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桜花寮の一室。
恵御納 夏朝
がパジャマ姿で体重計を引っ張り出してきた。すぐには乗らなかった。隅の方に片足を置いて徐々に力を加えていく。
「大丈夫だよね?」
不安を口にしながら体重計に両足を乗せた。弾き出された数字を見た瞬間、急いで下りた。
その場に無言で佇む。
――認めたくないけど、でも、増えてる!
夏朝は行動を起こした。寝子高の指定のジャージに着替える。首には真新しいタオルを下げた。
「走ろう」
小さく頷いて部屋を後にした。
静かな寮をひっそりと抜けて道に出た。夏朝は方向を決めて走り始める。小さな歩幅で路地へと入った。民家の塀や物陰に頻りに目をやる。
「猫さん、いないね」
路地を抜けて大きな通りを走った。見つけた右手の細い道を曲がる。両側の建物のせいで夜明け前のように暗かった。
その中程で夏朝は足を止めた。
「……猫さんいないし、帰ろうかな」
ぽつりと口にして頭を下げる。そこに猫がいた。ジャージのポケットから顔を出していたのは
白猫のお守り
であった。夏朝は手にして顔の前に持ってきた。頬の傷のような縫い目を指でなぞる。
「僕を励ましてくれてるのかな」
にっこりと笑ってポケットに差し込んだ。顔だけを出した状態が災いした。後方から走ってきた茶トラ柄の猫にお守りを掻っ攫われた。
「あ、猫さん、待って。僕の『白猫さん』を返して!」
茶トラは数メートル先で振り向いた。お守りを口に咥えて、また走り出す。
「待って!」
何時になく、焦った表情で追い掛ける。
――僕は失いたくない。二度と白猫さんを。
夏朝は懸命に走った。しかし、茶トラは速かった。距離を詰める間もなく引き離された。一度として振り返らずに左手に折れた。
姿が見えなくなった。夏朝の息が荒くなる。急いで曲がると急激に速度が落ちた。
「どこ、どこなの?」
茶トラはどこにもいなかった。止まりそうな足を動かして通りの隅々にまで目を向けた。視界が涙で滲むのか。夏朝は掌で目を擦った。
「恵御納、探し物か」
急に声を掛けられて夏朝は後ろを振り返る。
八神 修
がランニングウェア姿で走ってきた。傍らには柴犬のカーキーがいて、ワン、と名乗るように吠えた。
夏朝は迷っている時間が惜しいという風に早口で言った。
「そうなの。僕の白猫さんのお守り、茶トラの猫さんに取られて探してるんだけど、どこかで見なかった?」
「今日は猫を見ていないな。探している猫がいたら連絡するよ」
修は別の道を指差した。
「共に行動すると能率が悪い。俺は向こうを走ってみる」
「八神君、ありがとう。僕はこっちを探すね」
夏朝は修と別れた。疲労の見える足を無理に動かして走った。頭が不自然に揺れる。
「あれは」
偶然に目にした塀の上に茶トラが後ろ向きで座っていた。近づくと驚いたように振り返る。口にはお守りが咥えられていた。
「それは僕の白猫さん……って、また逃げた!?」
塀から跳んだ茶トラは道に着地したと同時に走り出す。
「猫さん、待って!」
夏朝は叫んだ。懸命に手足を動かした。緩慢な動きは繁みの中を掻き分けているかのようだった。
――ここで見失ったら、追い付けない。でも、身体が。
それでも追い掛けることを止めなかった。左右に揺れる身体で角を曲がる。肩が電信柱に当たった。両足にも影響して転がるように倒れ込んだ。
俯せの姿で顔を横に向ける。
「……もう、無理……か、な」
夏朝の目に涙が溜まってきた。失った物の大きさを密やかに語る。
そこに茶トラが近づいてきた。咥えていたお守りを手の近くに置いた。夏朝は涙を零した。
「猫さん、ありがとう」
お守りを掌で包み込む。ゆっくり上体を起こすと、周囲には沢山の猫がいた。狭い路地の奥の一角は土が剥き出しになっていて、さながら猫の集会所となっていた。
「猫さんの集会に、白猫さんを参加させたかったのかな」
近くにいた茶トラが野太い声で鳴いた。呼応するように周囲から鳴き声が起こる。
目の当たりにした夏朝はお守りを猫達の方に向けた。頭を下げるような動作のあと、自己紹介を始めた。猫型パペットを扱うように表情が豊かになる。
最後のお辞儀のあと、夏朝は自身の言葉を伝えた。
「白猫さんをよろしくね」
猫達は鳴きながら集まってきた。お守りと夏朝に頬を擦り付ける。甘えた声で鳴く猫もいた。
「みんな、ありがとう」
多くの猫に囲まれて自然に笑みが零れる。
――猫おやつ、持ってくれば良かったね。
夏朝は手の中のお守りに向かって、ねー、とはにかんで見せた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
スポーツ
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月24日
参加申し込みの期限
2016年08月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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