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花の妖精のお手伝い ~枯れ木に花を咲かせましょう~
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【満開の花壇に】
八神 修
と
椿 美咲紀
はともにシーサイドアウトレットに足を伸ばしていた。
いつものように目的は新聞部の取材半分、遊び半分。
2月に入ると春の息吹が目覚め始め、寝子島に暖かな空気をもたらす。
その季節の変化を新聞に載せたいと思うのは、当然だろう。
白猫ミルクを抱きかかえ、アウトレット周辺の花壇や花畑を巡っていく。
「シュー君、ちょっと変だと思いませんか?」
「ああ、一部クロッカスの育ち方が妙だな」
二人はほぼ同時に気がついた。花壇一面に植えられているクロッカスのなかで、あまりにも成長が遅い株がいくつか目につくのだ。
もちろん成長の差は自然なことだし、根が腐ってしまったり、肥料の過不足で花を咲かせずに枯れゆくことだって普通にある。
勘違いかもしれない。しかし妙にひっかかる。
それは何度も神魂事件を経験してきたからこそ感じる、嗅覚のようなものだったかもしれない。
もともと花々が好きな椿は、痩せたクロッカスにそっと手を添えて言葉をかけた。
「元気を出してくださいね。きれいな花を咲かせますように……って、あれれ?」
「どうかしたか、美咲紀」
「えっとですね。ちっちゃな私がいるのです」
「……どういうことだ?」
百聞は一見にしかず、と駆け寄ってきた八神が見たものは、クロッカスの葉の裏に隠れながらもこちらを伺う、椿に似た小さな存在だった。
身長は20cm弱。外見はまさに椿のミニチュア。
クロッカスの葉に似た緑の生地でできたポンチョとパンツルックの妖精がそこにいた。
「えっと、もしかしてクロッカスちゃんなの?」
椿の直感による質問に、妖精は不思議そうな表情をしながら頷いた。
「か、可愛い。なんて可愛らしいんでしょう!」
恥じらいを含んだ頷き方が、椿の心を射抜いたらしい。
悶える友人に苦笑しながら、八神は怯えさせないようにしゃがみこんで、警戒を解いて貰う方法を考える。
このような小人や妖精が登場する伝説で共通する点といえば、好奇心が旺盛、だろうか。
「こんなのはどうかな?」
持っていた硝子のキーホルダーを目の前に吊るして興味を引く。
妖精が注目してきたのを確認すると、八神は軽やかに指を動かし、キーホルダーを消してみせた。簡単なテクニックを使った手品。
妖精ははっきりと驚きの表情をみせて、葉の影からでてきた。
その前で再び手の中にキーホルダーを出してみせる。
完全に好奇心が刺激されたのだろう。妖精は差し出す八神の掌と甲を触って確認し、首を傾げている。
八神からすれば手品はタネも仕掛けもあるテクニックで、この妖精のほうがよっぽど不思議な存在なのだが。
「来るかい?」
コミュニケーションがとれるのか、確認する。
頷いて掌に乗る妖精。
少なくともこちらの言葉を認識はできるようだ。
「お近づきの印です! 食べますか?」
椿が持っていたベビーカステラを1つ渡してみた。
妖精は笑顔を浮かべて受け取ると、八神の手の上でさっそく食べ始めた。
小さな口を一生懸命動かしてカステラを食べる姿は、ハムスターかシマリスのような小動物感が漂い非常に可愛らしい。
「美味しい?」
と椿が尋ねると、輝くような笑顔を浮かべて頷く。
「……シュー君」
「なんだ?」
「もっと何か食べさせてあげたいと思うのは間違いでしょうかどうでしょうか!」
「気持ちはわかる。だから落ち着こうな?」
ただでさえ草木や花が好きな椿。クロッカスの妖精ともなれば可愛がりたいのも当然だろうし、しかもこの小動物感は確かに庇護欲を掻き立てる。
八神で例えるなら、子猫を拾ったときに近いのだろう。
それならば、もはや本能に近い。抗えるはずもなし。
「どうやら甘いものが好きみたいだし、クレープでも食べようか」
「賛成です!」
二人はまだカステラを食べている妖精を連れて、クレープの出店へと足を向けた。
「フルーツクレープがいいですね。生クリームとカスタードもたっぷりです!」
