【星幽塔】第一階層　ＱＵＥＳＴ！下水道のスライム退治｜リアクション

【星幽塔】第一階層　ＱＵＥＳＴ！下水道のスライム退治

【ブラック・リキッド亭】

　城下町でたくさんの町の人にチラシを配り終えた鎌八まもると響タルトは、『ブラック・リキッド亭』に帰ってきていた。

「チラシ全部配ったし似顔絵も好評だったから、店、超忙しくなるんじゃないか？」
　まもるが執事服の上着を脱ぎながら言った。タルトは「疲れたよー」と椅子に座り、足をめいっぱい伸ばす。
「立ちっぱなしだったものな。にゃんこたんは座っててくれ。後は俺がやるよ」
　そう言ってまもるはポンとタルトの頭に手をやると、テキパキと店の片付けを始めた。その背中に「ありがとう……」とタルトの小さな声が聞こえる。まもるはちょっとくすぐったく感じながらニコニコと作業を進めていった。

「そうだ、あの写真飾っとかなきゃ」
　１つの額を手にし、まもるが立ち止まった。そこに入れられているのは２人の写真。まもるの膝の上にタルトが座っているものだ。
「これいい写真だよな、まるで恋人同士みた……」
　まもるは額を持ちながらタルトの方を振り返り、言葉を止めた。

　―――タルトは机に突っ伏して、すやすやと寝息を立てていた。

　まもるはそっとタルトに毛布を掛ける。
「……おつかれさん」
　しばらくまもるはタルトの寝顔を眺めていたが、その頭を優しく撫でた。
「いい店にしような」
　２人きりの店の中。まもるはタルトの美しいポニーテールの黒髪を手に取り、キスをした。

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