【星幽塔】第一階層　ＱＵＥＳＴ！下水道のスライム退治｜リアクション

【星幽塔】第一階層　ＱＵＥＳＴ！下水道のスライム退治

【Barアストラル】

　『Barアストラル』は大騒ぎだった。

「よぉーし、飲むぞー！」
　山田勘三郎はジョッキを高々と突き出した。酒場の楽しそうな雰囲気に誘われたのか、ステラも顔を出しており、
「飲むのよー！　おにーさんのおごりなのよー！」
と言いながらカチン！　と彼とジョッキを合わせる。
　弘明寺能美子は綺麗な液体が入ったグラスを片手にしゃっくりをしながら頬を染め、鮫ノ口礼二郎はジョッキを目の前に、
「酒……いいのか……？　でもあんな小さな子も飲んでるが……酒……」
と大真面目に悩んでいた。その横で結城日和は、
「お酒？　いいの？　いいよね！　ファンタジーだもんね！」
と目を輝かせる。

　そんな喧噪の中、少し静かなカウンターの一角で、御巫時子はマスターと話をしていた。今回クエストで見つけた財宝を、町に役立てられないか相談するためである。結局マスターから、
「もういつの時代かもわからない財宝ですからね。貴女の好きに使えばいいと思います。下水道が使えるようになっただけでも町は大助かりですから」
と言われ、時子は不承不承ではあるが数々の宝石を仕舞ったが、何かを見つけたのだろうか、ふとその手を止める。そして鞄を持つと、ステラの元にやって来た。
「ステラさん、ステラさん」
「なぁに？」
　振り向いたステラに、時子は袋から小さい光る石を沢山取り出し、テーブルに広げて見せた。
「わぁーすごいの！」
　きらきら光る石を前にステラは歓声を上げる。時子が微笑みながら言った。
「スライムの中にあった石です。全部割れていて小さいのばかりですが……ステラさんの涙みたいでしょう？」
　ステラの向かいにいた勘三郎も身を乗り出す。
「こうして見ると小さいのも綺麗だな！」
「星屑みたいね」
「なるほどな」
　能美子と礼二郎も感心したように眺める。ステラが石を手に取ってランタンの光に透かしながら言った。
「とーっても素敵なの！　ステラの涙よりきれいなのよ！」
　ステラの笑顔に皆も一緒に笑顔になる。そこで日和がザッと嬉しそうに立ち上がった。
「では皆様のために１曲。楽しく参りましょう！」
　そう言うとバイオリンを構え、音がきらきらと光るような可愛い曲を弾き始める。一同は音楽を楽しみながら、仲良くグラスを交わすのであった。

「―――じゃあマスター、依頼取り下げマスカ？」
　日和の音楽を酒場中が楽しんでいる中、トワ・E・ライトフェロゥがクエストが貼り出されてあるボードを指す。マスターがにこやかに言った。
「そうですね。今回は大成功という事で。町の人達もとても喜んでいましたよ」
　その言葉にトワはふんふんと頷くと、小さな丸椅子を持ってくる。そしてそれに乗り『下水道のスライム退治』と書かれた紙をボードから剥がした。
　剥がした紙をトワはカウンターに広げる。そして『終了！』と彫られたスタンプをそこにぺたんと押した。
「おーつーかーれーサーマ、デス！」
　トワの言葉にマスターもグラスを拭きながら微笑む。そこに勘三郎の大きな声がした。
「おーい、ライトフェロゥも飲まないかー！」
「なのよー！　ナノデスなのよー！」
　ステラもご機嫌でトワを呼ぶ。トワはちょっとマスターと顔を見合わせたが、よいしょとカウンターの席から下りて言った。
「分かったデス！　ついでにおつまみも持って行くマス！」
　トワはトレーに自分のグラスとつまみを何皿も置くと、彼らの席に歩いていく。その後ろ姿を見ながらマスターが呟いた。

「皆さん、お疲れ様でした……本当に、ありがとう」

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あとがき

担当マスター：ＫＡＮ
ファンレターはマスターページから！

星のサーカス団見習いのＫＡＮです。
ご参加の皆様、ありがとうございました！
そしてモンスターの相談に乗って頂き、素敵なアイデアをたくさん提供して下さった水月マスター。ありがとうございました！
（水月マスターはほんとアイデアがこんこんと溢れてくるんだ……凄すぎです）

今回のクエストはスライムの属性もポイントの１つでしたが、ふたを開けてみたら風の方が多くてびっくりしました。
相手はスライムでしたので最終的にクエストを成功させることが出来ましたが、もし属性がキーのボス戦だと大変だったかも。
【星幽塔】では、シナリオごとに星の力を変えることが出来ますので、コメント欄を利用して皆さんでうまく力を振り分けてもいいかもしれません。
（アクションの判定などで連絡の必要な方は、また個別で説明させて頂いてます）

まだまだたくさんの不思議が詰まっている【星幽塔】。これからも楽しんで下さいね。

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