「このプラスチックスプーンなら持てるかな」
椿が注文したクレープをお皿の上に開いて置き、コーヒー用の細いスプーンをちょうどいい長さに切って手渡す。
はじめ首を傾げた妖精だったが、すぐに理解できたらしい。スプーンを器用に使ってクリームとカスタードをすくい、美味しそうに舐め始めた。
確かにその様子は可愛い。
だが、冷静な部分を常に持つ八神としては、この妖精の存在が何のためにあるのか、と考えてしまう。
ときに理由も因果も必要なく生じる神魂事件。だからといって、考えない訳にはいかない。それこそただの気まぐれであったとしても、なにかしら結果という影響が残るのだから。
「まぁ、今回は問題ないかな。さっきの様子ならおそらく……」
「ああ! ミルクちゃん、クロッカスちゃんを襲っちゃ駄目ですよー!」
「ミルクは甘えたがりだからな」
先程まで大人しくしていたミルクは、もう我慢の限界だったらしい。
妖精を優しく押し倒して抱きかかえスリスリと顔を寄せている。
妖精は妖精で、特に気にしていないどころか、ミルクの顔を抱き寄せてモフモフと毛並みの感触を楽しんでいるようだ。
「か、可愛い。ミルクちゃんもクロッカスちゃんも可愛いです! このシャッターチャンスを逃す訳にはいきません!」
椿はミルクのじゃれ方が穏やかだったことで、スイッチが切り替わったようだ。
さっそく愛用のカメラをだして、テーブルの上でじゃれるミルクと妖精を撮影し続けた。
楽しいことが好きみたいだな。ミルクとも仲が良さそうで良かった。
じゃれる妖精たちを前にして、八神は安心したように笑った。
クレープとミルクの毛並みを堪能した妖精を、今度は観覧車に誘う。
室内ではミルクも自由にしてやると、妖精と追いかけっこが始まった。どうやら先程のスリスリモフモフコミュニケーションで、かなり友好度が高まったようだ。
八神たちの頭や肩、膝上をフリーダムに蹂躙しながらも、暴れるというわけではなく穏やかに遊ぶ姿に、妖精の性格が見える。
「クロッカスちゃん、見てください! とってもきれいですよ!」
椿が下に広がる花壇を指差す。
色とりどりの花々が、花壇を埋め尽くしていた。俯瞰視点ならではの、普通は見られない構図。
妖精は何かを探すようにじっと見つめていたが、ついに目的のものを探し当てたのか、にっこり笑った。
八神はその視線の先を見て、やはり、と確信を得る。
妖精はミルクの顔にすがりなにか小さく呟いた。
その後、椿と八神にむかって頭を下げる。
「え、クロッカスちゃん。どうしたの、急に」
急に神妙になった妖精の態度に、椿は戸惑い助けを求めるように八神を見た。
「……また来るよ。約束だ」
すべてが分かっているのか。八神は握手の代わりに小指を差し出す。
妖精は指先を両手で握り、嬉しそうに笑顔で頷いた。
椿にも同じように握手を求める妖精。椿は分からぬままに指を差し出した。
まるで妹のように似ている小さな妖精との、最後のあいさつ。
妖精は満足したように微笑むと、ガラス窓をすり抜けてオレンジ色に染まり始めた空に飛び出した。
「クロッカスちゃん!」
椿の悲鳴とミルクの鳴き声に手を振って応え、妖精は空に溶け込むように消えた。
「シュー君……」
「たぶん、あの妖精はクロッカスを蘇らせるために生まれた存在だったんだろう」
観覧車を降りた後、八神と椿は妖精と出会った花壇に向かった。
「妖精がカステラを食べていたときに、気がついたんだ。クロッカスから蕾がでてきたことに」
そこに弱った株はなかった。
1つ残らず花を咲かせたクロッカスの花壇。
「……クロッカスちゃん。元気になって良かったですね!」
椿は少しだけ寂しそうに、でもそれ以上に嬉しそうに、一際大きく咲いたクロッカスの花を撫でた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月05日
参加申し込みの期限
2016年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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