとかなるだろう）
　腕組みし、到着するまで一休み。

「熊かぁ……真央ちゃん、熊鍋にはとっても興味あるのだ。じゅるりなのだ」
　体育の単位は足りているが体育関係で合宿と言われたら参加せねば！　と燃えているのもあるが、それ以上に熊鍋が食べられることを期待している後木真央も合宿に参加。
「楽しそうだな、真央」
　後ろの席にいた八神修に声をかけられ、振り返る真央は「楽しみなのだ！」とニッコリ。
「俺もだ」
　親しい友人が何人かいるので、楽しいこと、ハプニングが起きそうだと思うと修はワクワクしてきた。
「熊鍋、ということは、合宿先に熊が出るかもしれないのね。出たらうっかり倒しちゃって良いわよね？」
　真央と修の会話を聞き、話に乗ってきた尾鎌蛇那伊。
「武術で倒す気か？」
「会ったら、の話よ」
　クスリと笑って言うが、倒す気マンマンのご様子。
「シュー君、新聞部の取材も忘れないでくださいね」
　スキー経験が少ないので、これを機に実力アップを目指す。
　新聞部の取材も兼ねて参加した椿美咲紀が念を押す。
「八神さん……私には……スキーのこと、教えていただけますか？」
　友達とスキーを楽しみたいと参加した常闇月も会話に加わる。
「わかってるよ、椿、常闇。取材も参加動機のひとつだからな」

　熊と戦いたいと思っているのは、彼らの話を耳にした新田亮もだった。
　参加動機は寒さに負けない体を作るため。スキーやスノボは二の次だ。

「スキーもスノボも経験あんまりないから……スキーだけでも滑れるようになりたいな」
　雪中で動いたことはあるが、スキーもスノボも経験はほとんどない恵御納夏朝は、友人達との合宿が楽しいものになるといいなと思う。

　夏神零は、本場雪国ロシア出身のナスティ・クローヴァに恥ずかしい滑りはできないと緊張している。
　ナスティは生まれがロシアなので、ウィンタースポーツ、特にスケートは大の得意。
　運動万能、スキー経験は最上級で引率の教師より上なので、教えられるというより教師やインストラクターを教えていそうだ。
　そう思うと、零は憂鬱に。
「楽しみですわね、零さん」
「そうでござるな」

「好き嫌いというわけではないが、たまにはこういうのもいいだろう」
　車窓をスケッチしている旅鴉月詠は、運動はあまり得意ではないが合宿に参加。

　生徒達が談笑したり、仮眠したりしている間に、バスは合宿先の富士山麓に到着した。

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